プロローグ
3章開始です!
俺の名前はユウマ-ミストル。つい1週間前に、準子爵になった。
今、乗りに乗ってる20歳で独身のナイスガイだ。
え?なに今更自己紹介なんかしてるのかって?口調も変だって?
いや、まあ、そうなのだがちょっと目の前のことから現実逃避したくてね。
え?何が起きたって?
今、俺の対面のソファーに第3王子カロン様がいます。ホワイ?
「このお菓子美味しいね。エリカさんの手作りなの?」
「はい!そうなんです!ありがとうございます!お口に合って良かったぁ」
「ふん!まあ中々に美味いな」
「何言っているんだアキト?毒味すると言って、1人で沢山食べてたくせに」
「う!それは・・・認めましょう。美味しいと」
「えへへ、アキト君もありがとう!」
俺は今一体なにを見せられている?
今朝いきなり王城から使いの者が訪ねるので、最大限のおもてなしの準備をせよと通達があった。
それなりにお偉いさんが来るとは思っていたが、使いの者が王子様とは思わんだろうが!
「ゴホン!えーと、カロン様?本日はどのようなご用件でしょうか?」
まさかうちのエリカとお付き合いしていますとか言うんじゃあるまいな?
それはダメだ!いやダメじゃないけど!早すぎる!心の準備が!
くくく、俺を国家反逆罪にしてくれるなよ?王子様。
「ああ、すいません。人のお家に来ることなど滅多にないので、はしゃいでしまいました。要件はこれです」
カロン様はそう言うと、なにやら紋章をテーブルに置いた。
「これは何ですか?」
「ええ、これは我が国が貴方への信頼を表すものです。これを持っている者は国王様の信頼を得ている者を意味します。つまり他国に行って何かあった場合、責任は我が国がとるので好きにやりなさいということです。要するに理不尽なことが起きたら、後のことは気にせずに遠慮なくやっちゃっていいよということです」
俺は絶句した。たかが準子爵に渡していいものじゃないだろ?これ。
さすがのシノブも驚いている。
「・・・・こんなものを俺なんかに渡して良いのですか?」
「父上はそうゆう貴方だから渡せるとおっしゃってました。どうせ遠慮するから押し付けてしまえ!とも」
「はは、御見通しですか。・・・わかりました。有り難くお借りします。なるほど、こんな重要な物ならカロン様が来るのも納得ですね」
ふぅ、どうやらお付き合いの報告ではないようで安心した。
あやうく執務室が血の海になるところだった。
あれ?本当にこの紋章俺なんかに渡していいのか?
「いえ、その・・・それもあります。ですが私は貴方に直接お伝えしたいことがあったのです。なので本来なら別の者が来る予定でしたが、今回は父上に無理を言って代わってもらったのです」
俺は思わず身構えた。来るのか!?来ちゃうのか!?
今にも飛び出していきそうな俺をシノブが抑え込んでいる。
「ホムラ姉さんの気持ちを受け入れてくれてありがとうございます!」
そう言ってカロン様は頭を下げた。もう一度言う。頭を下げた。
「ちょ!勘弁してください!だめですよ!?王子様が頭さげちゃ!」
「はは、すいません。でもここなら貴方達しかいませんから大丈夫です。それにそこの綺麗なお姉さんが常に周辺に誰かいないか確認しているでしょ?」
「いや、たしかにそうですけど・・・。ん?カロン様はシノブがなにをしているかわかるのですか?」
「ええ、大体は。多分意識の網みたいのを張っているのでは?護衛としては最高の能力ですよ」
俺は内心でこの王子様の評価を上げた。
どうやら武の腕はないが、そうゆう鋭い感覚はあるようだ。
なにせこれに気づくのは、ある程度の技量を要するからだ。
「ええ、よくおわかりに。で、ホムラの件でしたか」
「ええ、ホムラ姉さんは私の初恋の人でして。小さい頃からよく可愛がってもらったのです。なので、ホムラ姉さんが好きになった貴方に一度お会いしたかったのです」
俺はこの王子様に親近感を覚えた。
俺にとってのハルカ義姉さんみたいなものだと思った。
「なるほど。それはよくわかります。で、お眼鏡に叶いましか?」
「それはもちろん。まあ、すでにエリカさんからユウマさんの素晴らしさは十分に聞いていましたから。今回はただの確認です」
カロン様はニヤっとして言った。
「か、カロン様!?」
「そうか、エリカは俺を褒めてくれていましたか。エリカ、ありがとな。お兄ちゃんは嬉しいぞ?」
俺もニヤっとして言った。
「う〜!もう!2人とも女の子をいじめちゃダメなんだよ!?」
俺とカロン様は顔を合わせて笑った。そして2人で謝った。
「ふぅ、久々に心安らぐ良い時間でした。ではそろそろ帰ることにします」
「ええ、こちらこそ。良い時間でした。初めは度肝をぬかれましたけど」
「はは、申し訳ない。あ、そうだ。頼みがあるのですが良いですか?」
俺は今!?今ここで来るか!?と身構えた。
「ほら!アキト。もう帰るから早く言わないと」
ん?どうやら違うようだ。そういえばこの子とは一度も目が合わないな。
「か、カロン様!?え、あの、そのですね・・・ユウマさん!握手してください!」
「はい?いや良いですけど・・・。どゆこと?」
「はは、すいませんね。アキトは剣の使い手でして。貴方とシグルド殿の大ファンなんですよ」
「あーなるほど、そうゆうことですか。でも叔父上なら大会に出てますから知っていて当然ですが、俺のことはどこで?」
「あの!私は一度は冒険者になりたいと思っています!なので私は冒険者の訓練場に何度か見学に行かせてもらっているのです!私はそこで見ました。貴方はそこで多人数との稽古をしていました。何人も同時に斬りかかっても貴方は擦り傷すら負わずに躱して尚且つ、全ての攻撃に的確なカウンターをおみまいしていました。私は感動しました。これだ!と。私にはシグルド様のような剛剣は無理なので、進むべきはこちらだと。もちろん貴方のようになれるとは微塵も思っていませんが、目指していきたいと思っているのです!」
まず俺が思ったのは長い!熱い!ということだった。そして次に嬉しいなと思った。
「そうか、ありがとう。嬉しいよ。もし次見かけたら声かけてください。社交辞令じゃなく、良かったら稽古つけてあげるから」
「え!?良いのですか!?ありがとうございます!」
そうしてアキトという少年は、俺と握手をして満足そうだった。
「ユウマ殿、ありがとうございます」
「いや、こちらこそ伯爵のご子息にそう言ってもらえて嬉しかったです」
そうしてカロン王子とアキト君は帰っていった。
俺が見送ろうとしたら、エリカが行くと言ったので任せた。
「はぁー。疲れたよ」
「そうですね。さすがのわたしも緊張しました」
「珍しく黙ってたもんな?」
「まあ、さすがにいつもみたいな軽口はたたけませんよー」
「まあ、しかし中々良い方だな。今の所だが」
「ええ、そうですねー。地頭も良さそうですし、鋭かったですし。あとは武力のある側近でもいれば良い王様とかになりそうですねー」
「ああ、そうかもな。その辺は俺もよくわからんし。国王様は皇太子を選んでいないからな。まあ、俺なんかが考えることじゃないことは確かだ」
「ふふ、わかりませんよ?そのうち昇進、昇格して関わることもあるかもですよー?」
「勘弁してくれ。只でさえもうパンクしそうなのに・・・・」
「で、どうですか?正直エリカさんといい感じに見えませんでしたか?」
「・・・・まあ、そこは認めたくないが認めよう」
「でも実際カロン様はどうゆうおつもりなんでしょうね?婚約者もいますし」
「まあ、そうだな。だが俺の目から見て、婚約者を蔑ろにするような方には見えないな。シノブはどうだ?」
「ええ、わたしの目から見ても同じ感覚ですねー。何故でしょう?」
「・・・何か訳がありそうだな。だがそこに踏み込んでいいものか・・・」
「はぁ、そこですよねー。団長がいない間に、捕まらない程度に調べておきます?」
「いや、それはいい。この任務を遂行すれば国王様に会う機会があるから、そこで聞いてみるか」
「そうですねー。今日一応会って知り合いになりましたから、そこまで変じゃないですもんね」
「ああ、妹と仲がいいのですが婚約者の方はよろしいのですか?とか勇気をだして聞いてみる」
そうして突然の訪問は無事に終わった。
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