009 初めてのお金!
今回短めです。
翌日、私とアルテミスは二人でまたまたギルド集会所に向かっていた。
今日もダンジョン攻略!──というわけではなく、
今回の目的は、私の持つギルドポイントを”お金”に変換してもらうためだった。
というのも、今日は丸一日ギルドでの活動もない休日なので、アルテミスと二人で街に繰り出すそうって話になった。
ギルド市は明後日、そして明日は出店の準備、と大忙しな週末が予定されているので、今日のうちに色々見て回りたいということだ。
これまで無一文の私は、寝床はギルドルームのソファー、食事はパンさんたちのものを分けてもらうという悲しい生活を送っていた。
でも今後はアルテミスにもちゃんとベッドで寝てほしいし、お金を手に入れたらちゃんとした生活をしたいよね。
生活が安定してきたら、部屋を借りるとかもありかも。
そんなことを考えながら、私たちは今日もギルド集会所の門を潜る。
もはや顔なじみとなった受付嬢さんに、ギルドポイントをお金に交換したい旨を伝えたら快く了承してもらえた。
「それではまずは、サキさんのギルドポイントを確認しますね──って、もう993ポイントですか……」
えーっと、ダンジョンに行く前が、930ポイント、だったっけ。
ってことは、ダンジョンで63ポイント稼いだことになるよね。
スライムを倒した数が、ドロップアイテムの個数的にちょうど63だから、スライム1匹でギルドポイントが1増えるってことか。
「ギルドポイント的には、もう第三天位級の冒険者ですよ? 早く第二天位に昇格する試験、受けてくださいね?」
「は、はい……」
笑顔の受付嬢さんから謎の圧を感じる……。
でも、私まだこの世界に来て四日目なんですよ。
それに、昇格試験がそもそもどういう試験か分からないし、
もし召喚がダメなら私のステータスだと受かる気がしない。
「あの、イヤミで言ってるわけじゃないんですよ?……ランクが低いのにギルドポイントが高い冒険者は、『実力に見合わないギルドポイントを持っている』と見做されて、狙われやすいんです……」
「ね、狙われる……?」
「はい。この前、サキさんが他の冒険者をぶっ飛ばしてギルドポイントを奪ったように、サキさんが他の冒険者に負けたらギルドポイントを奪われるんです」
なるほど、私のギルドポイント目当てで他の冒険者から狙われるかも、ってことか……。
なにそれこわい。
「普通は襲わないんですよ? だって、冒険者として醜聞が立っちゃうし」
「え、じゃあ私ももしかして悪い冒険者だってウワサが……?」
「サキさんは正当防衛なので大丈夫です!……他の冒険者がどう思ってるかは知りませんが」
「え、えぇっ!?」
「半分冗談ですよ!──話を戻しますけど、実は正々堂々と他の冒険者からギルドポイントを奪う方法があるんです。それが、ギルドバトルです!」
ギルドバトルとは、決められた時間に、決められた場所で、ギルド同士が総力を尽くして戦うことを言うらしい。
ギルドバトルを宣言されたギルドは、受けざるを得ないそうで、負けたら勝った方の言うことを聞かないといけないんだとか。
まあ大体はギルドポイントを全部奪うか、自分たちの関連ギルドになるかを迫られるらしい。
前者はほぼギルド解散を意味するとか。
「大きなギルド同士のギルドバトルになると、建造魔法で城塞を作ったりして大掛かりな戦いになるんで、みんな見に行くくらいなんですよ!──って、話が長くなっちゃいましたね、それではサキさん、交換するギルドポイントを教えてください!」
そうそう、ギルドポイントをお金に交換するんだった。
パンさんたちから、500ポイントは残しといてって言われたので、493ポイントをお金に交換すればいいか。
そう伝えると、「承りました!」と言って受付嬢さんが奥からお金を持ってきてくれる。
「はい、493ポイントなので、金貨4枚、銀貨9枚、銅貨3枚の計49,300ゴールドとなります!」
受付嬢さんからお金を受け取るついでに、この世界のお金の関係を教えてもらった。
こういう常識的なことでも嫌な顔せず教えてくれるから、この受付嬢さんのこと好きなんだよね。
ちなみに、1ギルドポイント=1銅貨=100ゴールドらしく、
1金貨=10銀貨=100銅貨
とのことだった。




