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第62話 出会い頭の事故。~トンネルを抜けたら、黒かった~


「うわ!ホントにあったぞ!すげえや。」



 俺たちは半日近くかかって、隠し通路を探し出した。崖の斜面を中心にどこか不自然な所がないかくまなく調べた結果、発見することが出来た。長い間、使われていなかったためか、草木を取り除いたりするのにも時間がかかってしまった。



「では、このまま中へ入って行きましょう。」



 エルちゃんは「トーチ・ライト」と小さく呟いた。すると頭の上辺りに光の玉が出てきた。これは前にも見たことがあるぞ。灯りの魔法だな。



「待って。先に俺が入るよ。」



 中には何があるかは一切わからない。ひょっとしたら罠があるかもしれない。危険な動物が潜んでいるかわからない。彼女は見るからに剣術などの近接戦闘に慣れているようには見えないので、自分が先頭に立つことにした。別に彼女にいいカッコを見せたかったわけじゃない。……全くないわけではないけど。



「うわ、いかにも古くさいにおいがしてきた。」 



 匂いの正体はわからないが、なんというか埃っぽい?土臭いというか、そんなにおいが充満していた。ずっと長い年月、物理的に封印されていたのだから、当然かもしれない。



「今度こそ、地上であってくれよ!」



(ボコッ!)



 通路の中を散々歩いて、階段を何度も登り、という行程を何度も繰り返し、次こそは、次こそはと期待を抱いて突き進んできた。今度も同じ期待を持って隠れた入り口を探し出し、障害物を取り除く。基本、この繰り返しだった。



「……おっ!ここは!」



 昨日、俺が見つけた地下室らしき所に出た。隠し通路にはなかった灯りが灯っているのが確認できた。……やはり、ここにつながっていたのか。



「やっと、上まで来れたみたいだよ。」


「長かったですね。思ったよりも。隠し通路が敵に見つかったときの対策のために、わざと複雑にしてたんでしょうね。」



 エルちゃんが言うのも最もだった。無闇矢鱈に入り組んでいたし、途中で行き止まりだと思ったら、通路が隠されていたり、このわざとらしいつくりにも納得が付く。やっぱり、エルちゃんは博識だな。



「これでようやく、念願の地上だ!」



 意気揚々に地上へ続く階段を上っていった。ようやく息苦しい地下から解放される!



「ほらほら、エルちゃんも早く!」


「そんなに急かさないで下さい。それに急ぐと危ないですよ。」


「大丈夫、大丈夫!そんなにしんぱ……、」



 後ろにいるエルちゃんに向けていた顔を前に向けて階段を再び上がろうとしたとき、何かにぶつかった。何やら目の前に黒いものが立ちはだかっていた。これは、もしかして……、



「奇遇だな、勇者殿。このタイミングで鉢合わせするとは。」



 黒い人!エドワード・イグレス!何でこんな所にいるんだ!


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