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ユラ、完全復活!

皇帝は、余裕の笑みを浮かべている。実は、帝国には、3人の守護神が存在する。1目人、戦術や兵法が得意な戦神バルトス。2目人、呪いと禁術を得意とするダグネルト。3人目は、富と財産を司るカルデン。だから、余裕の笑みを皇帝は浮かべたのだ。


ユラは、 竜神ハイリヒ。神聖を司り、治癒と知識を広める神だ。そして、これは秘密だが全ての力も司る……。故に、3人が勝てる訳がないのだ。


ちなみに、3人の親はどちらかが人間であり、彼らは半神である。つまり、神様の純血?であるユラには実力差がある。しかも、今のユラは自分の体を取り戻し、本来の実力をはっきできる状態だ。


「私は、竜神ハイリヒ。神聖と全ての力を司り、民に、治癒と知識を広める神である。」


すると、戦神バルトスは冷や汗を流し、敬意を示し丁寧に跪く。隣では、富と財産の神カルデンも跪いていた。これには、周りの貴族や皇帝そしてカリオスも驚いて言葉を失う。ユラは、苦笑している。


「駄目だ、神威を使うべきじゃなかった。」


ユラは、口調を戻して失敗したとばかりに表情をしかめる。カリオスは、ユラに説明を求める。


「神威って、神の威圧の事だよね?」


「うん、そうだよ。彼らは、半分が人間なだけに神威への耐性が弱いんだよ。だから、こうなる。」


ユラは、ため息を吐き出して言う。


「でも、僕達は平気だったけど?」


「神以外が、神威をまともに受けたら死んじゃうもん。だから、彼らにだけ神威を向けたんだ。」


すると、納得してカリオスは頷く。


「なら、これで条件はフェアになるね。」


「いいや、僕達が圧倒的に有利だよ。本当に、忘れたの?僕は、本来の体を取り戻したんだよ?」


すると、カリオスは一瞬だけ考えて驚いてから青ざめた。ユラは、疲れた表情で苦笑している。


「それって、異世界に置いてきた肉体なの?」


「そうだよ。今の僕は、異世界の僕の肉体と元竜神と主神様の魔力と血で作られてる。魔力と血のせいで、肉体が変化して神としての、魂すら受け止めてしまったんだよね。つまり、人間の要素が消えて純血の神様になっちゃった。はい、説明は終わり。」


ユラは、暢気に説明するが皇帝は青ざめている。


「そもそも、竜神になった時点で人間の要素はなかったんじゃないの?と言うか、有ったのかな?」


「うん、有ったよ。竜になった時、肉体が竜よりになっただけで人間の要素は有ったのさ。」


ユラは、少しだけ落ち込んだ表情で言う。


「あー、うん………。今回は、完全に肉体が変化しちゃったんだね?人間の要素が、消えてしまう変化をして純血の神様に………。それ、大丈夫なの?」


「さぁ、知らない。人格が、消えなかっただけでも儲けもんだよ。普通なら、人格が消えるか塗り替えられる。つまり、別人になる可能性もあった。」


ユラは、真剣な表情をして呟くように言う。


「それって、奇跡だよね?」


「うん。意識が、闇に落ちた時点で、僕の人格は消えるはずだった。考えられるのは、主神様が世界の理を覆す何かをしたかな?それか、そもそも僕の存在事態が世界の理を覆すものであったか。どちらにせよ、世界の理を無視した原理である事には変わらないんだよねぇ。困ったな、対処の仕様がない。」


ユラは、思案顔で困ったように言う。そして、ため息を吐き出すと真剣な表情で考えを放棄する。


「それで、彼ら2人は見逃すの?」


「そもそも、僕を捕まえる事に加担したのはダグネルトだけだよ。あっ、ちなみに今の僕には禁術や禁忌魔術は効かないよ。カリオスのは、強制的に解除するとダメージがカリオスに行くから解除していないだけでね。後で、ゆっくり解除する予定だよ。」


すると、ダグネルトは両手を上にあげてお手上げのポーズを取る。皇帝は、激怒して武装した味方を呼ぶが神に勝てるわけがない。騎士達は、死を覚悟してカリオスやユラだけではなく、周りの女子供にも武器を向けた。ユラは、悲しみに目を閉じる。


ユラは、帝国の騎士を傷つけないように慎重に言霊を使う。平和的に、終わらせるべきだと判断したからだ。彼らは、悪くは無い。皇帝の言葉は、絶対命令で逆らえば死刑なのは有名な話だからだ。


古来、言葉には魂が宿るとされる。それは、言葉の使いようでは相手を傷つけ、死に追いやる事も有るからだ。逆もまた然りで、言葉によっては人を幸せにもする。だから、生きる者は言葉を選ばなければならない。だから、ユラは言葉を選ぶ。


「お願い、武器を捨てて。君達が、誰かを傷つける必要は無いはずだよ?皇帝の我が儘に、振り回されて罪の無い人々を殺してはいけない。」


「うるさい!さっさと、殺せ!」


皇帝は、どうやら器の小さい人間だったらしい。


「逆の立場を、良く考えてごらん。自分達の国を、脅かす訳でもなく、害する訳でもない民を君達は殺してしまうの?それで、良心は痛まない?」


すると、騎士の数人が涙ながらに武器を納める。


「もう、武器も持たない女子供を殺したくない!」


座り込み、泣き叫ぶ騎士の青年達にユラは慈悲の笑みを向ける。そして、他の騎士を見つめる。


帝国騎士は、戦意喪失して武器を置いて降伏する。


そして、皇帝はカリオスによって捕らえられた。




これが後に、有名な人物により絵や小説として残され、吟遊詩人によって唄われる事になる。有名どころを、1つずつあげるならばこの3つだろう。


絵では、『慈悲深き神聖な竜神ハイリヒ』。


小説では、『偉大な魔術師の友神』。


吟遊詩人は、『慈悲の言葉を騎士達に』。


その事で後に、ユラが恥ずかしさの余りに、何週間か部屋に閉じ籠ったのは言うまでもない。




ユラは、ため息を吐き出して外へ無言で向かう。


「ユラ?」


「少しだけ、天界に行ってくるよ。カリオスの言葉を、少しだけ借りるなら調子に乗った年寄りどもにお・し・お・き☆をする必要が有るからさ。」


カリオスは、驚いてから心配そうにユラを見る。


「なら、僕に出来ることはない?」


「うーん、1人じゃ不安だし一緒に行く?」


すると、カリオスはキョトンとしてから頷いた。

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