SS:あの3人を巻き込み隊! part2
今回は、大人になった3人を3人巻き込み隊が巻き込むぜ(o^-')b !
俺達は、私服で王宮の執事室に居まーす。オズが、そろそろ仕事が終わるので更衣室で待ち伏せ。
「おわっ!?てっ、何してるんだ?」
扉を開けた、オズは驚いてから呆れたように言う。
「よっ、遊びに行かね?今から、クルトとユラも拐う………ごほんごほん………誘うつもりだし。」
ゲテルは、わざとらしく咳き込みながら言う。
「おいおい、何か不穏な言葉が聞こえたような。」
それに対してオズは、思わず聞き返してしまう。
「まぁ、何だって良いじゃないか!」
「凄く、不安なんだが………」
オズは、私服に着替える。そして、クルトがいる魔法騎士団室に急ぐ。ちなみに、カリオスさんには許可を貰っており仕込みは十分である。ちなみに、ベイルさんも知ってて休みを設定している。つまり、ゲテル達とベイルさんとカリオスさんとシアンさんは協力関係なのだ。いやー、大変だった。3人に、バレないようにお願いするのも苦労したぜ。
休日が、わざと重なるようにしていた。
「さて、仕事が終わったぁー。」
クルトは、嬉しそうに言うと書類をカリオスに渡し席に戻って行く。今だぁー、とばかりに俺達がクルトに近づけば。クルトは、驚いて悲鳴もあげて俺達に揉みくちゃにされる。ちなみに、カリオスさんは優しく笑い。他の魔法騎士も、驚いていたが優しく見ていた。さて、落ち着いた所で本題に入る。
「クルト、今から遊びに行かねぇか?今から、ユラを捕縛………いやいや………拉致?出来ないよな。うーん、道連れ?難しいな。まぁ、巻き込んでさ。」
『ヤバイ、言葉の内容が不穏すぎる。不安だ……。』
全員の心が、今一つになった。いや、こんな事で1つにはなりたくなかったのだが。カリオスも、思わず遠い目で苦笑するしかなかった。
「えっと、真正面から行ったら?ユラなら、諦めた表情で拉致られると思うけど。どうせなら、全員突撃で逃げ場を失わせる感じで。ユラなら、僕らに害意がなければ攻撃しないだろうしね。」
とっ、少しだけ腹黒い事を呟きながら帰る準備をする。そして、クルトは着替えて来る。
さて、ユラはまだ仕事中である。資料を見つめる表情は、真剣そのもので集中している。そして、時折だが紙に羽ペンで書き込み考える仕草をする。
あれが、ユラの仕事姿か………初めて見たが、凄く格好いいよな。さて、そろそろ時間かな?
「ユラ、そろそろ時間だぞ?」
「ん?あ、本当だ……うーん、今日は休みだっけ?」
ユラは、固まった筋肉を伸ばすように伸びをする。何か、猫……そう、黒猫みたい。さて、とつげーき!
「え?」
「おはよう!現在、早朝5時でございまーす!」
ユラは、立ち上がるとスラスラと仲間を回避して、クルトを見つけると頭をチョップする。
「あ痛っ!?」
頭を押さえて、座り込むクルトを無視してゲテルに呆れた視線を向けるユラ。ちなみに、ベガは驚いて紅茶を吹き出し、ヘルズは驚いたが優しく見守る態勢である。ちなみに、シアンは爆笑してる。
「それで、何やってるの?」
ユラは、頬杖をついてため息を吐き出す。
「ユラを捕縛作戦part2!」
「何か、なつかしいね。学生時代にも、あった記憶が有るんだけど。それも、失敗してるよね?」
ユラは、苦笑しながら言っている。何故か、ゲテル達は正座で床に座っている。掃除は、しているとはいえ汚れるので立つように言う。
「いや、説教が始まるのかと………」
「何で、折角の仕事終わりに説教なんかをしなきゃいけないのさ。全く、疲れるなぁ………。」
呆れたように、ジト目を向けられれば耐えられずに視線を逸らすゲテル達。ユラは、ため息をつく。
「よし、訂正。ユラ巻き込み作戦part2!」
ユラは、思わず頬杖がガクッとなる。
「あのね、そう言う問題じゃない!」
ユラは、付き合うのも馬鹿らしいと行動する。素早く、ユラは机を片付ける。そして、ネームを白衣から外して机に入れる。そして、白衣を脱いで綺麗に畳むと袋に入れてカゴに入れ更衣室に向かう。
ちなみに、カゴの中身はクリーニングに出されて綺麗になってロッカーの上に返却される。ちなみに、階級によって刺繍が違う。ユラは、現在はまだ副団長では無いが白衣は副団長のものである。
ちなみに、ユラが副団長になるのはこれから2ヶ月後の話しだが………それはそれ♪今は、別の話し。
ユラは、本日何度目か分からないため息をつく。そして、ノロノロと着替えながら考える。
とにかく、要約すると昔みたいに遊びたいかな?何か回りくどいな………。いや、この場合は素直じゃないと言うのが的確かな?まぁ、どちらにせよ迷惑なお誘いはやめて欲しい。何故に、仕事場まで乱入する必要があるのやら。まぁ、計画はゲテルが考えてクルトが作戦を考えたんだろうけど………。
甘いよ、敵意は無くても騒ぎの根元を見逃す訳がないでしょ。二人とも、王宮で会ってるのにこの騒ぎよう。まぁ、オズ辺りは完全に巻き込まれただけかな。そして、僕はどうしようか?
今日は、ノアは依頼で居ないし早急に対応すべき書類や報告書もなかったはず。後で一応、ヴァイスに確認を入れるかな。ユラは、熱いので少し伸びた髪を後ろで縛り、眼鏡をかけてから確認のためヴァイスに連絡。特に、何もなさそうなので安心する。
まぁ、ここまで来て貰って、何だかんだで断るのは申し訳ない。なので、もう一度ため息を吐き出してから更衣室を出る。疲れるのは、確定しているのだからだ。ユラは、苦笑してから諦めたように言う。
「お待たせ、それで?何処へ、行くのかな。」
その言葉で、皆が嬉しそうに騒いだのは仕方ない。
そもそも、ユラはこの手のお誘いは基本は断る。なので、ゲテルは実力行使に手段を変えたのだ。
「よっしゃ、朝飯前だったろ?皆で、朝飯を食いに行こうぜ。あっ、お店が開いてねぇー!」
「普通に、食堂で食べれば良いじゃない。」
「だな。」
「だね。」
ユラは、苦笑している。同意する、オズとクルト。
「今日のメインは、ゲテルの好きな鶏肉のトマト煮込みとオズが好きな肉じゃがだよ。」
すると、好みを当てられた二人は驚く。ユラは、気にしないで食堂に向かって歩くのだった。
「なぁ、ユラはそろそろ副団長になるんだろ?」
「さて、どうだろう。余り、思わせ振りな態度や発言はしたくない。だから、知らないと答える。」
ユラは、鶏肉のトマト煮込みを口に運びなから暢気に答える。ユラの、余りの素っ気なさに、地位とかに興味が無いのだと理解する。
ユラは、権力的には公爵家に並ぶが、元々は名誉貴族である。もともと、地位など興味が無いし隙有れば、王家に平民に戻して欲しいと言うくらいだ。
王家も、ユラが逃げるとは思っていないが心配で、いまだに平民には戻して貰えない状況である。
「と言うか、思った。時間的に、速すぎない?」
「じゃあ、いったん出直すか。9時30分に、噴水広場で待ち合わせな。それなら、3人も少しは寝れるだろうし。シャワーとか、入りたいだろ?」
と言う訳で、帰ろうかと思うと背後にヴァイス。
こっ、怖いよ!まるで、ホラーじゃん。
「お迎えに、あがりましたユラ様。」
「でた、万能執事ヴァイスさん。」
思わず、オズが言うのも理解できる気がする。
「えっと、呼んでないよね?」
「はい、私の判断で此方に参りました。あの、迷惑でございましたか?そうならば、申し訳なありませんでした。その、ユラ様を歩かせるなど………」
うん、長くなるね。ごめん、話をバッサリ切る。
「そろそろ、帰りたいなぁー。ね、ヴァイス?」
「お言葉のままに………」
ユラは、皆に手を振れば皆も手を振り返す。
そして、足元に魔方陣が浮かび2人の姿が消える。ゲテル達は、笑うとそれぞれの帰路を進んだ。
そして、その後に変装して市場を回ったり、お店を回ったりして夜になり。お酒を、飲んだりして解散になった。ユラは、残念ながら竜の力で酔う事が出来ない。それが、何とも残念であった。




