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勇者のさようならパーティー その2

男達が、15人も殺意を殺して近付いて来る。ユラは、敏感にそれを感じて短刀を構える。


すると、ユリスが驚く表情をする。


「あれは、暗器を構える構えだ。」


「え!?つまり、ユラは暗殺術を使えると?」


カリオスも、驚いてユリスに聞き返す。ユリスも、真剣に無言で頷く。カリオスは、思わず困惑する。


3人の暗殺者が、勇者を襲うがユラは必要最低限の動きでスマートに一網打尽する。刃が切れない、それでも鈍器としては充分で衝撃を伝える事は出来るため素早く3人の急所に切れない短刀を打ち込む。


ユラは、勇者を守るように守りの魔法を短く唱えて短刀の構えを変える。それは、剣士の構え。


「なっ、ユラは多才なのだな。」


レオは、苦笑して素直に褒める。


「そのようですね。今の所ですが、暗殺術・体術・護身術・護衛術・捕縛術・魔術・剣術ですか。」


ベイルも、驚いてから真剣に言う。


「あと、読唇術と読心術そして話術だな。ユラは、精神攻撃も出来るのかよ。ヤバく、恐ろしい奴。」


ルシアも、医者としてセラピー方面から言う。


「あのさ、ユラが来た頃にユラにした質問を覚えてるかな?君は、敵じゃないのか聞いたでしょ?」


ユリスは、冷や汗を流してから青ざめる。


「あ……。ユラは、確か………」


「坊主は、こう言ったな。・・は、敵じゃないって……。なぁ、これは少しヤバくない?」


カリオスと、ルシアが言えばレオとベイルは青ざめてユラを見る。絶対に、敵対したくない。


「それに、忘れてないか?ユラは、本来は森の賢者だ。医術や薬草術に、特化した魔術師だ。つまり、本職じゃなくてこれ程の凄腕だって事だ。」


剣士が、5人来るがやはり護衛対象から離れないよう必要最低限の動きで素早く剣士も倒す。


魔術師が、5人で魔法を放つのだが。白魔術のホーリーアローと黒魔術のイビルカースだ。すると、ユラは首に掛けていた竜神の鱗を媒体に白魔術ホーリックペインと最上級魔術を放つだけで白黒魔術の2つは呑み込まれかき消される。敵魔術師は、泡を吹いて気絶する。ユラは、一瞥もせずに警戒する。


竜神の鱗は、ユラの魔力に耐えられず壊れる。


相手は、上級の魔術を使う魔術師だが相手が悪かった。ユラは、一応だが最上級魔術に極大魔術と究極魔術を使える化け物なのだから。ただ、危険だから使っていないだけで。ユラの足元を見て、自分達がユラに足元をすくわれた形になってしまったのだ。


さて、あと2人は傭兵で槍と弓を持っている。


だが、2人はユラに頭を下げると会場さら去る。ユラは、追いかけずに周り警戒をする。


暫くして、賢者8人が現れて教皇ではなくユラに敬意を示す。これには、貴族たちも驚く。


「神聖賢者、ユラ・ノゥレッジ様にご挨拶を申し上げます。お初に、お目にかかります神の子よ。」


すると、カリオスはユラの名字を初めて知り驚く。

 

「カリオス様、ノゥレッジとは知識と言う意味で名字と言うよりは称号ですよ。だから、私には名字はございません。真名に誓って、嘘じゃないです。」


ユラが、疲れたように言えばカリオスはキョトンとする。ユラは、短刀を抜きあの男に渡す。


「あの、僕の剣を返してください。依頼は、完了したので名誉貴族として参加します。」


「そっ、それが……その………」


「うん、盗まれたんだね?おや、カリオスをバカにしたくせに自分の言葉すら出来ないなんてかわいそうな人だね。それとさ、毒を盛ったのは君だって僕は知ってたよ。だから、罪を償え罰を受けろ。」


カリオスは、部下に命じてあの男を連れていく。


「ユラ、剣はどうするのさ?」


クルトが、焦ったように言う。オズも、心配そうに見ている。ユラは、ため息を吐き出す。


出来ない事は、無いんだけどみんな見てるしここでやらないと駄目だよねぇー?厄介事にしか、ならない予感なんだけどヘルプ主神様!心のなかで、ユラは密かに叫ぶのだった。うん、もう嫌だぁ!

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