医学術師の階級
さて、どうしたら良いかな?主神様は、忙しそうだし答えが返ってこない。これは、放置なのっ!?
返答プリーズ!何か、お言葉カモン!
とか、心の中で馬鹿な事を考えながらも表情には出さないでため息を吐き出す。うん、諦めよう!
すると、バロンが視界に見えて視線を向ける。
「よう、ユラ。少し、聞きたい事があるんだが。」
「おや?何で、バロンさ……バロンが此処に?」
バロンが、落ち込んだので慌てて訂正する。
「おう、これはお前の剣だよな?さっき、怪しい奴が持ってたから奪い返しといたぞ。」
貴方は、神ですか?いや、失礼。多分これ、主神様ですね。ナイスフォロー、ありがとうございます!
「それは、王宮の兵士に預けてたんだけど……?」
ユラは、どうして?っとばかりに可愛らしく首を傾げるしぐさをする。勿論だが、完璧な演技である。
「なるほど、騎士は手練れだが兵士はクズか。」
「バロン、言い過ぎだよ。何にせよ、ありがとう。それで、バロンは僕に何か用かな?出来れば、手短に話すかパーティーの後にして欲しいんだけど。」
苦笑しながら、フレンドリーな口調で言う。
「おっと、すまんな。これ、ギルドマスターから。それと、お前には拒否権ないとだけ。」
ユラは、手紙を受け取り思わず小さく呻く。
「ギルドマスター、容赦なしだね。」
「あのな、お前のような鬼才を遊ばせとくほどギルドに余裕はねぇ。それに、俺らSランク冒険者に認められたんだ。覇者の鈴は、形に残すためであって受け取ろうが受け取らないだろうが関係ない。さぁて、未来のSランク冒険者として昇格試験を受けるんだな。期待してるぞ、鬼神のユラさんよ。」
すると、貴族達が驚く。そして、カリオス達も最近に話題となり有名な鬼神がユラだと知り固まる。ユラは、ため息をついてから言う。
「でも僕は、後2年後にはこの国を去るよ?」
「ちなみに、理由を聞いても良いか?」
ユラは、苦笑してから暢気に言う。
「僕は戦うより、お薬を作ったりする方が好きだからだよ。僕に、いい加減に平和をおくれよ。」
「えっ、お前は薬師だったのかよっ!?」
うん、言いたい事は分かってる。それほどの、戦闘能力を持ちながら医学系職業なのが驚きだと言いたいんでしょう?もう、聞きあきたよ。
「バロン、薬草を集めるには薬草の知識だけじゃなく、戦闘スキルがないと駄目なんだよ?希少な薬草ほど、強い魔物との遭遇は免れないしね。」
ユラは、苦笑してバロンを見る。
「なるほど。ちなみに、お前さん何者だ?」
「さて、それは僕が知りたいね。」
「おい、ふざけるな。もしや、森賢者か?」
すると、ユラは笑みを消して言う。
「それ、良く言われるけどさ。森賢者の前で、僕の事をそう呼ばないでね?ただでさえ、森の賢者様って皆が僕を呼ぶものだから恨まれてるのに。」
「何だ、お疲れ様だな。」
ユラが、疲れた目で言えば慰めるバロン。
「一応、僕は神聖医学術師で得意分野は薬草術。」
すると、ルシアが驚く表情をして近くに来る。
「まっ、待てユラ!お前、医術師階級はっ!?」
ユラは、ハッとして目線を逸らす。
「ユラさんや、少しお話ししようか?」
ユラは、全力で首を横にブンブンブンっと振る。そして、僅かに後退り身構えている。
「うん、連行確定だな。カリオス、ちょっと手伝ってくれ。場合によっては、ユラをこのまま手放すのは勿体ないし色んな意味で危険だ。」
「ユラは、また何かやらかしたの?」
やれやれ、とばかりにため息を吐き出して言う。
「うん、盛大にやらかした。こいつ、神聖医学術師って言ったよな?俺でさえ、聖医学術師だぞ!」
医学師には、第11階級までがあり上から………↓↓
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・神聖医学術師(第0階級アルメヒティヒ)※万能
アルメヒティヒの書を、全ての神から持つ事を許された、死者すら蘇生すると言われる医学術師階級。また伝説では、神の力を授けられた伝説の医学術師師だ。滅多希少に、現れない奇跡のような存在。
・神聖医術師(第1階級エヴェイユ)※覚醒
死んでいなければ、どんな病や怪我でも治す医学術師階級。
・神聖医学師 (第2階級ジーニアス)※天才
どちらかと言うと、研究者よりで新しい治療方を、神聖魔法などの方面からも含めて見つけたりするのがお仕事。
・聖医学術師(第3階級アビリティ)※能力
聖なる力で、致命傷ではない大抵の傷付いた者は癒す。だが、助けられない命も多い。薬草師が多い。
・聖医術師(第4階級)
王宮に、仕えられるくらいの実力者。
・聖医学師(第5階級)
王宮で、研究出来るだけの斉能を持つ実力者。
・医学術師(第6階級)
医学学園の、先生レベルの実力者。
・医術師(第7階級)
貴族に、仕えられる実力者。
・医学師(第8階級)
貴族に、仕えられる医学研究者。
・医師(第9階級)
医学ギルドに、登録された医師。
・医者(第10階級)
個人で、診察して薬などを売る医者。
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………となる。大雑把な、説明なのは許して欲しい。
「バロン、取り敢えず昇格試験は受けるよ。」
「おう。あっ、俺はこっちに引っ越す事にした。」
バロンは、笑いながら言う。
「本当に?じゃあ、暫くは暇にならないね。」
ユラは、驚くと嬉しそうに言うのだった。バロンは去り、ユラは皆を見る。うん、怖いな………
「さて、ちょっと連行するぞ?」
「ルシアさん!?いっ、嫌ですからね?」
「さて、僕もいろいろ聞きたいかな。」
「カリオス様、教えませんよ?」
そういうと、スタスタ逃げるのだった。




