重大な会談のはずだが
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さて、無事に公爵家訪問を終えてからが、大変だった。
伯爵家はどうする!?とか。
領主はどうする!?とか。
特に母上は、卒倒しそうになっていた。
無理もない……息子が公爵家当主、娘がもしかしたら王妃になるということだもんな。
俺が公爵家当主になれば、エリカはその妹になるので、誰も反対しないだろうし。
そして夜が明けて、エデンに向かう日を迎えた。
メンバーは、俺とシノブだけだ。
その方が身軽だし、すぐ引き返すからだ。
「アロイス、おかげでゆっくり出来た。ありがとな」
「いえ……俺には、これぐらいしか出来ないのが歯がゆいですが」
「何を言っているの?それが大事なのよ?いつも、言っているじゃない」
「クク、尻に敷かれているな。ハルカ義姉さんは、おっかないだろ?」
「ユウマ君?なにか?」
「……いえ!なんでもありません!」
「もう!すっかり立派になったと思ったら……そういうところは、変わらないわね」
「俺は俺ですから。では、行ってきます」
またここに戻ってくるので、さっさと出発した。
2日かけて、国境にたどり着く。
「ふぅ、間に合ったようだな」
そのまま待つこと1時間ほど経つと、グラント王が1人やってきた。
「おう!ユウマ殿!久しぶりだな!」
「お久しぶりです、グラント王。お元気そうでなによりです。それより、お一人で?」
「ああ、全部断ってきた。この隙に、攻めてこないとも限らないからな。俺には、護衛はいらないしな」
「いや、それはそうでしょうが………仮にも、王様ですよね?」
「ガハハ!まあ、人族とは違うわな!お!シノブも久しぶりだな!良い女になったな?」
「グラント王、お久しぶりです。娘になれず、申し訳ありませんでした。良い女に見えるとしたら、ユウマ殿のおかげでございます」
どうしよう……シノブが普通の言葉遣いだ……!違和感しかない!
「それは、気にするな。良い女を振り向かせる器が、ゴランには足りなかっただけだ。では、案内を頼む」
俺らは来た道を戻り、王都へ向かう。
ちなみに、グラント王は走っている。
国からも走ってきたという……どんな体力だよ……。
2日後、王都へ着いた。
俺は疲れた身体に鞭を打ち、そのまま会談の場所へ向かう。
ちなみに、民衆がパニックになりかけたが、俺がいることで収まった。
どうやら、知らない間に英雄扱いされていたらしい……。
あまり、実感はないのだがな……。
そして人気のない場所に、たどり着く。
「シノブ、辺りの見張りを頼む」
「はいはーい、了解です」
俺はグラント王を連れ、奥へ進む。
「国王陛下。グラント王を、お連れしました」
「うむ、ご苦労だった。では、護衛を頼む」
「は!お任せを!」
俺は、国王様の左に立つ。
そして、宰相様が右に立つ。
椅子に国王様とグラント王が座り、会談を行う。
「グラント王、遠いところをよく来てくれた。感謝する。余が、デュラン国王である」
「こちらこそ、受け入れを感謝する。我が、グラント王である」
「さて、何から話そうかのう……」
「国王陛下、発言をお許し頂けますか?」
「うむ、許可する」
「ここにおられるグラント王は、剛毅なお方です。シグルド叔父上と思って、接するのが良いかと」
「……お主がそういうなら、そうだな。ゴホン…….では、とりあえず酒でも読むか?」
「………ククク………ハハハ!ユウマ!この方は、これが素か!?」
「ええ。本来は、堅苦しいのが嫌いなお方です。あまり気にせずに、話すと良いかと」
「ユウマよ……否定ができんな。まあ、そういうわけだ。堅苦しいのは、抜きにするとしよう」
「ククク、気に入った。人族の王が、こんな方だとはな……。やはり偏見というのはいかんな」
「すみませんが、これが特別なだけですから。そこだけは、ご理解ください」
「わかっている。次の王はまた別だろう。だが、今の非常事態には助かる」
その後酒を飲み交わし、盛り上がった。
「さて……それでは、同盟を結ぶということでいいかの?ヒック!」
「ああ……それで良い。よろしく頼む。ゲブゥ!」
会談ってこれで良いのか……?
二人とも、酔っ払っているが?
「前代未聞です……これでは公式記録に載せられない……!!」
「心中お察しします……。ちょっと、待っててください」
俺は、2人に回復魔法をかける。
「おお!酔いが醒めた!こんな使い方もあるのか!」
「ユウマよ!感謝する!これが、シグルドが言っていたものか!」
「ユウマ殿!ありがとうございます!貴方は、救世主です!」
物凄く、感謝されているのはわかるが……釈然としない……!
もしかして俺は、この為に呼ばれたの?
その後二人は、同盟規約に同意し、血で拇印を押す。
これにて、同盟が成立した。
良かった……これで、俺の任務も終わったな……。
いや、まだか。
グラント王を、送っていかなくてはな。
その後はガンドールに戻り、戦いに備えよう。
だが、俺は失念していた。
ここにも、戦闘狂がいることを……。
つまりは………。
「ユウマ!ところで、シグルド殿は、何処にいる!?殺り合いたいのだが、どうだろうか!?」
はぁ……どうやら、まだ終わらないらしい。




