教会訪問、仲間の相談
俺は起きて、今日の予定を確認しながら朝食を食べ、まず教会へ向かった。
俺が今日伺う教会とは女神マリアを信仰する宗教国家セントアレイが亜人国家エデン以外の国に許可を得て配置している教会だ。
なぜエデンにないかというと彼らがセントアレイにとって邪神であるテュポーンを信仰しているからである。さらに亜人を穢れた存在として扱い迫害してきた。なのでその2つの国は仲が非常に悪い。
ちなみにセントアレイ出身の人はすぐにわかる。何故なら彼等は回復魔法を神聖術と呼ぶからだ。
まあ、癒しの女神を信仰してるぐらいだから回復魔法を神聖なものとして扱いたいのだろう。
こちらが回復魔法と言っても否定はしないがとても嫌な顔をするので教会関係者と会う時は神聖術と呼ぶようにしている。
彼等は寄付金という形でお金を受け取り見返りに神聖術の使い手を派遣したり、教会に怪我や病気できた人にも寄付金という形で高額なお金をとったりしている。
しかもその寄付金の大半は孤児院や貧しい人々にいかず教会の上層部の方へ流れている。
俺はそんなことを考えながら教会の前に行き、門番に挨拶をして中に入った。
すると修道服を着た若い女性が声をかけてきた。
「これはこれはお客様本日はどのようなご用件で参られましたか?」
「ええ、今日は寄付金のことでご相談がありまして・・・」
「あ、では只今司祭様を呼んで参りますので少々お待ちください」
「ありがとう。ではお願いします」
ここは王国の首都ということもあり無理なお布施などもしないし働く方もまともな方が多いなと俺は地方に行った時見た酷い教会を思い出しながら待っていた。
するとそこに50歳ほどの柔和な表情をしている男性がゆっくり歩いてきた。
「どうもユウマさん、お久しぶりですね。とりあえず部屋へご案内いたしますのでどうぞこちらへ」
「ええトマスさん、ご無沙汰してます」と言いついていく。
たくさんある部屋の一室に入り「ここなら誰にも聞かれることはございません。寄付金のお話でしたよね?」
「はい、すでにご存知かも知れませんが親父と兄貴死んだので男爵位を継ぐことになりました。つきましては寄付金を減らそうと思います」
「そうですよね。ユウマさんはご自分で神聖術がお使いになられますからこちらから派遣する必要もないですし」
「ええ、今では上級まで修めてます。ただ代わりに孤児院の方へ現物支給という形で支援をしたいと思います」
「おお、ありがとうございます。すいません、寄付金を全部支援に回せなくて・・・」
「しょうがないですよ。本国から徴収人がやってきて持っていってしまうんですから。それにトマスさんは身を削り支援をしています。俺はトマスさんみたいな真っ当な方がいてくれることを嬉しく思います」
「ユウマさん・・・ありがとうございます。でも本来なら神に仕えるものは質素倹約であるべきなのです。いつからか変わってしまいもう取り返しのつかない状態になってしまい・・・いやすいません、聞かなかったことに」
「はい、分かりました。ではそろそろ帰ろうかと」
「ええ、では寄付金のことはわかりました。また何かありましたらいつでもお越しください」
俺は教会をでて一度家に戻り、叔父上に扱かれたあと一度汗を流して昼食をとった。
その後冒険者ギルドに向かった。
ギルドに入り受付に行くと「こちらが4級のギルドガードとなります」と新たなカードを受け取った。
すると「団長!きてたんですか!」とアロイスが近づいてきた。
「おう、ちょうどいいタイミングだ。他の連中は?」
「ホムラ以外はいます。そういやシノブはどうしました?」
「ああ、あいつなら」「アロイスさん、呼びましたー?」
するとなにもないところからシノブが現れた。
「うお!相変わらずすげーな。全然気がつかなかったぜ」
「へへー、隠密ですからー」
「とゆうわけでホムラには俺が後で言っておくからとりあえず皆がいる部屋まで頼む」
「へい、了解です。こっちですぜ」
俺らは案内された部屋に入ると「団長!」「きてたんだね」「ユウマさん!」とそれぞれ。
俺は皆の顔を見ながら「おう、実はなたった今4級になってな。その報告をしようかと思ったらちょうどアロイスに会ったらここにいるって言われたからな」
皆が「おめでとうございます!」と声を揃えた。
「ありがとう。で、集まったついでだ。なんか話しときたいことあるか?」
カインとマリンが「ユウマさんが使っていた広い部屋を貸してくれるって聞いたんですけど本当ですか?」
「ああ、そうだ。お前たちもそろそろ孤児院をでて自活をしたほうがいいんじゃないかと思ってな。俺も同い年の時に家をでたし。今4月だがもうすでに今年一杯の家賃は払ってあるから来年から自分たちで払いなさい」
マリンが「わあ、ありがとうございます!ちょうど2人でそうゆう話をしてたんです!でもまだお金ないし保証人もいないから無理だねって思って。でも来年まで家賃なければその間に生活基盤を整えればいいんですもんね!」
「そうだ。いやーマリンはしっかりしてるなー。良い嫁さんになりそうだ。ちょっと家賃高いがお前たち2人でなら払えるだろう。無理そうならすぐにアロイスにたかりなさい」
「だ、団長!?」「はい、分かりました!」「え!?2人とも!?」
こうしてアロイスの犠牲により問題は解決した。「そりゃねーぜ、団長」
俺は他は?と言うとアテナが「あーなんつーか、そのー、あのーだな」
「なんだ珍しく歯切れの悪い。どうした?」
「いやその団長の家で飯食ったろ?で、そん時に同い年だったんでハルカさんと意気投合してよー。そん時に社交辞令かもしんねえけどまたいらしてくださいねって言われたんだけどよぉ・・・アタシは行きたいと思うんだけどあっちは貴族様でアタシは平民だろ?アタシ貴族様に慣れてないからどうしていいもんかわかんなくてよー」
「うん、貴方の目の前にずっと貴族いるけどね」
「あ、そういやそうだった。団長はなんつーか良い意味で貴族様ぽくないからさー」
「とりあえずありがとう?てかお前が行こうとしてるの俺んちだから。俺のうちにはよくきてただろ?だから俺のうちにくると思ってくればいいんじゃないか?貴族様のうちではなく俺のうち」
「なるほど!確かに!団長の家にいくと思えばいいのか!それならなんとかなりそうだ!」
「ハルカさん男前だから社交辞令とか言うタイプじゃないし、今色々大変だろうからアテナが話を聞いてくれると義弟としても有難いかな」
「わかった。じゃあ勇気だして行ってみるぜ!」
「あんまり遅くに来ると補導されるから早めになー、ハイ次はー?」
なんかアタシは大人の女だよ!とか聞こえるけど気のせいだな。
するとイージスが真剣な表情で「団長頼みがあるんです!オイラを家臣に加えてくれませんか!?」
俺は戸惑い「どうした?いきなり・・」
「オイラは田舎の出身で難しい話はよくわからないけど、団長は当主になったら戦争に行かなきゃならないんでしょ?」
「まあ、そうだな。一応貴族当主の義務だからな」
「でもアロイスさんに聞いたらそこにはオイラたちは連れて行けないって・・・」
「そうだ、冒険者を戦争に巻き込むのは不文律だからだ。そうか、だからか」
「はい、アロイスさんが冒険者やりながらでも団長の家臣に入れば戦争にもついていけるって。オイラは団長がいなければとっくに死んじまってました。団長の盾となること、それがオイラの使命です!」
「イージス・・・だがうちは今金がなくてなお前ほどの優秀な盾役に支払えるものがないんだ」
「何言ってるんですか!?団長に拾われた命なんですからお金なんていらないです」
俺は厳しい口調で「それは駄目だ。お前は長男として妹や弟を抱える両親に仕送りをしている。無給で俺の家臣となることで冒険者稼業の割合が減ってはいけない」
「団長・・・オイラはどうしたら」
皆が黙っている中アロイスが「あー団長?ちょっといいですか?」
「ああ、いいぞ。しかしお前そんなこと言えばイージスがこう言い出すってわかってただろう?」
「へい、まあ。いきなりでしたんでちょい驚きましたが。それでですね折衷案がありまして。団長は継続的に雇うお金がない、イージスは団長を守りたい。それは俺も同じだ。だったらとりあえず家臣に加えて普段は家臣としての仕事はせずに冒険者やって、戦争の時にだけ家臣として参加すればいいんじゃないですか?」
「うーん、なるほど・・・それならなんとかなるか?いやでもなぁ」
「団長、お願いします!オイラに団長を守らせてくれ!」
アテナが「団長、この優柔不断な鈍足がこうまで言ってるんだ。うけとめてやんな」
「わかった・・・。正直イージスが居てくれたら心強い。ではイージス俺はまだ正式な男爵ではないから明日以降また話そう」
「はい、わかりました!ありがとうございます!アテナさんもありがとう!」
「バカヤロー、礼を言うのはこっちだっつーの。えーとそれじゃ以上かな?」
俺は皆に確認をし「じゃあ俺はこの後も仕事残ってるんで先に帰るわな」
「はい、お疲れ様です」と皆に言われつつその場を後にした。
俺はそのあといつものように叔父上にボコボコにされ、書類を書き、明日の王城へ着ていくものを確認し、1日が終わった。




