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修羅場之姫武者  作者: 山極由磨
零ノ段 姫武者夜半ノ討入
1/11

姫武者夜半ノ討入 序




かくて御前を立ち上り。見れば敵の大勢

あれは巴か女武者。余すな漏らすなと。

敵手、繁くかゝれば。今は引くとも遁るまじ。

いで一軍、嬉しやと。巴少しも騒がすわざと、敵を近くなさんと。薙刀引きそばめ。

少し怒るゝ気色なれば、敵は得たりと。切つてかゝれば。薙刀柄長くおつ取りのべて。

四方を払ふ八方払。一所に当る木の葉返し。嵐も落つるや花の瀧波

枕をたゝんで戦ひければ。皆一方に。切り立てられて跡も遥に見えざりけ。


能『巴』より。

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