シノブ傍付きになる
俺は昨日色々あったこともあり疲れて朝までぐっすり寝て、すっきりと目が覚めた。
「うーん、よく寝たなぁ。ん?なんかいい匂いするな?」と思い隣をみた。
「団長、おはようございます。昨夜は激しかったですねー」とそこには頬を染めたシノブがいた。
「は?え?はぁ!?シノブおまえなんでここにいる!?帰ってなかったのか!?いやそもそも昨日見送りしてない気がする・・・」
「まあまあ、落ち着いてくださいよ。朝から血圧あげたら身体に悪いですよ?」
「誰の・せい・だ!」
すると警備のものが「どうかなさいましたか!?」と部屋に入ってきたが、シノブを確認するなり「こ、これは失礼いたしました!」と帰っていった。おい、待て曲者おるんですけど?
俺はしかたないと思い「はぁー、いつからだ?」
「うーん、昨日みんなが帰るなか団長がシグルドさんとお話しをしてる間に、気配を消して天井に張り付いてました。そのあとセバスさんと団長が出て行くのをコッソリついて行って団長がお風呂に入る間に入り込んで団長が熟睡するのを待ってベットに潜り込みました」とニコっと笑った。恐ろしい子!
「突っ込みどころしかないんだが。まあ、お前のそうゆうところは今に始まったことじゃないし、仕方ないとは思うが、ただ面白そうという理由だけじゃないだろ?」
「さっすが団長!私のことわかってますねー」「茶化すんじゃねえよ」
シノブは珍しく真面目顔をして「団長、私を傍付きにしてくれませんか?」
「ふむ、その心は」
「団長はこれからドロドロの欲にまみれた政治や軍の世界に入っていくんですよね?そこには暗殺を企てたり、弱みを掴んで脅したりと色々なことが起こり得ます」
「いや、暗殺ってお前。さすがにないだろう。俺はしがない男爵でしかないんだぞ?」
「いえ、団長は恐らくですが出世します。そして多くの汚れた大人は団長のような真っ直ぐ優しい方を嫌悪、または嫉妬します。悪いですが父上や兄上がそうではございませんでしたか?」
俺はその言葉に否定は出来ず「確かにそうかもだが・・・」
シノブは俺の言葉を遮り「団長。もし私が暗殺者だったら団長は昨夜の時点で亡くなってます」
俺は言葉をなくし何を言ってるんだこいつと思ったが、今さっきまでシノブがいたことに気付かなかったことに気がついた。
「気づいたみたいですね。まあ、私が傍付きになればそうゆうことからも守れますので」
「そうか・・・いや確かに俺の考えが甘かった。すまん」
「いえ、それが団長のいいところですし。そうゆう汚れ役は私にお任せを」
「正直わかったつもりだけかも知れないが理解はした。では、シノブ。お前を傍付きに命ずる。ただし無茶だけはしないこと。わかったか?」
「はっ、この命は既に団長に捧げています!如何様にもお使いください」
「わかった。わざわざありがとな」
「いえいえ、好きでやってるんでお気になさらずに。とゆうわけで伽でもなんでも命じていいですからね!」とウインクした。
「シリアスが台無しだよ!まったく、お前はいつもそうだ」とため息をついた。
「すいませんね、性分なもので。ところで私お腹減ったんですけどー」
「自由か!まあ、確かに減ったなぁ。んじゃいくかー」と言い2人で部屋を出て食堂に向かった。
2人で食堂に行くと当たり前だが母上やらエリカやらハルカさんに誤解され説明するのが大変だった。
なんとか事情を説明すると皆がシノブを尊敬の眼差しで見ていた。なんか納得いかない。
食べ終わったあと叔父上が朝帰りして「デトックスかけてくれぇ」とやってきたのでかけてあげた。
そのあとシノブと食後の運動で軽く打ち合いを叔父上の前で披露した。
叔父上が「ふむ、剣の稽古も欠かさずやっていたようだな。これならなんとかなるか。シノブもいい腕してるな。んじゃ一対二でやるかぁ!」と言い2人かがりでかかったがけちょんけちょんである。
そして俺らをけちょんけちょんして満足したのか叔父上は寝るといって去っていった。バケモノめ。
「団長、シグルドさん強すぎですよー。冒険者申請してないんですよね?あれ特級レベルですよー」
「そうだな、たしかに特級レベルはあるだろうな・・・あそこは人外魔鏡だからなぁ」
俺はそのあと執務室にて王城に男爵継承の確認の手紙を送ったり、家庭教師の募集の手紙をだしたりしながら午前中は過ぎていった。
ちなみにシノブはその間ソファーに座りひたすらお菓子を食べていた。あれ?傍付きってなんだっけ?
俺はその後お昼ご飯を食べながら、この後しなくてはならないことを考えて胃のあたりが痛くなった。