戦後の話
俺達が門ところに行くと、物凄い歓声が上がった。
「うおー!!すげーな!あんたら!」
「あんな化け物を倒せるなんて!!」
「私達を守ってくれてありがとうございます!!」
俺は暖かい気持ちになった。キツかったけど報われるってもんだ。
この人達を守れてよかった!
俺達はその歓声に手を振って応える。
だが正直ヘトヘトで今すぐにも倒れ込みたい気分だった。
なんとか門をくぐり抜けると、バラルさんがやってきた。
「よくやってくれた!この街の英雄達よ!この街を代表して礼を言う!助けてくれて感謝する!!」
するとまた大きな歓声が上がった。
「だが市民の皆さん!もう夜になる!感謝を伝えたい気持ちはわかるが、英雄達は激戦により疲労している!ここは一先ず休ませてあげようじゃないか!」
すると歓声が止んだ。
「そうだよな・・・」「あんな戦いだもんね・・・」「休ませてあげなきゃね!」
「だが、英雄達はここに何日か留まるようだ!なので後日また場所を設けたいと思う!よろしいか!?」
すると市民達は大人しく戻って行った。正直助かった・・・。
しかし、このバラルという男は相当使えるな。
腕も良いし、市民の信頼もあり、今のような気配りもできる。
だからこそ前領主と息子には煙たがれたのかもしれない。
俺は小声で話しかける。
「バラルさん、正直助かりました。ありがとうございます」
「いや、俺にはこんなことぐらいしかできん」
「いえ、そんなことはありません。市民の皆さんの反応を見ていればわかります。貴方は信頼に足る人物だということが」
「・・・そうか。変わった貴族もいたもんだな。まあ、いい。領主の館に泊まっていけ。あそこなら市民も入ってこないし、今は誰も使ってないしな」
「ええ、では有り難く。では失礼します」
するとアロイスとイージスが駆け寄ってくる。
「団長!やりやしたね!美味しいところ持っていきやしたね!」
「団長!凄いです!オイラじゃ手も足もでなかったのに・・・」
「ああ、アロイスもあっちを任せて悪かったな。いや、イージス。それはただの相性の問題だ。お前の腕を俺は信頼している。ただ今回は避けるタイプの俺、シノブ、アテナが相性がよかっただけだ」
「そうだぜ!イージス!多分俺でも同じ結果だったろうよ!」
「団長・・・アロイスさん。へへ!でもオイラはもっと強くなります!」
そうして全員で合流して歩き出す。
そこからはさすがに疲れきっていて、誰も喋ることはない。
そしてそのまま全員、残っていた使用人に案内された。
俺はそのままベッドにダイブ。
一瞬で意識を失った。
どれくらいの時間が経ったのかわからないが、俺は目を覚ました。
するとシノブがスヤスヤと寝息をたて、隣にいた。
シノブの寝顔は久々なので、まじまじと見てしまう。
こんな可愛い顔しているのに、オーガジェネラルと互角に渡り合うんだからな。
そして、やはりあの力の解放はシノブに負担をかけるなと思った。
俺は急に愛おしくなり、黙って頭を撫でてやる。
「そうだよな。いつもありがとう。シノブがいるおかげで俺は随分と助けられている。俺はお前の為に何ができるかね?」
俺はそろそろヘタレを卒業しなきゃだなと思った。
ただその前に、ご両親に挨拶がしたいと思っていた。
だからある意味、今回のエデンへの護衛任務は渡りに船でもある。
そしてそのまま、頭を撫でているとノックが聞こえた。
「ユウマ殿、バラルだ。疲れているところ悪いが、いいだろうか?」
「ああ、今起きました。大丈夫です。すぐ行きます」
俺はシノブに布団をかけて、部屋を静かに出る。
すると外は明るくなっていた。どうやら半日ほど寝ていたらしい。
「すいません。待たせました」
「いや、こちらこそすまん。ちょっと問題が起きてな」
「どうしたのですか?深刻な顔をして?」
「領主の息子の長男が帰ってきやがった・・・」
「あー・・・忘れてました。そうか。生きていたのか・・・」
「ああ。俺も正直死んだかもと思っていた。だが悪運が強かったようだ」
「馬鹿だなぁ。そのまま逃げて静かにしてたら、酷いことにならずに済んだのに」
「やっぱり、そうなるか?」
「おそらくは。だって領主の息子が逃げ出したのです。ちなみに今は?」
「領主の館の少し前のところで、市民と兵士と睨み合っている。幸い流血騒ぎまでいっていないが、このままではマズイと思ってこうして来たわけだ」
「ああ、たしかに。亡くなった兵士のご家族からしたら正当な怒りですし。でも、なんで俺が?」
「ああ、アンタなら奴と対等以上に話せるだろ?貴族の子息は、2段階下がった爵位の扱いになるからな」
俺はその話をきいて、そういやそうだったなと。
今までは男爵だったから関係なかったので忘れていたが、俺は我が国の貴族の子息の扱いについて思い出していた。
我が国の貴族の子息の扱いは、親の持つ爵位の2段階下がった爵位扱いになる。
もちろん、実際の権力はない。それ相当ということだ。
まあ、相手が親の権力を恐れて勝手に忖度することはあるが。
後は、親が偉いから自分も偉いとか勘違いしてる奴とか。
で、この場合だが・・・奴らは伯爵の子息だ。ということは準子爵扱いになる。
つまり俺と同じということだ。
だが違う点がある。奴らはあくまでもそれ相当というだけだ。
だが俺は、国王様に認められた正式な当主だ。
なので格は俺のが上である。
「ああ、準子爵扱いになるからですか」
「そうゆうことだ。奴ら今更来て偉そうにしていやがる!!」
「わかりました。俺に任せてください。いざとなれば強行手段にでます」
「そうか!本当にすまん!何から何まで世話になる!」
「頭をあげてください。これは貴族の不始末です。ここでは1番爵位が高い俺が、なんとかするべきでしょう」
「はぁ。なんでこうも違うかね。育ての親か?」
「はは・・・どうでしょう?確かに母上は敬愛する人ですが、俺の親父は酷いもんでしたから」
「とゆうことは、結局そいつ次第ってことか・・・」
そしてそんな話をしていると、喧騒が聞こえてきた。
さて、穏便に済むといいのだが・・・。




