ホムラの事情
魔法使いサリーの名前をホムラに変更しました。
俺は広い食堂を見渡し「あれはハルカ義姉さんとアテナかな?そういや同い年だったな。お、アロイスが叔父上に話しかけてる。あれも同い年か。カインとマリンは大丈夫かな?お、イージスがちゃんと面倒見てる良かった」と俺は皆が仲良くしてるのを確認して一安心した。
そしてお皿に好物を乗せながら、ふとあれ?と思いもう一回見渡すと端の方で1人でいる奴を発見した。
俺はそいつに近づいて隣に座り「おい、ホムラそんな端っこに1人でどうした?」
俺が近づくとちょっと嬉しそうに「べ、別になんでもありませんわ!ちょっと1人になりたかっただけですわ」
俺はため息をつき「おい、おまえが人見知りなのは知ってるがここにいるのは身内だけだから俺も大丈夫かと思っていたんだが?」
ホムラが声を荒げ「だ、誰が人見知りですって!?ワタクシはただちょっと人いっぱいいるなー、なんかジロジロ見られてるなー、話しかけるタイミングわからないなーと思ってるだけですわ」
俺は冷静に「いやそれが人見知りだから。人見知りの寂しがり屋とかいったいどうなってるんだか。あとジロジロ見られるのはいい加減になれろ。ホムラみたいな美人さんは滅多に居ないんだからしょうがない」
ホムラはちょっと嬉しそうに「び、美人ですって!?そ、そんなの高貴なるワタクシですもの、当然ですわね!」
「いや身分隠してる身で高貴なるとか言っていいのか?」「あら?ワタクシとしたことが」そんな話をしばらくしていると母上とエリカが近づいてきた。
「あら、ユウマ?そちらのお嬢さんも紹介してくださる?」「お嫁さん候補なのー?」
俺はなんの冗談だと思いながら「ただの仲間ですよ。おい、おまえ赤くなるなよ!?勘違いされるだろ!」
「う、うるさいですわ!赤くなんてなってないですわ!」と赤い顔。なんと説得力のないこと。
「あらあら、ユウマもシノブさんといい隅に置けないわねー」「むむむ、お義姉さん候補が増えた」
俺はため息をつき「まあ、改めて紹介するんでとりあえず座ってください」と言うと2人は対面に座った。
母上が「 ホムラさん?でよかったかしら。改めてユウマの母エリスと申します」「妹のエリカです!」
「あ、ご丁寧にありがとうございます。ワタクシの名前はホムラと言います。よろしくお願いします」と言うと2人はあれ?と言う顔。
で、俺はすかさず「母上、エリカ、今さっきと雰囲気が違うけどこっちが普通の状態。人見知りなんで虚勢をはるときやテンパったときは高圧的な態度になってしまうんですよ」
ホムラは「恥ずかしながらそうなのです。よくないとはわかっているのですが」
母上は「あらあら、そうなんですね。でも誰にだってそうゆうところはありますから気にしなくても大丈夫ですよ」優しい。
エリカは「それよりもお兄ちゃんとの出会いというか関係が妹は気になりますよ!」嫉妬かな?嬉しい。
「まあ、こいつはパーティメンバーと問題を起こしまくっていてな。もちろんこいつだけが悪いんじゃなくて、この見た目なんで口説いてくる男は後を絶たないわけだ。でも高圧的な態度で鏡みて出直してきたら?とかいうもんだから諍いになるわけ。で、同じ女子だけのパーティに入ってもこのスタイルと美貌だから嫉妬され、敬遠され、高圧的な態度もあってハブられるわけです。しまいについたあだ名がパーティクラッシャーというなんとも言えない状態だったんですよ」
「ホムラさん、苦労したわね・・私も似たようなことあったわ」「確かにすごいスタイルと美貌だもんね」
「まあ、母上も美貌、スタイル共に負けていませんからね。それで見兼ねたギルドマスターが俺に頼んできまして。理由はまあ俺なら無理強いはしないだろうということと、嬉しくないけど親父と兄貴の所為で高圧的な態度に耐性があることだったらしいです。あとシノブやアテナがそうゆうタイプの女性じゃなかったことも大きかったですね」
ホムラが「ええ、最初はどうせこの人もすぐに口説いてきたり、夜這いしてきたりすると思っていたのですが一向にその気配がなくて。でもたまにワタクシの身体をチラチラと見てるので異性に興味がないわけでもなさそうなので不思議に思っていましたね」
「ふふ、私の育て方がよかったのかしら」「お兄ちゃんは紳士だもん!」
俺は2人の言葉を嬉しいと思いつつも、たまに見ていたのがバレてて恥ずかしいです。だってしょうがないじゃないか!男の子だもの!
「ええ、ユウマさんはとても優しくてカッコいい紳士です。きっとお母様の教育が良かったのですね。他の団員が増えてきてもワタクシをそういう男性から守ってくださいましたし」
「そりゃまあ、ホムラに対してヤラシイ気持ちになるなとは無理があるのはわかる。だが相手が嫌がることしてはダメだろ」
「ふふ、母は嬉しいわ」「お兄ちゃん、カッコイイ!」照れます。
「そうした事情もありましてワタクシもユウマさんについて行きたいと思い、今もここにいます」
エリカが「でもでも、結局お兄ちゃんのこと好きなのー?どうなのー?」と爆弾投下!
「だ、団長を好き!?わ、ワタクシが!?そんなわけないでこざいますことよ!?」とテンパった。
俺は「はいはい、口調変わってるから。落ち着いて。はい、水飲んで」
ホムラは水を飲み「はぁ、皆さまワタクシちょっとお花を摘んでまいりますわ」と顔を真っ赤にしながら早足でその場を去っていった。
「エリカ、あいつああ見えてその手の話に耐性ないからほどほどにしてやってな」
「ホントだねー、気をつけるね。わたしごめんなさいしてくる!」とホムラを追っていった。
2人がいなくなると母上が真剣な表情で「ユウマ?もしかしてあの子の身分は・・・」
「母上、その話は今は知らないふりでお願いします」
「ええ、わかったわ。でもいずれ他の人も気づくわよ?」
「ええ、それでもあいつが自分で言い出すまでは俺も知らないふりをしようと決めているのです」
「ふふ、ホント立派になって。なら母から言うことありません」
「助かります。ではたまには親子2人でお話しでもしますか?」
「ええ、そうね。貴方は嫌だろうけど夫とバルスのことも聞いてくれるかしら?」
「ええ、もちろん。故人を冒涜するようなことは致しません」
そのあと俺が知らない親父やバルス兄貴の思い出話を母上から聞き、時間は過ぎていった。
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