様子を見に来た人達
さて、帰ったのは良いんだけど…………まず、離れようかネヒト。帰って、部屋に入った瞬間に涙目で抱きついてきた。うーん、動けないんだけど。
ちょっと、ネヒト君やい………本当に、ガッチリ足元ホールドしないで。座れないし、そもそも机に向かえないってば!無理には、振りほどけないし。ヴァイスは、仕事で戻って来ないし………。
「ネヒト、取り敢えず動けない。」
ネヒトは、首を右左に振り更にホールド強化。
これこれ、嫌々じゃないでしょ?しかも、少しだけ痛いよ?全く、困った子だね。でも、心を鬼にしてネヒトの指導係であるヴァイス召喚!
「ヴァイス!」
「おや、申し訳ございません。」
ヴァイスは、素早くユラからネヒトを引き剥がす。
えっと、随分と手慣れていらっしゃる………。
ネヒトは、ジタバタしていたが首根っこを掴まれて引きずられて行った。ユラは、何とも言えない気持ちになり、取り敢えず何気なく合掌…………チーン♪
ユラは、椅子に座ると深いため息を吐き出した。
机には、ヴァイスが置いていった紅茶がある。ユラは、紅茶をティーカップに入れて飲む。
「ユラ、さっきヴァイスが子供を引きずって………」
「げほっ!ごほっ!ごほっ!」
カリオスの言葉に、ユラは思わず気管に紅茶を入れてしまう。皆は、珍しそうにユラを見ている。
取り敢えず、手を前に出して待ってとジェスチャーすると頷くカリオス。ユラは、ハンカチを出して咳き込む。カリオスは、驚いて背中をさする。
「あー、久々に死ぬかと思った。」
「ユラ、何かごめんね?」
「うーん、ヴァイスが引きずってたのは獣神だよ。えっと、あの見た目でも僕より歳上だからね?」
『…………………。』
ユラは、疲れたようにため息を吐き出す。
ちなみに、子供に弱いユラが可愛さに甘やかさない理由は、本当の年齢を知っているから。
「ユラ、一介の天使が神様よりステータスが、上回るなんて有り得るの?いくら、弱った神様でも神様で有ることは変わらないんだよね…………。」
「うん、有り得るよ。ヴァイスは、僕の眷族だからね。現在の獣神は、階級の外だし弱ってる。僕の力を貰った、ヴァイスの方が魂の霊格は格上だから、余裕で一捻りだと思う。ちなみに、神格と霊格は別物だから。獣神は、かなり霊格は低いよ。」
ユラは、暢気に笑いながら説明する。
霊格は、生命力の格の事を言う。神格は、神様の階級の格差を現す。ついでに、ユラは霊格は少しだけ不安定なので普通より下である。階級は、言うに及ばないがこうなる。天界第2階級、下界第1位で称号は神王・主神代理である。何気に、ユラは偉い立場なのだが、本人に自覚はなく無自覚。
「ふーん、なるほどね。」
「話は変わるけど、こんな時間に来るなんてどうしたの?来るなら、前もって連絡してよね。」
すると、カリオスは頷いてから言う。
「ユラ、サーカスは行った事ある?」
「うん、ノアと帝国に居たとき個人的だけど。」
ユラは、思い出しながら暢気に紅茶を飲む。
「そっか。それで、5日後にサーカスが来るんだけど。僕とオズが、休みだし行ってみない?そこは、孤児の集団のサーカスなんだけど、有名で技術も凄いらしいよ。ユラなら、興味が有るんじゃない?」
ふむ、行きたいな。個人的には、援助とか支援が出来れば良いと思える。孤児達が、少しでも過ごしやすいように動くべきだろうか?
「………ユラ、不安そう表情をしてどうしたの。」
「ここには、太刀の悪い貴族も多いでしょ?」
すると、カリオスも納得の表情をする。少しでも、問題を起こせばサーカスの子供達が危険だ。
「では、サーカスの団長を招待しては?」
ヴァイスは、入ってきてユラを見て暢気に笑う。
「そうだね。誰かに、団長宛の招待状を持たせようか。ヴァイス、その件は頼んで大丈夫かな?」
「勿論、喜んで承ります。」
ユラは、頷いてからカリオスを見て言う。
「と言うわけで、絶賛暇だし予定も無いから僕も行くよ。今日は、ここに泊まる?」
「残念だけど、僕とレオとユリスは仕事が残ってるから戻らなきゃいけないんだ。」
最近、カリオスは働きすぎじゃない?
「最近、忙しいの?」
「大丈夫、忙しいのはなれてるし。」
これは、きっと無茶してるね。倒れたり、しなければ良いんだけどさ。それは、何とも言えないね。
「他は、どうする?」
「俺達も、帰るよユラの様子を見に来ただけだ。」
「そう、わかった。」
全員が帰り、ユラは少しだけ疲れたように言う。
「ねぇ、ヴァイス………暇!」
「では、本でも読まれては?」
「うーん、もう夕方だよ?読んだら、夕食に出てこないと思うけど。だって、僕って読み始めたらながいし。それに、少しだけあきたって理由もある。」
「ふむ、困りましたね。」
すると、足音がしてラメルが入って来る。
「ユラ、余りヴァイスを困らせたら駄目だよ?」
「えっ、僕が悪いの!?」
すると、ラメルは笑いながら入って来た。ユラは、良い暇潰しが出来そうだと頬杖をつく。
「さて、今日は一応様子を見に来たよ。」
「そっか。」
「ちゃんと、休んでるようで良かった。」
「そりゃね、これだけ暇だしゴロゴロするよ。」
ユラは、苦笑して紅茶を暢気に飲む。そして、ラメルにヴァイスは紅茶を出して夕食まで話し、ラメルは夕食を食べて帰って行った。




