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3

 そう思い始めてしまったらすっかり俺は落ち込んでしまった。



 同じクラスだってだけで運命かもしれないなんて思った俺は、そんなところでも単純で。



 ダメかもしれないと思ったら、どんどんマイナスな気持ちに駆られてしまった。



 止められなくて、落ち込んでいく俺。



 そんな時、俺にとって信じられない出来事が起きた。



 マネージャーだ。



 可愛いと定評のマネージャーが『彼氏のフリをして欲しい』と言い始めた。



 同じ部の奴が、ストーカーのように付きまとうんだと。



 部内で目立つらしい俺。



 その俺が彼氏だと言ったら、さすがに相手も引いてくれる気がする―――だから、フリでいいから傍にいて。



 そう言われて、ドキドキした。



 そんな風に頼られたことなんてなくて、舞い上がって。



 俺はあっさりとOKしたんだ。


 そうやって始まった彼女との付き合い。


 

 ストーカーまがいの奴は俺と彼女の態度で諦めたのか、呆気なくカタが付いたのに……



 いつまでもフリを解消してくれと言われなくてずるずると傍にいた。



 いつの間にか、部内では最強カップルだなんて言われ始めて解消しようとも言えなかった。



 彼女を傷つけたくない。





 ―――いや。本当は嫌じゃなかったんだ、彼女の隣が。





 芽生えてしまった彼女への気持ちと。



 いつまでも目で追ってしまう君。



 どちらにもはっきりした答えが出なくて……彼女らを天秤にかけることなんて出来なくて、俺は目を背け続けた。


 そう思っていた。




 そうやって過ごした3年間。



 俺は気持ちにはっきりした答えを見つけられないままに卒業式を迎えた。



 『初めてできた女友達。一生忘れらんねー』



 そう言って、泣きそうになる自分を隠したくて君の顔も見ず走り去った。




 本当は。



 


 願わくば、彼女の笑顔がもう一度見たかったな―――





 なんて思ったけれど。



 どっちつかずな自分が情けなくて恥ずかしくて。



 それでも彼女も君も気になってしまうという自分の気持ちが分からなくて。



 俺はこの日、どちらへの想いも捨てることを決意した。

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