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048 みんなでお食事会!①

ランキングに載ったらしいです、すごーっ!!

ザラを召喚してから、一週間が経った。


結局、ザラが真面目──というか優秀すぎて、妖精を召喚するのは一旦保留に。

だって、ザラ一人でも持って帰ってくるドロップアイテムが多すぎて管理が追いつかないんだもん……!


その数たるや、ジョンソン、そして召喚権限移譲したブルースが、リンドールさんの作った【歪空袋】を持って行ってもパンパンで帰ってくるほど。

おかげで、うちの倉庫はレアドロップでいっぱい。

具体的に言うと、こんな感じ。


粘魔核(スライムコア)……151個

魔狼の眼球(ガルムアイ)……684個

小鬼の革袋(ゴブリンバッグ)……233個

バジリスクのタマゴ……292個

ワイバーンのタマゴ……214個

血結晶……74個


プラス、レアドロップ以外の通常ドロップが2、3個……。

本当、「どっちがレアドロップなの!?」って思っちゃう。


ちなみに、この数は累計ではなく残数──売っぱらったり、リンドールさんが錬金で使用した分はもちろんカウントされてない。

……つまり、粘魔核(スライムコア)小鬼の革袋(ゴブリンバッグ)、血結晶の数が少ないのは、リンドールさんが失敗しまくってるからです。

失敗したやつ、どうしてるんだろう……。


そして、ワイバーンのタマゴがこんなにドロップできるようになったのは、ザラたちに弓を買ってあげたから。

すごくいいのを買おうとしたんだけど、「威力過剰になっちゃうんで!」ってザラに言われて、結局ドルトステラから余ってる弓を安く買わせてもらった。

ザラに選んでもらった弓は、なんか見た目は派手で豪華だけど、重くて扱いづらい一品。

なんでこんなの選んだんだろう……。



こうしてザラがダンジョンで荒稼ぎしているうちに、ザラはすっかり有名冒険者となった。


なんと冒険者階級は第五天位。

ついに私を越えたね……なんて師匠面する間もないほどのスピードで、ギルドでも類を見ないほどらしい。


そのおかげか第五天位では圧倒的知名度で、なんと最近は指名依頼がたくさん来るようになったんだとか。

討伐はもちろん、護衛や納品といったメンドクサイ依頼の数々に、ザラも「めんどくさい〜!」っていつも言ってる……。

やっぱり妖精を召喚して二人組にしたほうがいいかも……。





そしてそんなザラを労う意味も込めて、今日はグランベルジュみんなで高級レストランでお食事会。


パンさんが「ここや」と胸を張って案内した店は、中心街の目抜き通りに面した、白い洒落た建物。

……なんだか場違いな感じがして、私は思わず立ち止まる。


「……ここ、ほんとに私たち入っていいんですか?」

「ええんやええんや。今日は最上階フロア貸し切りや。店側にもちゃんと話つけてある」


パンさんが言い切るのと同時に、店の人が出てきてにこやかに頭を下げる。

表情が若干ひきつっているように見えるのは──たぶん、私の横にいるでっかいゴブリンズのせいだ。


さすがに良いお店でいつもの服はどうか、ということで、今日は黒の上着みたいなのを着ている。

流石はペールルージュさんチョイス、何だかエリート会社員みたいでカッコいいかも。


店内は、ふわっと甘い香りがした。

豪華な絨毯に磨き上げられた黒い床、壁に飾られたよく分からない絵──とにかく、全部が高級そう。


そんな高級店で私たちが案内された先にあったのは、魔導設備と呼ばれる縦長の箱──要するに、エレベーターだよね。


「最上階フロアへご案内いたします。こちらの昇降機をお使いください」


店員さんが言う。


ゴブリンズが屈みながら入ると、箱がギチギチに見えた。

……壊れない? 大丈夫?


私が不安そうに見上げると、パンさんがニヤッと笑う。


「大丈夫や、こんぐらいじゃ壊れへんって。なんせ、あのデッカいタマゴを何百個とこれで運んでるんやからな」


そう……この店は、ドロップアイテムのタマゴを卸す先として、パンさんが選んだ店なんだとか。

だからこんなVIP待遇というわけだ。


箱が、すっと上へ動き出す。

耳が少し変な感じになった頃、扉が開いた。


「わあ……!」


最上階は、フロア丸ごと貸し切り。

中央には長いテーブル、窓は一面がガラス張り。

その向こうに、グラン=ラフィースの街が広がっていた。


夜の灯りが、星みたいに散らばっている。

中心街の明るさ、少し離れた住宅街の温かい灯、そして遠くの大きな黒塔の光。

……あ、あれ、うちのギルドがある辺りかな。


「ええ景色やろ。ここ、夜景が売りの席らしいわ」


パンさんが得意げに言った。


ザラは「おお~」と素直な感嘆の声を上げる。

アルテミスも黙っているけど、表情は少し楽しそう。

ジョンソンとブルースは……外の景色をただじっと見つめていた。

二人とも、楽しんでくれてるといいんだけど……。


席につき、コースが始まると、もう全部が美味しくて、語彙力が死んでいった。


最初に出てきたのは、小さな前菜が何種類も乗った一皿で、ひと口ごとに味が変わって楽しい。

つまり、美味しい。

次のスープは、白い泡がふわふわ浮いていて、口に入れると溶けたのに、凄く濃い。

要するに、美味しい。


ゴブリンズの前には普通の人の三倍くらい盛られた大皿が置かれていて、二人ともむしゃむしゃと静かに食べていた。

美味しいと思ってくれてたらいいな。


そして、コースも中盤を過ぎたころ。


「本日の卵料理でございます。バジリスク卵を用いた一皿です」


「来たっ!」

「待っとったで!」


銀の蓋が、すっと持ち上げられる。

湯気の向こうに現れたのは、妙に艶のある、例の毒々しい色をしたバジリスクのタマゴ──その卵黄だけを宝石みたいに固めたやつだ。


「毒抜きの工程に二日かけております」と店員さんが教えてくれて、なるほどそんなに時間がかかるんだって驚いた。

それでもやっぱり毒が怖いけど、恐る恐る一口食べてみる。


……うん、おいしい。

とろっとした濃厚さのあとに、薬草みたいな爽やかな香りがすっと抜ける。

たぶん、毒抜きに使ったハーブかなにかの影響かな。


「これがあのバジリスクのタマゴ……」って、思わず感慨深くなった。


次の料理は、ワイバーンのタマゴを使ったパスタ。

なんと、パスタとワイバーンのタマゴ以外の味付けはほとんどしていないらしい。

なのに、口に入れるとまるで生クリームのようなコクがある。


「すごっ、タマゴだけなんですよね!?」

「そりゃなんてったって、ワイバーンのタマゴやからな。普通に考えて、100ギルドポイント──つまり金貨一枚のタマゴってとんでもないからな」

「言われてみれば……」


魔力が増える指輪が金貨四枚だから、ワイバーンのタマゴ四個で買えるわけだもんね。

正直、ザラたちの持って帰ってくる数が多すぎて貴重なものっていう感覚がほぼないんだよね……。

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