かかし
何もしなくていいんだよ
ただこそこに
立っていてくれればいいの
にこやかに
にこやかに
雨の日も
晴れの日も
風の日も
雪の日も
きっと君は南を向いて
時々笑顔を崩しながら
明りの中で
暗い中で
じっと前を
見続けて
わっと大きく驚かせたり
しゅんと肩を落としたり
そんな変化はみじんもなくて
とても幸せそうだとか
とても悲しそうだとか
そんな変化も見て取れなくて
日々日々
ただただ
毎日
毎日
そこにいる
ただいるだけでいいんだって
それで君は役に立つ
それでいいんじゃないのかい
でもごめん
僕はそんなに君のことを
心広くは思えないよ
ありがとうございました。