表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

枕の上に 希望の下に(12)

切り取り線の切り取り方

切り取り線に

鋏を入れて

綺麗に切り取れば

離れて行く

人の絆という物には

常に

切り取り線が

入っている

血であろうと

金であろうと

想いであろうと

全く関係無く

切り取り線は

入っているのだ



人は一種の本である

だとしたら

絆という物も

一種の本である

二冊の本が

表と裏

真ん中で繋がって

そこに

切り取り線が入っているのだ

第三者が

表を切り取れば

二人の中に書いてある物が読める

大抵は

この一枚を切り取るだけで

仲間になる

そうやって仲良くなって

絆にしているのである

表を少し変えるだけで

また

新たな本になるからだ



だが時々

あの1ページでは

満足のいかない第三者が居る

次のページを切り取り

次のページを切り取り

次のページを切り取り

この時点で

二人の絆は

少々ギクシャクし出す

愛想笑いが増えたり

ちょっとした事で

声が大きくなったりする

別に第三者が悪い訳では無い

仲良くなろうとする事は

良い事なのだ

この中に悪者は居ない

ただリズムが変わっている

だから

困惑するのである



裏側まで来ると

元々あった絆は無くなる

噛み砕いた過去は露呈し

あの時の感情が蘇り

沸騰したお湯を

更にそのままにしたような

華麗な消え方をする

そして

「仲良かったよね?」から始まる

過去形の話が

付いて回るのである

第三者は

気の合う方と絆を作り

一人は離れて行く

別に三人で作っても

構わないのだが

合わない場合は

離れて行く物である

そうやって

何十冊も作り

何十冊も消えるのだ

死ぬまで

続いているのだから

僕等の本の在庫は

無くなる事は無いのである

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ