明かされる真実
さて、叔父上は平気だろう。
叔父上が負けることなど、想像もつかん。
こっちは、ドラゴンか……。
タイプは、翼があるタイプの火龍だな。
大きさは、5メートルといったところか。
上位種のドラゴンだが、負ける気がしないな……!
ここに入ってから、劇的に魔力が上がっていく……!
「団長、どうしますかー?」
「ホムラは、火炎を相殺。シノブは、エリカと遊撃。ゼノス、俺とお前であいつを殺るぞ」
「わかりましたわ!」
「了解です!」
「うん!」
「まあ、それが妥当だな」
「よし、いくぞ!!」
「グォォーー!!」
「火球来るぞ!ホムラ!」
火龍から、直径1メートルはある火の玉が吐き出される……!
「任せてくださいな!消し飛びなさい!アトミックフレア!!」
ホムラから、極小の炎の玉がでる。
それが火球に当たった瞬間、火球が収束し、爆発する!!
暴風が吹き荒れる……!
「おい!なんだ、今のは!?」
「新技ですわ!ワタクシだって、ユウマの役に立ちたいですもの!!」
「そうか!良い女だ!惚れ直した!」
「はぅ……!あうー……」
「ムムム!ホムラに負けていられませんね!シノブちゃんも、いっきまーす!!」
「おい!ここで体力使うなよ!?」
シノブは、真祖化状態になる!
「大丈夫です!この間、お母さんに訓練受けましたから!私は、いつの間にかできるようになっていましたが、これは歴代でも数人しか使い手がいなかったようです!そしてお母さんが、長に伝わる秘伝を教えてくれました!もう、へばることはありません!」
「まったく……お前達は、良い女だな!」
「えへへ……では、いきます!エリカちゃん、行くよ!」
「はい!お姉さん!」
2人はジグザグに走りながら、交差する。
火龍は、爆発の衝撃から立ち直つたばかりで、まだふらついている。
「お願い!力を貸して!カラドボルグ!!」
「やっちゃいますよー!バルムンク!!」
2人の剣尖が、火龍の脚を斬る……!
「グギャャーー!!」
「よし!よくやった!行くぞ、ゼノス!」
俺たちも、駆けだす!
「おうよ!俺も、国に伝わる武器を持ってきたからな!行くぞ!トライデント!!」
すると、トライデントのいう槍が伸びていく……!
そのまま、火龍の腹を突き刺す!
なんだ、今のは!?武器が伸びるだと!?
「グォォーー!?」
「すごいな!それが、王家に伝わる宝具か!?」
「そうだ!そちらでいう、宝剣だな!」
「ふっ……ドラゴン如き、敵ではないな……!」
身体から力が溢れてくる……!
今なら、使える……!
俺を縛っていた何かが、弾け飛ぶ!
俺は空間認識をし、座標を固定する……!
「一瞬で終わらせてやる……!空間を超えろ!テレポート!」
俺は、ドラゴンの顔の前に転移する。
「バルムンク!お前の力を見せてくれ!」
バルムンクが応えるかのように、唸りをあげる……!
「くらえ!魔光剣!!」
「グガッ………!!」
俺は、静かに着地する。
そして振り返ると、火龍の首が徐にずれていく……。
そして首が落ち、遅れて胴体が崩れ落ちる。
「なんだ?ここに入ってから、ますます力が増してきたような…?」
「団長!凄かったですね!テレポートからの、魔闘気をまとっての魔力剣!フルコースですけど、大丈夫ですか?」
「……ああ、まったく問題がない。恐ろしいほどに……」
明らかに自分の力を超えるなにかが、俺の身体の中にある……!
「団長……?本当に、大丈夫ですか?」
「ああ、平気だ。さて、叔父上は……」
「おお!ユウマ!見てたぞ!いい剣筋だったな!」
「叔父上こそ、最後のアレはなんですか?」
「……よく、わからん。あの時、無意識のうちに浮かんできたな……。今なら、出来ると」
「……やめますか。考えるのは、後でいいですね」
「そうだな……。気味が悪いが、仕方あるまい」
俺たちは合流し、通路を進んでいく。
そしてある程度進んだ時、空間がねじ曲がる……!
「全員!俺に掴まれ!!」
皆が急いで、俺に触れる。
「いいか!絶対離すなよ!!どこに飛ぶか、わからないからな!!」
惑わされるな……!
空間の穴が、いくつか見える……。
それぞれ別の場所に飛ばす気か……!
そうは、させない……!
どこが親玉がいる空間だ……?
魔力が、一際目立つ場所……。
……あそこだ……!
「飛ばされる前に乗り込んでやる……!空間を超えろ!テレポート!」
一瞬、何か阻害されたような気がしたが、俺は力ずくで振り払う!
そして、景色が変わる。
だだっ広い部屋のようだ。
そして奥の方に、とてつもない魔力の持ち主がいる……!
そこは、まるで謁見の間のような場所だった。
そいつの横には、フードを被った奴らがズラッと並んでいる。
おそらく、魔道士や召喚士達だろう。
だが、何故だ?
奴らから、生気を感じないのは……。
「………来たか。まさか、我の張った結界を破りテレポートをするとは……。それも、圧倒的な魔力で振り払うとはな……。ククク、生まれ変わっても健在ということか……」
こいつが、そうなのか……。
初めて会う気がしないのは、何故だ……?
「お前が……ウィンドルか?」
「そうだ、我がウィンドル。統一王朝の血を受け継ぐ者。この大陸の本来の支配者である」
「そうか……では……」
俺は、ふと気づく。
そういえば、皆が黙っているな?
振り返ると、皆が驚愕の顔をしている。
「皆、どうした?」
「だ、団長が2人いる……?ど、どういうことですか?」
「ユウマと瓜二つですわ……!髪の色が金髪ですけど……」
「お兄ちゃんに、そっくり……」
「こいつは、驚いたな……」
「付き合いが短い俺では、区別がつかないくらいだな……」
みんなは、何を言っている……?
俺が奴と似ている……?
確かに、見覚えのある顔な気はするが……。
「ククク……似ているのは、当たり前だ。懐かしい顔だ……。久しぶりだな、双子の弟よ。といっても、お前は生まれ変わりだから覚えていないだろうがな……」
今……なんと言った……?
俺が奴の双子の弟……?
何が、どうなっている……?