SS:誕生日を祝おう!
昨日は、ユラの誕生日だって忘れてた。設定を考えといてね。本編は、シリアスな流れだけど楽しい話を書きましょうかね。(* ´ ▽ ` *)
カリオスは、凄く悩んでいた。今日は、11月11日でユラの誕生日である。さて、どう祝おうか。
ユラは、シアンの代理で会議に行っている。
ヴァイスは、紅茶をカリオスに出しながら言う。
「あの方なら、何を貰っても嬉しいと思いますが。私は、マジックアイテムのペンを買いましたよ。」
魔力を流せば、インク要らずのマジックアイテムのペン。とても、持ち歩きやすい。会議に出る、ユラの事を考えて買った。ちなみに、希少アイテム。
「カリオスは、深く悩みすぎなんだよ。僕は、コップを買ったよ。最近は、ココアを飲んでいるし。」
ユリスは、クッキーを食べながら言う。
構造は、魔法瓶と同じで冷めにくい魔法が付与されたマグカップ。質素な見た目だが、どこか品のある美しい見た目をしてる。ちなみに、希少アイテム。
「まぁ、俺達が良いものを貰いすぎて困るよな。だがな、ユラなら実用性の有るものだろうな。俺は、付与ナイフを買ってみたが。」
レオは、紅茶のカップを持って笑う。
魔力を流すと、毒と麻痺と呪いが敵にランダムで付与できるナイフ。控えめなデザインだが、性能は高く並の鍛治師では作れない希少アイテム。
「私は、蘇生の短刀を贈る予定です。」
「ベイル、それってアーティファクトだよね?」
カリオスは、思わず突っ込みを入れてしまう。蘇生の短刀は、使い捨ての古代遺物で有名な1つだ。確か、冷酷の魔王が管理していた街で見つかったとか。有名な、三大遺物の1つである。
1つ、蘇生の短刀(※魔王が所有者。)
2つ、身代わりの勾玉(※エルフの秘宝。)
3つ、精霊の契約指輪(※精霊王が預かる。)
カリオスは、困ったように悩んでいた。
シアンは、聖水で浄めた刺繍紐。ユラは、調合の際に髪を結ぶからと言って5本買っていた。
ちなみに、聖水じたいが希少なので高額だ。
オズは、ハンカチを贈ると言っていた。しかも、精霊の吐息と呼ばれる宝石と一緒に。
クルトは、聖銀の十字架と言う払い師のアイテムを渡すらしい。それも、グリムブラッドと呼ばれる希少素材を使ったアイテムと一緒に。
カリオスは、そう言えばユラはこまめに時計を確認するのを思い出す。そして、頷いてから上着を取って羽織る。そして、暢気にみんなに言う。
「僕は、プレゼント買ってくる。少しの間、準備をよろしくね。ヴァイス、予定通りにね。」
カリオスは、部屋から去ってしまった。
「結局、カリオスは何を贈るのかな。」
「さて、そろそろユラ様が戻りますね。」
ヴァイスは、そう呟くと一礼して部屋を去った。
ユラは、疲れたのか休憩室で横になっている。白衣が皺になる事を、いつもは気にするのだが気にせずに横になっている。この事から、今回の会議は困難で長引いたのだと予想される。
「ユラ様、お疲れ様でした。」
「ん?何で、ヴァイスが王宮に……」
ユラは、驚いてから自分がだらしない姿だと思い出す。反射的に、起き上がろうとしてヴァイスに止められる。ヴァイスにも、ユラの疲労は理解していたのだ。シアンが、遠征中の騎士達に呼ばれて出張している。なので、団長の書類も処理しており帰りも最近は遅かったのだ。更に、重なる会議と討論会。
そして、王宮の行事に騎士団イベント。
ユラは、ギリギリに全てをやりくりしていた。なので、少しぐらいだらしないくても良いとヴァイスは思ったからだ。ユラは、疲れたように目を閉じる。
「ユラ副団長、少しだけ良いだろうか?」
「はいはい………、何か問題でも起きた?」
ユラは、ため息を吐き出して座ると報告書に真剣に目を通す。そして、胸ポケットからペンを出すと何やら書いてヘルズに渡す。ヘルズは、内容を見てから笑顔になり上機嫌で休憩室から去る。
「副団長、休憩中に失礼します。実は、この書類を今日の昼までにまとめてくれと大臣が。」
「あー、分かった。あと、3分だけ休憩したら戻るから。だから、会議中にたまった書類は机の上に置いといて。出来れば、早く終わらせないといけないようなのを優先で。それと、シアンさんが3時頃に戻るから駅まで出迎えをよろしくね。」
ユラは、真面目な表情で言うと、紅茶を一気飲みして立ち上がった。そして、ヴァイスに片付けをお願いすると足早に医療班室に帰って行った。
ユラは、無言で黙々とテキパキ仕事を終わらせる。
すると、シアンが入って来て苦笑。手元の資料を、丸めて棒状にして机を叩く。ユラは、ハッとしてシアンを見るとシアンはため息を吐き出した。
「あ、お帰りなさいシアン。」
「ユラ、後の仕事は俺に任せて寝てこい。」
ユラは、キョトンとして首を傾げる。
「ユラ、徹夜は何日目だ?」
「………え?」
「ヴァイスから、かれこれ2週間は寝てないと聞いている。確かに、仕事は多いが無理して終わらせる必要はないだろ!お前が、身体を壊すぞ!」
ユラは、後ろのヴァイスをみて苦笑する。ヴァイスはと言うと、それに対して満面かつ暢気な笑み。
ユラは、仮眠室でヴァイス監視のもと寝る事になってしまった。ユラは、かなり疲れていたのだろう。すぐに、穏やかな寝息が聞こえてくる。
ヴァイスは、こっそり他のメンバーに連絡。
数時間後、ユラは眠気を振り払って起き上がる。そろそろ、帰るべきだと思って白衣を着て歩く。
しかし、廊下が工事中なため広間を横切ろうと考えドアを開いた。響く、クラッカーの音。
『ユラ、誕生日おめでとう!』
ユラは、驚いてから振り向けばヴァイスが居る。
「ふふっ、大成功ですね。」
ユラは、ため息を吐き出しつつも笑顔になり言う。
「ありがとう、皆。」
シアン達から、プレゼントを貰いカリオスの番。
箱の中は、美しいく細かい彫刻が施された銀時計が入っている。ユラは、驚いてから見る。
「まさか、素材の一部は古竜の鱗と牙なの?」
「やっぱり、ユラには分かっちゃうよね。」
カリオスは、暢気に笑うが古竜の素材は希少も希少………。しかも、下にはお守りが入っている。勿論だが、カリオスの手作りで1つしかない。
ユラは、嬉しそうに笑った。
それから、広間を貸し切り遅くまで騒ぐのだった。
後日談……
カリオスは、ワイングラスを持ってユラに言う。ユラも、ワインを片手にお礼を言ってワインを飲む。
カリオス「ユラ、ハッピーバースデー!」
ユラ「うん、ありがとう。」
すると、ユリスがニヤニヤして近づいてくる。
ユリス「ユラ、神殺しの酒を主神様が。」
ユラは、反射的に逃げようとする。
ユラ「ユリスさん、明日は仕事なので飲みませ……」
カリオス「ユラでも、これを飲めば酔うの?」
カリオスの言葉に、全員が満面の笑顔になる。ユラは、青ざめて思わず後退りしてしまう。
全員『よし、飲ませよう。』
ユラ「ちょっ、ヴァイス助けて!」
振り返って、頼れる執事に助けを求めるが……
ヴァイス「今日くらいは、飲んでも良いのでは?」
ユラ「僕に、味方は居ないのっ!?」
ユラは、思わず叫んで逃げ回る。
カリオス「ユラ、逃げるのは無しだよ。命令♪」
ユラ「それは、卑怯だよカリオス!」
結局、ユラは飲むことになり久し振りに二日酔い。初めて、個人の理由で仕事を休む事になる。




