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三ヵ国会談

さて、俺とホムラは二人で散歩をしている。


「でもなぁ……あのゼノスが王族とはな……。そうは、見えなかったなぁ……」


「ですわね……。まあ、あまり人のことは言えないのですけど……」


「そうだった……!このポンコツお嬢様も、王家の血を引く公爵令嬢だった……!」


「ちょっと!?誰がポンコツですか!!ワタクシだって日々成長してますわ!」


「ククク、相変わらずイチャイチャしているようだな」


俺は武器を構えようとして、やめた。


「ゼノスか……久しぶりだな。俺に何か言うことはあるか?」


「……黙っていてすまなかった。そして故郷に帰る為に、ユウマ殿を利用したことを認める。申し訳ない……!」


「……謝罪を受け取ろう。これからは、同盟国になるのだからな」


「…….恩にきる……!」


「理由は、後にしよう。皆が待っている」


俺はゼノスを前に歩かせ、広場に向かう。


「おお、来たな!では、始めるとしよう!」


「うむ、そうじゃな」


「ああ、いいぜ」


ここに、3人の王が揃う。


この大陸の歴史をかえるかもしれない、三ヵ国会談の始まりだ……!




「さて、ここからは誰が話すかのう?」


「我は、難しいことはよくわからん!デュラン王、頼む!」


「俺も、王になったばかりだ。そもそも、そういう教育を受けてこなかったからな……。デュラン王に任せる」


「うむ……そうか。では、そうさせてもらおうかのう。と言っても、宰相に任せるがな」


「でしょうね。ご紹介にあずかりました、デュラン国で宰相を務めている者です。では、正確な日時や時間を決めていきましょう」


「そうであろうな。同時に責めなくては、意味がないからのう」


「ええ、そうです。グラント王、どの程度で準備が出来ますか?」


「……そうだな。国の守りはゴランと、残りの鬼人族に任せる。俺が、総大将になるだろう。右腕の虎獣人の長を補佐につける。ドワーフ達も半分ほど連れて行く。ハーフエルフも協力してくれるようだから、半分くらいか。ヴァンパイア族は、元々の数が少ないからな。長と少しの人数か……。1週間あれば、大丈夫だな」


「なるほど……ゼノス王はどうですか?」


「……うちも、そのくらいで平気だな。セントアレイには有能な奴を置いている。それに、こちら側には魔物も少ないしな。少数精鋭で攻めるつもりだ」


「了解です。……ところで、ゼノス王。操られていたとは、どういう意味ですか?」


「まあ、疑問に思うわな。その言葉通りさ。いや、正確には思い出したとか言っていたな。よくわからないが、転生したとか言っていたな。突然、人が変わったりするらしい。俺は、それをずっと調べていたんだよ」


「自分の周りで、そういうことが?」


「ああ、親父がそうだった。兄貴達も、洗脳されていたしな。俺は殺されそうになって、国を飛び出したわけだ。そして腕を磨き、全員を駆逐した」


「……すみません、辛いことを聞きましたね」


「いや、いいさ。当然の疑問だろう」


「ありがとうございます。では、次は攻め込む時間ですね。正午丁度は、どうでしよう?」


「ああ、問題ない」


「こちらもだ」


「では、決まりですね。国王様」


「うむ……これは、我が国が出来てから初めてのことじゃ。まさか、こんなことが実現しようとは……。では、グラント王!ゼノス王!よろしく、頼む!」


「おうよ!」


「任せろや!」





こうして、三ヵ国会議は無事に終わった。


つまりは、教会のトップが転生した元ウィンドルの人間だったということか。


さらには、トライデント国王も……。


そして、シャロンや近衛の2人か……。


何故、獣人族にはいない……?


何か、理由があるのだろうか?





そして、その日の夜のことだ。


久々に、血縁者のみで集まっていた。


「さて、もう一度だけ言う。本気だな?」


「本気だもん!私もついて行くもん!」


「まあ、そこそこ使えるようにはなったが……」


「ユウマ、連れて行ってあげて。エリカは、もう大丈夫よ」


「母上……いざとなれば、俺が転移して帰せばいいか……」


「お兄ちゃん!?」


「いいか。足手まといだと思ったら、すぐに帰すからな?」


「……わかった!頑張ります!」


「まあ、そこまで心配しなくてもいいだろう。すでに、実力は平均より上だ。あとは、実戦あるのみだな」


「シグルド叔父さん!ありがとう!!」


「おい!抱きつくな!こら!」


「ふふ、家族の仲が良いのは幸せなことね……皮肉なものね。2人が死んだことにより、ユウマは本来の力を取り戻した。エリカも本来の力と、明るさを取り戻した。シグルドも、昔みたいにうちに来てくれるようになったわ……複雑ね」


「母上……」


「お母さん……」


「エリス義姉さん……」


「あら、いけない。大事な日に、湿っぽくなってしまったわね。3人とも、しっかりやるのよ。この王都の守りは、この聖女様に任せなさい!……恥ずかしいわね……とりあえず、無事に帰ってくること!わかったかしら?」


「はい、必ず!」


「行ってきます!」


「任せろ!!」


母上は、防御系特化の回復魔法使いだ。


力を取り戻した今の状態なら、王都全体に不可侵の防御魔法を使えるだろう。


数時間しか持たないが、十分だ。


俺らも、短期決戦狙いだからな。


さて、気合い入れていきますか!









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