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妹が第三王子に惚れたというので成り上がることにした  作者: おとら@9シリーズ商業化
4章 子爵から伯爵になる

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サイドストーリー~カロン~

新たにブックマークをしてくださった方、ありがとうございます。

僕は、生まれてからしばらくは孤独だった。


伯爵家出身の母上は僕を産んだ後、すぐに亡くなった。


なので、僕は顔すら知らない。


伯爵側の祖父母は生きていたが、孫ではなく、王子として接してきた。


それ自体は、大変好ましいことである。


孫を利用し、成り上がるつもりがないということだから。


それは頭ではわかっている……だけど、寂しかった……。


父上は優しくはあるが、滅多に会えない。


あまり会うと、第1王妃がうるさいしね。


第1王妃は、第1王子と第2王子の母親だ。


兄2人とは、そもそも会うこともないしね。


つまり、僕だけが一人ぼっちということだ。


そんな時だった、シグルドに出会ったのは。


シグルドは、周りのみんなが遠慮する中、僕を個人として扱ってくれた。


それが、どれだけ嬉しかったか。


一度も言ったことはないが、勝手に兄さんのように思っている。


そしてその後、1人の少年と仲良くなる。


それがアキトだ。


最初は、父親に言われ、とり入るつもりだろうと思っていた。


だが、接していくうちに、そうではないと思い直した。


今では、唯一信頼できる友だ。


そして年頃を迎えた僕は、うんざりすることになる。


女性から見合い話や、告白をされまくることになる。


いや、自慢かよ!と言いたくなるのはわかる。


でも、考えて欲しい。


毎日毎日、見合い話が届く。

これに関しては、僕が母親がいないので、狙い目なのも理由だろう。


そして学校に行けば、囲まれて自由がなくなる。

そして男の子には、妬まれて寄ってこない。

嫌になるのも、仕方ないと思わないか?


そんな訳で、サユリさんの提案を受け入れることにした。

僕にとっては、渡りに船だった。

自分の名誉には興味ないから、振られたことにすればいいし。


その後は、穏やかな日々だった。

相変わらず女性には迫られたが、減りはした。

男友達も、出来なかった。

だが、それでも以前よりは、全然良かった。


そして、彼女に出会った。


ある噂を聞いて、僕は訓練場に入った。

そこには背筋を伸ばし、一心不乱に素振りをする女の子がいた。

僕は初めて、女性に見惚れていた。

そして、興味が湧いたので、話しかけてみる。


すると、どうだろう。

凛々しい顔が一転して、明るく可愛い顔になる。

表情がコロコロ変わり、面白い。

しかも、僕を知らないと。

さらに、知ったあとも女性特有の雰囲気は出さなかった。

もちろん彼女が若く、そういうことを知らないということもある。

だが、なんとなくだが……この子は変わらない気がした。


そして知り合ってからも、エリカさんは変わることはなかった。

どうやら、僕の勘は当たったらしい。


さらに、嬉しい誤算があった。

彼女は、芯も強い女性だったことだ。

嫉妬やイジメの対象になると、心配していたが、自らはねのけたようだ。

最悪の場合、僕が手を引くか、鎮静するか考えていたが……杞憂だったようだ。


そして、僕はエリカさんに惹かれていくことになる。

人の悪口も言わないし、話してても楽しい。

彼女の家のことは、大体聞いた。


なので、疑問だった。

どうして、そんなに捻じ曲がることなくいられる?と。

そしたら、エリカさんは言う。

ユウマお兄ちゃんのおかげだと。

お兄ちゃんは、わたしが落ち込んでいると、いつもそばに来てくれたと。

僕は羨ましいと思った。

僕も出来ることなら、兄と仲良くしたかった。

まあ、これからでも遅くないかな?と思った。


しかし、あの事件が起きてしまった。

兄達と会う事は、二度とない。


その日は、エリカさんをデートに誘った日だった。

僕は周りに人がいないのを確認し、声をかける。


「エリカさん、ちょっといいかな?」


「カロン様?はい、大丈夫ですよ」


「今日、帰りに出掛けないか?」


「ふえ?わ、わたしとですか?」


「ああ、今日はアキトも実家に呼ばれていないしね」


「ふ、二人っきりってことですか?」


「まあ、護衛はつくけどね。嫌かな?」


「そんなことありません!嬉しいです!」


「そうか、良かった。断られたら、落ち込むところだった」


「ふふ、カロン様でもそんなことあるんですか?」


「それはあるさ。可愛い子には特にね」


僕は真っ赤になったエリカさんの手を引き、歩き出す。


そして一度手を離し、2人で街を歩いた。


「わー!ここ初めて来ます!へー、綺麗なドレス……」


エリカさんは表情を輝かせ、マネキンが着ているドレスを見ている。

こういうところは、女の子なんだなと思った。


「あ!今、なにか良からぬことを考えましたね?」


「……よく、わかったね?」


「だって、お兄ちゃんが私をからかう時と、同じ顔してますもん!」


「ははは!そうか、ごめんごめん」


その後も、楽しく過ごすことが出来た。


そして、エリカさんが僕の手を引き言う。


「カロン様、こっちが近道なんですよ!行きましょう!」


「おいおい、行くから引っ張らないでくれ」


僕は満更でもなく、大人しく手を繋ぎついていく。


そして、狭い路地裏を進んでいた時、背中に激痛が走った。


何が起きた?と思った時には、僕は意識を失くしていた。






そして目が覚め、アキトから事の顛末を聞かされた。

父上の信頼の厚い近衛が、一斉に裏切ったと。

さらには、グラム伯爵まで。


兄2人と、その母親も亡くなったと聞かされる。

僕は、何故助かったか聞いた。

そして、何よりエリカさんは無事かと。

ユウマさんの忍びである、シノブさんが助けてくれたそうだ。

さらには、エリカさんとエリスさんが、僕を治してくれたと。

本当に、あの家族には頭が上がらないな……。

きちんと、お返しをしなくてはならないな。


そして、アキトにも涙ながらに謝られた。

私が側にいれば!と。

だが、正直いなくて良かったと思ってしまった。

アキトまで、死んでいたかもしれないのだから。


僕は再び眠り、起きると誰もいなかった。

なので、これからのことを口に出して考えてみた。


「僕しかいないということは……王太子に?まいったな……理解が追いつかない」


「エリカさんとお付き合いをしたいが……王妃ということになるのか?受けてもらえるのか?」


「いや、その前にまずいな……ティルフォング家が動くか。サユリさんと話さなくては……」


とりあえずは回復して、父上と話し合うことだな。


僕はそう思い、焦る気持ちを抑え、眠りについた。


少しでも興味を持った方、続きが気になった方。


お手数ですが、ブックマークと下にある☆を押して頂けたら幸いです。


モチベーションが上がり、やる気がでます!

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