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婚約者(笑)

外から帰ると、カリオス達がお茶をしていた。ちなみに、ユリスさん達はレレット王国に帰った。


「皆が揃うのは、何か珍しいね。」


「ユラ、神殿の件は全員に話したから。」


言いながらも、とても真剣なカリオス。ユラは、ニコッと笑って頷いた。まぁ、そうなるよね。


「そう、心配かけてごめんね。」


「ユラ、教えて……。確かに、僕達では何も出来ないかもしれない。だけど、心配で怖いんだ………。」


カリオスの、不安そうな表情に胸が痛む。しかし、言い辛い。これは、シアンに担当医を代わって………


「ユラ、もう隠せないんじゃない?」


ラメルが現れ、真剣な表情でユラを見ている。ユラは、深くため息を吐き出すと真剣に言う。


「まぁ、そうだね。神殿が壊れた事で、信仰が急激に減った。僕達は、民の信仰で成り立っている。それだけでは、勿論ないけど大ダメージを受けた。そのせいで、僕は神力がコントロール出来ない病気みたいなのになった。だから、お茶会も控えてた。」


「病気って、それは治るものなの?」


ユラは、苦笑して分からないと言う。


「じゃあ、最近体調が悪かったのは……」


「神殿が破壊されたままで、信仰が全く集まらなかったからだよ。まぁ、病気のせいもあるけど。」


ユラは、紅茶を飲む。この流れなら、診断書とかヤバい内容はスルーされるだろう。けど、ラメルの事だしいうんだろうなぁ。まぁ、見せないけど……。


「ユラ、診断書を見せて。」


「ラメルのお爺様に、見せて貰えば良いじゃない。それに、僕は診断書を持っていないよ。」


ユラは、苦笑してクッキーを食べる。


「それが、奥にしまわれて見せて貰えなかった。」


「まぁ、そうだろうね。ラメルなら、今の僕の立場が分かるでしょ?神様として、2番目に信仰される神だよ。他の神に、情報が漏れたら大事になる。」


さて、更に被せるように言い聞かせるか。


「もし、パーシェマが聞いたらどうなる?」


「………確かに、何処から情報が漏れるか分からないもんね。君の地位を、落としたいあの男にバレるのは嫌だ。分かった、診断書は諦めるよ。」


ラメルは、苦笑してユラを見る。


「えっと、パーシェマって?」


「ユラ………ハイリヒ樣に、代わって下界の神々をまとめる王になるとか言ってる馬鹿。僕でさえ、下界の神々相手に四苦八苦しているのにさ。ハイリヒ樣は、頭の良さと知識で長寿の神々を一瞬で黙らせてた。今では、下界の神々をまとめる神王と言う役職をしているよ。主神樣も、勿論だけど認めてる。」


シーーーーン…………。


「ユラって、下界の神々の王様だったの?」


「それが、下界に残る条件だったからね。」


ユラは、暢気に認めて紅茶を飲む。他は、ポカーンとしている。これは、笑うしかなかった。




そして、大会がついに始まった。まぁ、カリオスと対等に戦える者は少ない。あっさり、最強の魔術師の称号を手にする事になった。


さて、帰る前にパーティーだ。しかし、そこでユラは思わず激怒する。それは…………


「何で、ここに居るの?…………ノア……………。」


ノアは、虚ろな瞳でドレスアップされている。何かの魔法で、肉体を支配されているのだろう。


カリオスも、事の重大さに思わず息を呑む。


「そうか、パーシェマか……………。」


ユラは、神力を解放する。そして、ノアに近づく。


「おい、貴様!これは、俺の花嫁だ!」


「ちなみに、その娘の名は?」


ユラは、静かな口調で青年を見る。


「それは、確かミシェルだ!」


「それは、パーシェマが着けた適当な名前だ。」


ユラは、唖然とする青年をスルーしてノアに言う。


「まったく、起きなさいノア!課題を増やすよ!」


「嫌です!お父様、勘弁してください!」


ノアは、正気に戻るとユラを見て驚く。そこで、周りはざわめく。ノアは、ユラをお父様と言った。


「それで、結婚は同意の上なのかな?」


「はい?私、結婚なんてしませんよ!」


ノアは、怒ったように言い自分の服装を見て絶句。


「まだ、手は出されてないね。ノア、御守りは?」


「その、なくしてしまって…………。」


ユラは、自分の首に着けていたお守りを渡す。


「パーシェマ、僕の………私の身内に手を出したんだし…………覚悟は出来ているな?神王として、闇に手を出したパーシェマの殺害を、全ての神々に依頼する。対価は、相談するという事で。別に、地位など全く興味はないが闇に手を出した神は放置できないからな。神力は、私欲で使ってはならぬ。これは、我らが主のお言葉だ。ましては、自分より弱い立場の民に使うなど言語道断。対処を、なるべく早く頼む。殺し次第、私に報告をしてくれ。」


『御意に!』


その場の神々は、敬う礼をすると素早く行動し出した。ユラは、ノアにかけられた神術を解く。


貴族達は、驚いた表情でユラを見る。


「カリオス、ノアをお願いして良いかな?」


「うん、任された。それと、行ってらっしゃい。」


ユラは、頷いてその場から消えた。ちなみに、主神は笑顔だった。そして、報酬は主神が払った。


ノアは、ヴァイスと国に戻って行った。


ちなみに、ノアの仮婚約者(笑)はノアを手にいれようと暴れた。だが、神々の攻撃を恐れた国王によって強制的に黙らされた。これで、この件は終了。


ユラは、レレット王国に2日後に帰る事になる。


「よし、研究だ!」


やはり、ユラは研究をするのだった。

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