ゼノスとの別れ
新たに評価をしてくれた方、ありがとうございます。
さて、無事に仕事も終え、俺達は食後の談笑を交わしている。
ちなみに、シノブのお父さんとは、未だ会話出来ていない。
とゆうか、まだ気を失ったままだ。
あれ?大丈夫?俺回復魔法かけた方が良くない?
だが、どうやら日常茶飯事のようで、誰も気にしていないようだ。
うーん、本当に女性が強い種族のようだ。
今も、男連中は洗い物や片付けをしている。
戦うのは、女性の仕事のようだ。
仲間の皆も、楽しんでいるようだ。
ホムラは、シノブのお母さんに挨拶に行き、捕まった。
アテナは気性が会うのだろうか、集落の女性陣と話している。
イージスとルイベ男爵は、珍しく2人で話しているな。
なんか時々、俺の名前が聞こえるのだが、何を話しているやら。
そして俺は、約束通りにゼノスと呑んでいる。
「いや、ありがとな。ユウマ殿」
「ん?何がだ?」
「いや、明日で終わるからな。今のうちに、礼を言っておこうかと」
「あ、そうか。鬼人族のところに行くと、遠回りになるのか。明日で、お別れか……」
「ああ、すまん。結局役に立ってないしな」
「いや、何もなかったならそれでいいさ。あくまでも、保険だったし」
「そう言ってくれると、助かる。はあ、教会を通るのが憂鬱だ……」
「……やはり、生き辛い場所なのか?」
「まあ、常識人には耐えられないだろう。足の引っ張り合い、殺し合い、騙し合い、そんな連中が牛耳っているのだから」
どうやら、想像以上に酷いみたいだ。
「やはり、新しい教皇が原因か?」
「ああ。奴は、徹底した人間至上主義だ。もっと言うと、教会至上主義だ。他の国の人間は、同じ人間とは思っていない。そしてその思想は、徐々に国上層部に広がっている」
「……そうか。民はどうしているんだ?」
「酷いものさ。貧富の差がありすぎて、餓死者が出る程だ。でも、奴らはそんなことは気にしない」
「どうにかならないものか……」
「まあ、上層部を一掃ぐらいしか方法はないな。ユウマ殿が、考えることではあるまい?そんな余裕があるのか?」
「……そうだな。心は痛むが、俺に出来ることはないか……。俺にも、やらなくてはいけないことがあるからな」
「ああ、それでいいと思うぞ。ユウマ殿が、気を病むことはない」
「ああ、ありがとう。ゼノスは、国に帰ったらどうするんだ?」
「とりあえず、兄貴達にぶん殴られて、母上に叱られ、親父に説教かな?」
「それは、中々のハードコースだな。ん?もしかして、無断で出てきたのか?」
「ああ、そうだ。なにせ、ガチガチに固い国だからな。基本的に、国外には出られない。まるで、誰かに洗脳されているかのようにな」
「ん?どういう意味だ?」
「あー……なんていうかな。国全体に脅迫観念がかかっている感じか?規律を守らなければならない、教会と仲良くしなくてはならないって感じだ」
「あー、なるほど。一種の刷り込み教育みたいなものか」
「まあ、そんな感じだ」
「じゃあ、もう出てこれないんじゃないか?」
「その可能性はある。だが、その時は暴れ出してやるさ」
「はは、ほどほどにな。では、今生の別れにならないように、祈っていよう」
「おう!デュラン国に行くから、また会おうぜ!」
「ああ、待っているよ」
こうして、親睦を深めた夜は更けていく。
▽▽▽▽▽▽
次の日の朝、ゼノスはいなくなっていた。
朝一番で、出ていったらしい。
門番が、伝言を預かっていた。
「ユウマ殿、それと他の皆。見送りは照れ臭いので、こっそり帰ることにした。気の良い連中ばかりで、楽しかったぜ。生きていたら、また会おうだそうです」
「そうですか……ありがとうございます」
たく、あの野郎……見送りぐらいさせろってんだ。
まあ、ゼノスらしいか。
俺達はヴァンパイア族に見送られ、出発した。
どうしよう?結局お父さんに挨拶できてないるだが?
ヤヨイ殿は、気にしなくていいと言っていたが……。
まあ、いいか……また今度、行こう。
「さて、ユウマ殿。いよいよ我が国に参りましょう」
そうか、そういや王子に値するのか。
「えっと、ゴラン殿は跡継ぎなのですか?」
だとしたら、シノブは王妃だった予定になるのだが……。
多分だが、マズイよな?
「……ああ、そういう心配ですか。それに関しては、ご安心ください。私は次男で、婿入りの予定でしたから」
どうやら、俺の心配を見破ったようだ。
「ああ、そうですか。なら、一安心です」
「ただ、ユウマ殿は親父殿に勝負を仕掛けられるので、覚悟が必要ですよ?」
「……やっぱりですか。ええ、ここまで来たらやるしかないですね」
「ちなみに、私なんかとは桁が違いますからね?多分、剣を使えと言われるでしょうけど」
「え?……そうしないと、勝負にならないってことか」
「ええ、そうゆうことです」
俺達は1日野宿をし、中央に位置する、鬼人族の集落に到着した。
「なんていうか、どの木造住宅も大きいですね」
「ええ。我々は、平均身長が180ほどですから。それに合わせて作っています」
「あ、なるほど。低いと、頭とかぶつかりますもんね」
そして鬼人族達は、興味深そうに俺達を見ている。
ゴラン殿がいるからか、静かにしている。
そして、そのまま進んでいくと、石で積み上げられた祭壇のようなものがある。
その一段高い位置に、玉座らしきものがある。
そこには、覇気を纏った鬼人族が座っていた。
あ、やばいと俺は思った。
これは、叔父上クラスだ。
同時に、雰囲気から察するに、中身も叔父上っぽい。
つまり、どうなるかというと……。
「ククク。よく来たな、人族よ。では、殺ろうか?」
ほら、こうなった!
しかも、今どう考えても、殺すって意味で言ったよね?
この人は、叔父上と同じ戦闘狂だよ!!
たまには、何事もなく終わらないものかね?




