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目覚めし記憶



ヒュドラ、それは三本の首を持つドラゴン。


ヒュドラ、それは伝説の魔物。


ヒュドラ、それは特級案件である。


ヒュドラ、その特徴は猛毒を吐くこと。


ヒュドラ、それは過去に国を滅ぼしたことがある。


つまり、今我が国が滅亡の危機ということだ。



「団長!どうしましょう!?今から救援に行っても……」


「わかっている!間に合わないことは!2日もかけていたんじゃ……!」


どうする!?考えろ!!

いくら叔父上でも、相手が悪い……伝承通りなら、三本同時に斬らなければならない。

さらに、猛毒の息を吐くので、叔父上には天敵だ!



このままでは、エリカが、母上が、叔父上が、俺の大切な人達が………。


「団長!しっかりしてください!!」


「ユウマ!大丈夫ですの!?」


2人の声がきこえるが、耳に入ってこない……。


何故なら、自分の心臓の鼓動がうるさいからだ。


なんだ?この感覚は……!

蓋が開く?……記憶が蘇る?








頭の中に映像が流れてくる……。


「いいのか?弟よ。俺は時を止め、眠りにつき、いづれ目覚める。そして、デュラン一世と裏切り者の亜人共を滅ぼしてくれる!!」


「兄貴は、まだそんなことを言っているのか。あれは、オレ達が悪かったんだよ。亜人を奴隷扱いして、他の人族を見下したから……。俺らは、傲慢すぎたんだよ。高い魔力、それを譲渡できる能力。そして、解剖による、身体の構造を知る高い知識。召喚魔法、転移魔法、転生魔法、従属魔法、そして俺の再生魔法……どれもなくなるべきだと、俺は思う」


「何故だ!?何故、優秀な我らが我慢せねばならぬ!亜人や、劣等民族は従うべきであろう!!」


「兄貴の気持ちも、わからんでもないけどさ……。皆殺されてしまったしね……。俺の再生魔法も直後か、その直前じゃなきゃ効かないしね……。でも、俺はもういいよ。転生もしない。生まれ変わることはあるかもだけど」


「お前ほどの、高い素質を持ちながらか……!これが、ただの奴なら殺すところだが……弟のよしみだ。見逃してやるから、何処へでも行け!……達者でな」


「兄貴……ああ、兄貴もな。じゃあ、俺いくよ」


どうか、未来の者よ……手前勝手な願いとはわかっている。

それでも……どうか、兄貴を止めてくれ……!







「ユウマ!ユウマ!」


「団長!目を覚ましてください!!」


「う、うん?なんだ?どうした?」


「良かったわ!ユウマ!貴方気を失ったのよ?大丈夫?」


「団長!良かったですー!もう!驚かさないでくださいよ!」


2人に、思いっきり抱きつかれる。

イージスとアテナが、微笑ましそうに眺めてくる。


「わ、わかった!俺が悪かった……のか?……いいから!離れなさい!」


「で、どうしたんですか?」


「そうですわ。何かブツブツ言ってるなと思ったら、倒れたのですわ」


あの映像はなんだったんだ?俺の記憶……?

それはわからないが、()()()()()()()()

やり方を、昔から知っていたかのように……。


「そうだ……王都に行かなくてはいけない」


「でも、今からじゃ……それに、具合が……」


「大丈夫だ。今から()()。二人共掴まれ。イージース、アテナもどこかに触れろ」


「ユウマ?どういうことですの?」


「団長、ホントに大丈夫ですか?」


「オイラ、よくわかんないけど掴まります!」


「……仕方ないね、触るよ」


全員俺に触れているな……いける……!

魔力を半分ほど使うが、イメージできる!


「オルガさん!後のこと、頼みます!」


「ん?よく分からんが、任せろ!国に急げ!」


「ありがとうございます!では………空間の狭間を超えろ!テレポート!!」


俺は頭の中の王都をイメージして、唱えた!

すると、一瞬で景色が変わる……成功したが、少しずれたか。


「え?え?どういうことですの?」


「はい?……ここ、王都近くですよ!」


「ど、どういうことですか!?」


「……何が、なんだか……」


「色々疑問があるだろうが、今は後にしてくれ。早く、救援に向かうぞ!!」


全員が言いたいことを飲み込み、頷いた。


オレ達は、急いで王都へ向かう。




30分ほど走ると、見えてきた。


そして、奴の姿も……!


でかい!軽く10メートル以上はあるぞ!?


だが、王都が破壊された様子がなさそうだな。


ん?何か王都に膜が張ってある?……まさか!!


「シノブ!俺達は急ぐぞ!アテナ、イージスは自分のペースでこい!」


俺は返事を待たずに、駆け出す!


クソ!転移魔法はもう使えんし、制御も甘い!

頼む!間に合ってくれ!

死なないでくれ!母上!!




そして、王都にたどり着く。

叔父上が、1人でヒュドラと対峙している!

だが、それよりも今は……!


「母上!!」


「……ユウマ?幻覚かしら?最後に貴方に会えるだなんて……」


あの膜は、ホーリーガード。

回復魔法派生の最上級の防御魔法だ。

母上は命を削り、王都を守っていたのだ……!


「母上!本物です!死なないでください!!」


「あらあら?何を泣いているの?……色々、ごめんなさい。貴方には、苦労ばかりで何もしてやれなかった……。こんな母上の元に生まれて、貴方は幸せだったのかしら……」


「何を言っているのですか!!幸せに決まってます!俺は母上の子に生まれ、幸せです!だから……!」


「ふふ、嬉しいわね。出来れば、孫を見たかったのだけれど……」


母上の身体が、どんどん冷たくなっていく……!!

絶対に、死なせるものか!


今の俺なら出来るはず!!

イメージしろ……!

母上の身体は回復しないのは、細胞が傷ついているからだ。

おそらく、穴が空いたような状態なのだろう。

それにより、回復魔法が効果をなさない。

ならば、細胞そのものを再生すれば……!


「……いくぞ!セルレジェネレーション!!」


母上の身体が光に包まれる……。

呼吸が落ち着いた……成功だ……!


「……ユウマ?……あれ?身体が動くわ……。それどころか、エリカを産む前の感覚……」


「母上、無事で良かった……!それには、後で答えます。引き続き、守りを任せていいですか?」


「……ええ!任せなさい!だてに、聖女と呼ばれていたわけじゃないのよ?」


「今の母上なら、問題なく行使出来るはずです。では!」


俺は、叔父上とシノブに駆け寄る!


「ユウマ!すまん!エリス義姉さんを危険な目に遭わせちまった……!」


「それは、後にします!今は、コイツを!」


「団長!どうしますか!?」


俺はヒュドラを見上げ、思う。


確かに、こんな化け物どうすればいい?



ようやく、ここまで出せた……。


お話作りの難しさを、痛感しますね……。

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