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最後の観測者

作者:小南
精神科医の城戸は、患者・佐伯透が「タイムマシンで世界線を移る」と語る奇妙な妄想に取り憑かれていることを知っていた。ある日、佐伯は鍵のかかった密室から忽然と姿を消し、床には焦げた円と「次は君の番だ」というメモだけが残る。やがて第二の失踪事件が発生し、城戸は患者の残した「観測者固定プロトコル」という手順書を手に入れる。これは、密室で観測者を一人に限定し、記録(記述)を完成させることで“世界線跳躍”が起きるというものだった。

自ら実験を試みた城戸は、突如として別の世界に移り、自分が患者「佐伯」として扱われていることに気づく。そこで見つけた手帳には、自分と佐伯、そしてこの世界の医師「城島真」が同一人物として入れ替わる仕組みが記されていた。プロトコルは観測者の役割(医師と患者、そして作者と読者)を最小の自己修正で入れ替える装置だったのだ。

物語はやがてメタ構造へと突入する。城戸=佐伯は気づく——最強の跳躍装置は「物語」であり、読者はページという密室の中で一人の観測者となる。物語の結末で観測が完了すれば、次の観測者=作者に入れ替わる。そして最後に、この小説を読んだ“あなた”が新たな観測者となり、「次は君の番だ」と告げられて終わる。
ZA
2025/08/09 21:32
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