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目覚め

 俺は目を覚ました。いや、強制的に目が覚めた。息苦しさを覚えたからだ。俺は何故か布団にかぶさっていた。おかしい。俺はタオルケットをかけて寝ていたはず。そしてこの感触はタオルケットではない。


 「うぉっ!?」


 よく見たら俺は素っ裸になっていた。そして俺を覆う生地の感触……俺が着ていた下着じゃないか?


 「とにかく、このままじゃマズイ。窒息しそうだ。」


 俺は何とかこの布地で覆われた空間から這い出ようとするが、中々出られない。それに妙だ……これだけもぞもぞとうごいているのに外に出られないなんて……俺のベッドはシングルサイズのはずなのにだ。


 「ぷはぁ……」


 何とか布地の空間から外に飛び出せたと思えば、そこに広がる光景に俺はわが目を疑った。


 「部屋が……大きくなっている? いや、逆だ……俺が小さくなったのか?」


 そう独り言をつぶやいた俺の目の前にはベッドと床の段差があった。俺の体と同じくらいの高さはあるだろう、その段差に俺は愕然とした。


 「一体何がどうなって……」


 俺はとりあえず情報が欲しいと思い、ベッドの側に置いていたスマホの電源を入れる。

 しかし、ずいぶんと操作しづらい。体が小さくなっているから当たり前だ。


 そして、インターネットを開き、ニュースサイトを見るが、何も書かれていない。それなら……と思い、テレビのリモコンのスイッチを押す。


 ザーーーーー


 どのチャンネルを回してもノイズがするだけで、何も流れない。


 「どうなっているんだ一体……」


 俺は路頭に迷った気分だった。これからどうすればいいのか見当もつかない。俺が小さくなったのは受け入れがたいが事実として今ここにある。


 じゃあ、これは俺だけなのか? それとも周囲でも起きているのか? だが、テレビ番組の状況を考えると、どうやら周囲でも何らかの異変が起こっている可能性が高い。


 そんなことを色々と考えている中で、ふと思ったことがあった。


 それは、夢の中で聞こえてきたあの声。


 「確か、「世界の変革プログラム」とかなんとか……それにステータスの更新とかなんとか言ってたな……」


 あれは夢の話じゃないのか? と疑いつつも、とりあえず心の中で「おい! 何とか言え!」とつぶやいた。すると……



 《覚醒を確認。これより、PTの消費を確認します。》



 あの声だ。


 俺はその声に対して大声で問いただした。


 「おい、一体どうなっている? 何故俺は小さくなった?」



 《回答:「世界の変革プログラム」により、人類は1/10の大きさになりました。》



 「何だと?……それは本当か? 俺だけじゃなく、人類そのものが小さくなったということか?」



 《回答:その通りです。》



 俺は愕然としてしまった。まだこの目で見ないうちは完全に信じることもできないが、これが事実だとすればこれから先人類はどうなるというのだ?


 この世界の文明物は全て人類が小さくなる前の体格であることを前提に作られている。当たり前だ。小人になった人類を想定した道具なんて、それこそリカちゃん人形くらいなものだろう。


 こうなっては電気、ガス、水道にインターネットといった社会インフラは勿論のこと、明日の食料さえ確保できるか怪しい。それに、治安なんてあったものではない。犯罪を目の当たりにして大声で叫んだところで、警察も呼べないし呼んでも駆けつけてこれない。


 「どっ、どうやって生きていけばいいんだよっ!?」


 俺は頭を抱えた。無理ゲーすぎる。



 《回答:持てる力を使ってとしか言いようがありません。ステータスを確認してください。》



 「すっ、すてーたす??」


 あの夢の中で見ていた奴か? しかし、あれは夢の話で……

 だが、そういっていられない。現に俺は小さくなり、夢の中の声と同じ声が今も俺の頭の中で聞こえてくるのだから。


 俺は「ステータス」と唱えてみた。すると……



 《ステータスを表示します。


  名前 :佐久間 翔太

  レベル: 150

  HP  : 97

  MP  : 47

  攻撃 : 75

  防御 : 68

  敏捷 : 59

  魔力 : 27

  PT  :1500


  職業 :屠畜人Lv10

  スキル:「スタン」Lv10, 「切断」Lv10, 「剥ぎ取り」Lv10, 「威圧」Lv10,

  「屠殺」Lv10, 「家畜化」Lv10


  職業説明

  屠畜人:獣相手に戦闘する場合、ステータスが上昇。

      獣を倒した場合、得られる経験値がアップする。

      Lv10の効果により、ステータス向上値 100%(つまり2倍)

               経験値獲得向上 100%(つまり2倍)


  スキル説明:

  「スタン」 :攻撃にスタン属性を付与する。相手を気絶させることができる。

         Lv10により、スタン成功率100%

  「切断」  :切断攻撃の威力向上。

         Lv10により、切断攻撃時、攻撃力100%UP(つまり2倍)

  「剥ぎ取り」:倒した相手の素材を上手く剥ぎ取ることができる。

         Lv10により、「解体」のスペル一言でオート解体可能。

  「威圧」  :自分よりレベルの低い相手の行動を停止させる。

         Lv10により、威圧成功確率100%

  「屠殺」  :自分よりレベルの低い相手に対し攻撃力UP。

         Lv10により、攻撃力100%UP(つまり2倍)

  「家畜化」 :自分より弱いレベルの獣を家畜化する。

         Lv10により、家畜化成功率100%(つまり2倍)


 》



 「何だこりゃ?……」


 俺は目が点になった。

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