ユラの予言
さて、今日は休日なので暇になる。小さくあくびして、解除薬で元に戻る。そして、痛みに呻いた。
おかげで、目は完全に覚めた。
「ユラ、おはよう。」
「うん、おはよう。」
ユラは、そう言うと椅子に座る。クルトは、寝起きなのか髪を結んでいない。深紅の瞳と、腰までの髪そして何処か女性っぽい顔だと思った。
「あれ、ユラは元に戻ったのか?」
オズが、少し安心したように言う。
「今日は、学園が休みだからね。」
「そっか、じゃあお姉様モードも封印だな。」
2人は部屋着なので、着替える為に急いで部屋に戻って行った。別に、まだ午前4時だしゆっくりで良いのにな。ユラは、紅茶の準備をして2人を待つ。
「ユラ、お邪魔する。」
「はい、紅茶。」
オズに、ティーカップを渡すとクルトが来る。
「ユラ、お邪魔しまーす。」
「クルトも、紅茶どうぞ。」
そして、今日の予定を話す事にした。
「うーん、今日は何をしようかな?」
「主神様と、街でも探検してみれば?」
クルトは、暢気に笑ってから言う。
「それが、昨日の夜に天界に戻っちゃって。」
ユラは、少し残念そうに笑うと紅茶を飲む。
「……そうか、それは残念だったな。」
オズは、苦笑して慰める。
「2人は、今日は予定は?」
「俺は、調べものがある。それと、冒険者ギルドの依頼を受けてたから終わらせる。後は、適当に街をブラブラしてみる予定だ。ごめんな、別行動だ。」
オズは、少しだけ申し訳ない表情で言う。
「何言ってるの?休日は、自由に過ごすものでしょう。別に、忙しそうだとしか思ってないよ。」
ユラは、暢気に苦笑してから言う。
「そうだよ、オズ。僕も、とある貴族に会いに行く予定だよ。そして、商人と交渉して忙しいんだよ。何か、休日だけど仕事だらけだね。」
クルトは、嫌だと表情に思わず出ている。
「それ、超絶暇人な僕に喧嘩を売ってる?」
ユラは、苦笑してから冗談な口調で言う。
「違うよ?だって、君に喧嘩を売るなんて自殺行為を僕がすると思う?しかも、売られた喧嘩は必ず言い値で買うし。買えば、無表情で倍返しで敵を徹底的に潰すし。それも、同情したくなるレベルで。」
「まぁ、流石はSランク冒険者様だよな。」
オズも、冗談口調でおどけてみせる。
「君らねぇ、その挑発は言い値で買うよ?だから、ちょっくら面貸せやい。僕が、相手になるよ。」
ユラは、少しムスッとして不機嫌になる。勿論、本気で不機嫌になったのではない。あくまで、ジョークである。最後は、3人で笑うのだった。
「何か、懐かしいな。こんなノリ、学生時代いらいか?俺も、クルトも忙しかったしユラは国から出ていくし。こんなに、はしゃぐのも久し振りたな。」
「だよね~。まぁ、仕方ないけどさ。」
2人は、懐かしさに思わず笑みを浮かべる。
「たまには、3人でティータイムも良いね。」
暢気に、呟いて気付くと6時半になっていた。朝食を食べ、2人は外出してしまった。
さて、何をしようかな?
取り敢えず、調薬道具を出して薬を作る。そして、薬草採取して街の散策でもしよう。ヴァイスも、居ない事だしお料理をしても良いかもなぁ。
さて、薬を作り終わった。あれ、30分しか経過していない。うーん、なら冒険者ギルドに行こう!
ユラは、着替えて冒険者ギルドに入る。
「ふむ、やっぱり薬草採取に向いた森があるね。」
ユラは、小さく呟いてからAランクの依頼を2枚外して歩く。すると、男が立ち塞がる。
「おい、無謀な新人が居るぞ!がははっ!」
お酒が、入っているのだろう。僕は、無視する。
「おい、俺はCランクのガルドだぞぉ!」
「なら、忠告しとく。少しは、俺との実力差に気づいたらどうだ?それと、本気でCランクなのか?」
ユラは、殺意を軽く押さえ放ち呆れたように言う。
「くくっ………あははっ!」
すると、オズが笑って震えてるのを見つけた。
「オズ、喧嘩なら喜んで買うよ?」
「すまん、Sランク冒険者に絡む奴を初めて見たものだからな。聞いてはいたが、本当に馬鹿に絡まれ易いんだな。俺からすれば、自殺行為にしか見えないんだけど。普通、実力差なんて分かるだろ?」
すると、周りのベテラン達は思わず頷く。そして、ユラを見てSランクとは思えないと思った。
「お酒で、酔いが回って冷静じゃ無かったんだろうよ。1つだけ予言、お酒を飲んでも飲まれるな。次に同じ事が有れば、お前の命の保証はないよ。」
「どっ、どういう事だ?」
男が、真剣に聞けばユラは苦笑する。
「お前には、死の予兆がある。恐らく、次にやらかせば死んでしまう。まぁ、年老いの戯れ言だよ。だから、受け流すも受け止めるも自由にして。」
「おい、年老いって………すいませんでした!」
男は、青ざめてから頭を下げた。
「まぁ、若気のいたりで見逃すけど気を付けなよ?君の近くに、死の気配を感じた死神が居るしさ。」
すると、オズが驚いてユラを見る。
「ユラ、そんなに簡単に教えて良いのか?」
「うん、寧ろ死神は喜んでいるよ。仕事が減ったってね。さて、オズは仕事は終わったの?」
こうして、休日を楽しんだ。しかし男は、依頼の失敗でユラの言葉を守れずに、やけ酒して他国の王国騎士に殺される。後に、ユラが神だと知られると冒険者達は予言は絶対と思うのだった。




