049 みんなでお食事会!②
どれもこれも、ぜーんぶ美味しかったコースも、いよいよ最後。
私はお腹いっぱいになったけど、ゴブリンズは足りたかな?
そう思って聞いてみることに。
「どう? 美味しかった? お腹いっぱい?」
すると、ゴブリンズは黙って頷いた。
頷く……ってことは肯定だよね、きっと。
良かった、二人とも楽しんでくれたみたい。
「さて、心の準備はええか、サキはん」
「……はい」
私はもちろん頷く。
次が一番楽しみと言っても過言ではありません。
そう──デザートです。
「バジリスクのタマゴを使いましたムースと、ワイバーンのタマゴを使いました濃厚タルトでございます」
「えっ、すごーっ!!」
運ばれてきたデザートを見て、私は思わずそう言った。
白いお皿の上には、宝石みたいな紫色のムースに、黄金色のタルト。
その横に添えられたグラスには、青緑色の飲み物が添えられていた。
紫と金と青緑──三色が鮮やかなコントラストを描いていて、目にも楽しい!
これは映えだね、映え。
「見た目にもかなりこだわってるわね」
「なんて言っても人気店やからな! せや、こういうときに天影鏡があればなあ」
パンさんが、リンドールさんへ視線を送る。
「天影鏡は錬金難易度がかなり高く、今の私の腕では魔狼の眼球が1000個は無いとできませんわ……」
「ほなできるやないかい」
「……確かにですわ!?」
二人の漫才は置いといて、私はスプーンを手に取った。
まず、紫色のムースにスプーンを入れる。
ふわっ、と抵抗がなく、まるで雪をすくうみたい。
口に運んだ瞬間、上品な甘さが口いっぱいに広がって溶けていった。
「美味し~!」
ザラの言葉に、思わず頷く。
流石、パンさんが目を付けたレストランだね……。
次は黄金色のタルトへ。
さくっと小気味よく割れて、口に入れた途端にねっとりと濃い甘さが私を襲う。
これまた美味しい……!
ここまで濃厚なタルトなのも、ワイバーンのタマゴならではだよね。
お皿の横にある、青緑色の飲み物に手を伸ばす。
透明感があって、光を受けると水面がきらきらと光った。
飲んでみると、味の濃いお茶みたいな感じ。
これも甘いデザートに良く合うね!
「──飲みましたわね?」
その瞬間、リンドールさんがニヤッと笑った。
「……え? あ、はい、飲みました……けど?」
「それ、マナエーテルですわ」
「……ええ!?」
私は青緑色の飲み物を見つめたまま固まった。
マナエーテルって、世界一マズいと私の中で噂の、あの!?
「う、嘘ですよね!? だって苦くない!……いやちょっと苦いけど!」
苦いっちゃ苦い。
でもそれは、よくある脂肪燃焼効果のある濃いお茶、くらいの話。
あの生命を弄ぶような絶望的な苦さはどこへやらって感じで、にわかには信じられない……。
「どうやったんですか!?」
「粘魔核を基剤にしたのです。血結晶の魔力回復効果はとても脆くて、普通の液体に混ぜるとすぐ消えてしまうのですが──粘魔核であれば別なんですの。おかげで、以前の苦味をかなり薄くすることができましたわ!」
そ、そんなことが……!!
錬金術の力ってすごーっ!!
……ってことは、私の魔力も回復してるってことだよね?
ちょっとステータスを確認してみよう。
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人間 召喚士 Lv. 16
【体 力】 22
【魔 力】 26(37)
【持久力】 22
【攻撃力】 1
【防御力】 1
【 運 】 999
【速 度】 1
【知 力】 1
【精神力】 1
【スキル】
亜人召喚Ⅰ 亜人召喚Ⅱ 低魔召喚Ⅰ
時短召喚術 召喚権限委任
魔力回復量増加Ⅰ 帳尻合わせⅠ
獲得経験値増Ⅰ
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ほ、本当だ……。
今朝は23だった魔力が3回復してる……!
でも、あれ……?
「リンドールさん、何だか効果が弱まりました……?」
「それは当然ですわ。だってこんなに薄めましたもの!」
突然、リンドールさんが足元から1リットルペットボトルのようなものを取り出した!
「えっ、それってもしかして……」
「ご明察ですわ! 例の薬ビン一本分をここまで薄めたのです!」
「そりゃ苦味も薄まるわ……。ちゅうことは、一本分の効果を得るには1リットルくらい飲まなあかんってことやな」
「ええ。とっても健康的ですわね」
「……健康的かなぁ」
まあ、なんにせよマナエーテルが飲めるようになったのはかなりの進歩だよね。
結構味の濃いお茶みたいな感じだから1リットル飲むのはちょっと辛いけど、
「この世の終わり」みたいな味と比べれば天国だよ……。
「それにしても、いつの間にこんなサプライズを用意していたの? 全然気付かなかったわ」
「ペールルージュさんも知らなかったんですか?」
私の問いにペールルージュさんは小さく頷き、パンさんも「ウチも知らんかったわ」と肩をすくめる。
すると、リンドールさんが指先を立てて微笑んだ。
「実はこのレストラン、わたくしの家が素材を卸しておりますの」
「……なるほど?」
なんかさらっと言ったけど……リンドールの実家ってどうなってるの?
次はなんと50話目!
200話は続くので、まだまだ四分の一ですが、これからもよろしくお願いします!




