幕間
これにて、3章が終わります。
いつも、読んでくださっている方々、ありがとうございます!
さて、正式にはまだだが、領主になることが決まった。
俺は、住民達に引き止められて、未だにガンドールに滞在していた。
ギルドの報酬も貰い、国からの報酬は、帰ってからということになった。
ちなみに、仲間達は各々、自由に行動している。
シノブとホムラは、なにやら2人でお出掛けをしている。
これは、相当珍しいことである。
まあ……これからを考えると、良いことだな。
アロイスは、兵士達に請われて、訓練をしている。
相変わらず、面倒見が良い奴だ。
あいつなら、領主とかになっても、問題ないだろうな。
バラルとも、気が合うようだし。
やはり、同じタイプの外見だからか?
イージスとアテナは、イージスの故郷へ顔を出しに行った。
イージスは1人でいいと言ったのだが、まだ全快はしていないので、許可しなかった。
なので、アテナに付き添いを頼んだ。
アテナも、しょうがねえなと言いながら、嬉しそうだったな。
まあ、あとは本人達次第だな。
そんな訳で、仲間達は充実した休日を過ごしているようだ。
ただ、エデン出発まで10日ほどになったので、明後日には帰ることにした。
そんな時、何故か王都に帰った叔父上が、こちらに来ていた。
領主の館で、今できる仕事をしていた俺は、驚いた。
「どうしたんです?叔父上」
「いや、ちょっと王都にいづらくてな。あとは、事の顛末を報告しに来た」
叔父上の話によると、こうだ。
領主の息子と母親は死刑。
娘2人は修道院行きになった。
「では、予定通りですね」
「……あんま無理すんなよ?お前は甘ちゃんだからな」
叔父上から、俺を心配する気持ちが伝わってきた。
「叔父上……ええ、大丈夫です。確かに、気分のいい事ではないけど」
「そうか……ならば、もう言うことはない。さて!本題だ!」
「まあ、そうでしょうね。それだけなら、誰でもいいですもんね」
「ああ。ユウマ、俺と本気で戦え」
叔父上は、見たことないような真剣な表情だ。
俺は、訳がわからなかったが、今はいいかと思った。
そして、すぐに覚悟を決めた。
「ええ、わかりました。場所はどうしますか?」
「大丈夫だ。さっき話は通してきた。闘技場に行くぞ」
「え、ええ。わかりました」
そして、2人で闘技場に向かう。
闘技場とは、娯楽として闘いを見せる場所である。
荒くれ者の息抜きにや、腕に覚えがある者の披露の場としても使われる。
普段は、その広さから、兵士の訓練などに使われている。
そして、叔父上と中に入ると、驚いた。
なんと、観客席に人がいっぱいいるのだ。
よくよく見れば、仲間達もいる。
そして、俺達に気付いた観客が、歓声をあげる。
「ユウマ様ー!」「領主様ー!」「抱いてー!」
最後の声はシノブだな……。たく、しょうがない奴。
「あのー、叔父上?そろそろ説明を……」
「この観客に関しては、俺は知らん。ただ、バラルとかいう奴に聞かれただけだ。ここを借りていいか聞いたら、それを市民に見せてもいいかと」
「バラルさんが?うーん、どうゆうことだ?」
「ユウマ殿!」
バラルさんが、こちらにやってきた。
「バラルさん?これは一体……?」
「いや、すまない。市民達が怖い目あっただろ?それを払拭できるようなことはないかと考えていてな。シグルド殿の話を聞き、これだ!と思ってな」
「あー……なるほど。でも結構激しいですよ?」
「そうゆうのは、見慣れてるから大丈夫だ。あとは、新しい領主のお披露目でもある。ユウマ殿がどのくらい強いのか、知らない市民や、兵士達に見せるためでもある。自分達は、こんな人に守ってもらえるんだという安心も含めてな」
はぁー……相変わらず気配り半端じゃないな。
もう、この人が領主でいいんじゃないか?
戦功により、準子爵になったみたいだし……。
「バラルさん、領主やりませんか?」
「は?何を言っている?俺ができるのはお膳立てくらいだ。ユウマ殿がいてこそだ」
「そうゆうものですか……まあ、いいか」
「はは!まあ、細かいことは俺達に任せて、ユウマ殿はしたいようにすれば良い。ではな!」
そう言って、観客席のほうに走っていった。
「さて、話は終わったな?やるとしよう」
「ええ。お待たせしました、師匠」
「はは!お前にそう呼ばれるのも久しぶりだな。いいか?今回は切れ味は全くないが、頑丈な剣を用意した。気を抜くと、骨の一本や二本は折れるから覚悟しろよ?」
どうやら、刃を潰してある剣を用意していたようだ。
叔父上は、それを俺に投げてきた。
俺は、それをそのまま受け取る。
「わかりました。つまり、いつも通りですね?」
「そうゆうことだ。行くぞ!」
観客達が見守る中、叔父上との模擬戦が始まった!
叔父上は、剣を叩きつけてくる!
俺は、それを避けずに受け止める!
そのまま、数合打ち合う!
観客席から声が上がる!
俺達は、一度距離をとった。
「ほう?5割の力で行ったんだが、避けずに受け止められるようになったか……嬉しいぜ」
「ええ、おそらくですが……叔父上は、俺がどれだけ成長したのか、知りたいと思ったのでは?」
「まあ、半分は正解だな。では、次は7割で行く。吹っ飛ぶなよ?」
叔父上は、先程より威力を増した剣を叩きつけてくる!
俺は両手持ちに切り替えて、なんとか弾き返す!
叔父上は片手だというのに……相変わらずの馬鹿力だ!
そのまま、数合打ち合っただけなのに、手が痺れてきた。
うーん、通常ではこの辺が限界か……。
「どうした!?ユウマ!?お前の力はそんなものか!?俺を失望させてくれるなよ!?」
「うるせえよ!この馬鹿力が!ちょっと待ってろ!今本気出してやるよ!」
「ほう!言ったな!では、見せてみろ!お前が、何か訓練をしていたのは知っている!」
俺と叔父上は、再び距離をとる。
俺は、オーガジェネラルとの戦いの後に思った。
懐に入れないなら、入れるほど早くなればいいと。
受け止められないなら、受け止められるようにすればいいと。
「ああ、見せてやる!ハァァァァ!!!!」
俺は、魔力を限界まで高める!
次に、気を抜けば暴発しそうになる魔力を抑えつける!
そして、身体中を覆うようにして留める!
「ぐぅ!きつい!だが……ガァァァ!!」
俺は、繊細な魔力コントロールにより、留めることに成功した。
おそらく、これは俺以外には使えないだろう。
莫大な魔力と、魔力コントロールが必要とされるからだ。
俺は、これを魔闘術と名付けた。
魔力を纏うことにより、全ての身体能力をあげることができる。
ちなみに、シノブのヴァンパイアモードを参考にした。
あれも似たようなものだからだ。
「はは!良い圧だ!それが、お前が目指していた形か!?
「ええ、お待たせしました。まだ完成形ではないんですけどね……。あまり、長くは持たないので……行きます!」
俺は、叔父上に向かって駆け出す!
自分でも驚く速さだ!
体感的には、いつもの3倍はある!
一瞬で、叔父上との距離を詰める!
そして、剣を叩きつける!
「うお!?俺が後ろに下がるだと!?くくく、いいぞ!いいぞ!ユウマ!」
「満足してもらえましたかね?これキツイんですけど」
「いや、まだだ。さて、俺がお前と稽古の時に見せたのは、ここまでだな」
「ええ。それでも手も足も出ませんでしたけど」
「ああ、基本的な腕も上がっているな。そして、その目に見えるほどの魔力を纏った姿。その状態なら本気をだしても死ぬことはないか」
「はは、お手柔らかに」
「では、俺も気合を入れるとしよう。ウラァァァァ!!!!」
大気を揺るがすほどの咆哮だ!
とゆうか、威圧感はオーガジェネラルの比じゃない!
これが、叔父上の威圧感か……。
観客席も静まりかえっている。
「行くぞ!ユウマ!死ぬなよ!?」
その巨体とは裏腹に、一瞬で距離を詰め、剣戟を叩きつけてくる!
俺は手と足に魔力を重点的に流し、吹き飛ばぬように受け止める!
たが、それでも吹き飛ばされた。
いや、吹き飛ばされないたくらいで、済んだと言うべきか。
「お!今のを耐えるか。楽しいな!だが、そろそろ剣が限界だな。よし!お前の最高の一撃を、俺にぶつけてみろ!!」
「わかりました!行きます!」
俺は残る魔力を剣に集める!
そして、一瞬で間合いを詰め、放つ!
「魔斬剣!!」
手応えはあったはず!どうだ!?
今は砂埃が舞い、何も見えない。
そして、視界が晴れた。
叔父上は、仰向けの状態で倒れていた。
「叔父上!大丈夫ですか!?」
叔父上の肩から、血が流れていた。
「ああ、問題ない。擦り傷だ」
「いや、それはそれでおかしいですけど!?オーガジェネラル切り裂いた技ですよ!?」
「なに!?お前、そんな危ない技を俺に放ったのか!?」
「アンタが本気でこいって言ったんだろうが!!」
すると、拍手が嵐が巻き起こる。
「すげーよ!すげー!」「2人ともスゴイです!!」 「こんなの初めて見たよ!!」
こうして、模擬戦は終わりを迎えた。
▽▽▽▽▽▽
ところ変わって、俺は叔父上の泊まる部屋に来ていた。
「さて、とりあえずは合格点をやろう」
「はい!ありがとうございます!師匠!」
「ああ。で、お前にはこれをやる」
俺はそれを見て、驚く。
目の前に、凄まじい魔力を秘めた剣がある。
おそらくは魔剣と呼ばれる物だろう。
「これは?何故もらえるのですか?」
「いや、ダインが……国王様が、お前にくれるそうだ。俺が、王都を出る前に、国王様が言ったんだよ。この剣を、俺がお前の力を認めた時がきたら、渡してくれと」
「も、もしかして……我が国に伝わる宝剣の1つじゃないでしょうね?」
「お!よくわかったな!今回の褒美らしいぞ?ただ、うるさい奴もいるから、内緒であげるってよ」
俺は言葉を失う。
それほどに、宝剣は貴重だ。
何故なら、どうやって作られたかは、もはや誰にもわからないからだ。
それが、我が国の創設より伝わる宝剣だ。
6本あり、バルムンク、ティルフォング、ミストルティン、デュランダル、カラドボルグ、グラムである。
「こんなのもらえ……いや、有り難く使わせてもらいます。俺のはミストルティンですね。敵を切るたびに、魔力を吸い取るという」
「お?お前にしては珍しく素直だな。そうだ、ミストルティンだ。俺のはデュランダルだな。永世剣聖の称号の時に下賜された」
「いや、これからエデンに行くのに、剣を新調しようとしていたので。あと、断っても押し付けられそうですし」
ちなみに、俺のミストルティン。
叔父上のデュランダル。
これらの宝剣は、持ち主が死ねば、勝手に王城の宝物庫に帰るらしい。
だから、子孫に引き継いだりはできない。
「はは!お前もダインのことわかってきたな!」
「まあ、そうですね。それに、この剣は多分、俺向きですし」
魔闘術を使うのに、これほど適した剣はないからな。
「ああ、そうだろうな。一応持ち主を選ぶらしいしな。俺のこいつは、とにかく重たい、頑丈、でかいが特徴で、俺向きだしな」
そうなのだ。
気に入らない場合は、宝物庫に帰ってしまうらしい。
こうして、新たな剣ミストルティンを手に入れた俺は、次の日の休息を得て、王都に帰る日を迎えた。
そして、沢山の市民に見送られながら、王都へ向けて出発した。
さて、次はいよいよエデンだな。
何事もなく終わるといいが……。
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