王都出発
さて、出発前日という事で、慌ただしくなってきた。
なにせ、立て続けに色々なことがあったからな。
準備する方も大変だ。
孤児院に行って、カインとマリンの様子を確認したり。
冒険者ギルドに行き、挨拶をしたり。
教会に行き、挨拶したり。
そして、ようやく全ての準備が終わった。
その夜は、皆で食事を共にした。
カインやマリン、ホムラを含めた仲間達。
母上、エリカ、ハルカ義姉さん。
叔父上に、セバスとクリス。
皆、俺の大切な人達だ。
皆の笑顔を見ながら、ずっと一緒に居られればと思う。
でも、きっと伯爵になればそうはいかない。
まだどうゆう形になるかは、わからない。
だが、少なくとも俺は王都を離れなくてはならない。
王都の館には、おそらくはアロイスを残すだろう。
ハルカ義姉さんもいるしな。
カインとマリンも王都に残るだろう。
母上とエリカも、当然王都だ。
シノブは、俺に付いてくるだろう。
イージスも故郷があるし、付いてくると思う。
ホムラは、まだわからないな。
伯爵になったからといって、すぐ結婚という訳にはいかないし。
アテナもなー、悩んでいるみたいだな。
まあ、無理強いはできないからな。
あとは、本人次第ってところだ。
だが、どんなに離れても、変わらない。
皆を大切だと思う気持ちだけは。
俺は、そんなことを思っていた。
すると、アロイスが話しかけてくる。
「団長、センチな気分ってやつですかい?」
「まあ、そうだな……国を離れるのは初めてだしな」
「この家のことは、任しといてくだせえ!団長は、安心して任務を遂行してくだせい」
「ああ、アロイスなら任せられる。俺の家族を頼む」
「へい、お任せを。……しかし、人生っていうのはわからんもので」
「ん?どうした?お前もセンチな気分か?」
「たまにはいいじゃねえっすか。いや、まさか自分が貴族になるとは……若い頃の俺からは、想像もつかないことですから」
「まあ、気持ちはわかる。俺も、伯爵になるとは思ってもみなかった。しかも、まだ半年ぐらいだぞ?考えられん」
「あっという間に過ぎやしたね。まあ、その、なんだ……これからも、よろしくお願いしやす」
「くくく、なにを照れている?ああ、こちらこそな」
こうして、最後の夜は更けていった。
▽▽▽▽▽▽
さて、夜が明けて、いよいよ出発の日を迎えた。
ここからエデンまでは、馬車で行く。
国境まで行くのに、2、3日はかかるな。
俺は、やり残したことがないか確認する。
アロイスには仕事残さなかったよな?
まあ、なにかあればセバスが対処してくれる。
顔を出すところは、全部行ったよな?……うん、大丈夫だ。
よし、では行くか。
俺はミストルティンを持ち、部屋を出る。
そして、そのまま玄関に向かう。
玄関には、皆が勢揃いしている。
「お兄ちゃん、気をつけてね!わたしも頑張るね!」
「ユウマ、しっかりお勤めを果たしなさい。そして、無事に帰ってきなさい」
「ふふ、もうユウマ君だなんて呼べないかしら?気をつけてね」
「団長!お気をつけくだせえ!」
「まあ、お前の腕なら平気だ。剣聖の俺が認める。自信を持て。……気をつけろよ」
「師匠!僕も強くなるから、帰ってきたら見てね!」
「わたしも、もっと回復魔法の腕を上げます!無事に帰ってきて、見てください!」
「ユウマ様、家のことはお任せください。お気をつけて」
「ええ。そうですね、セバス。私も微力ながらお手伝いしますので。いってらっしゃいませ」
「団長、わたしがいないからって油断してはダメですからねー?」
俺は、其々の顔を見ながら告げる。
「皆!見送りありがとう!俺は必ず帰ってくる!では、また会おう!」
こうして、皆に見送られながら、馬車に乗り込んだ。
中には、ホムラがいる。
イージスとアテナは別の馬車だ。
そして、馬車が動き出した。
さて、ゼノスを拾わなくてはな。
どこにいるかな?
俺は馬車の扉を開けて、門の辺りを見渡す。
すると、ゼノスが走ってきた。
「おーい!ユウマ殿!」
「おいおい、ギリギリじゃないか」
「いや、面目無い。準備に手間取った」
「ユウマ、この方がゼノスですか?」
「ああ、ホムラだけは会ったことなかったな。そうだ、ゼノスだ」
「公爵令嬢のホムラ様ですね?ゼノスと申します。無骨者ではありますが、よろしくお願いします」
「ええ、こちらこそ。ただし、何か問題を起こせば……わかりますわね?」
「ええ、もちろん。見捨てていただいて構いません」
「では、ワタクシが言うことはありませんわ。よろしくお願いしますわ」
とりあえず、挨拶は済んだな。
さて、こいつ走ってきたな?
とゆうことは……。
「一応ゼノス用に、馬持ってきたが使うか?」
「お!ホントか!?助かるぜ!時間がなくて、借りれなかったんだよ」
「だろうな。いいよ、使いな。あれだ」
俺は馬を指差す。
「お、あれか!いや、助かった!では、俺は部外者なんで、ひっそりとついていくな」
そう言って、ゼノスは馬に乗りに行った。
さて、これで全員揃ったな。
いよいよ、エデンへ出発だ!
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