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036 錬金設備!

新ギルドルームの掃除が終わった頃、ペールルージュさんがやってきた。


家具選びのためにサイズを測りに来たんだとか。

ちゃんとしてて偉い……。

私なんて、洗濯機買ったら入らなかったことあるよ……。



翌日、旧ギルドルーム側に行くと、ほぼ整理は終わっててすっきりしていた。

あの埃っぽくてモノだらけのギルドルームが別の部屋みたい……。


そのまま、原状回復のためにもみんなで掃除。

引き払うときに状態が悪いと追加でお金を取られることがあるんだとか。

なんか、元の世界の引っ越しを思い出すな……。


最後に荷物を運び出して、旧ギルドルーム周りの作業は完了。

もうこのギルドルームとはお別れだと思うと、少し寂しい……。





次の日の朝、旧ギルドルームの引き払いと、新ギルドルームの契約周りでパンさんとギルド集会所へ。

家賃は毎月ギルドポイントが自動的に引き落とされて、通貨に変換して支払われる仕組みらしい。


5,000ギルドポイントって、金貨50枚ってことだよね。

そう考えると、家賃めちゃくちゃ高いね……。

でも、ギルドメンバー4人とアルテミスで住むって考えたらいっか。

グランベルジュのギルド登録情報も更新して、手続きはこれで終わり。


新拠点のインフラ周りもぜーんぶ、パンさんペールルージュさんがやってくれた。

私なんかてっきり、水なんて魔法でちょちょいってやるのかと思ってたけど、全然そうじゃないらしい。

水魔法って、すっごく燃費が悪いんだって。

だから大富豪とかじゃない限りは普通に水道が通ってるんだとか。

世間知らずでごめんなさい……。


翌日。

ついに家具やらなんやらを新ギルドルームに運び入れていく。

でっかい絨毯に、深く沈み込むタイプのソファー。

暖炉の前に置いてみたら、もうそれだけで豪華なギルドルームの出来上がりだ。


「ええなぁ、流石のセンスやで、ルル!」

「その分、値は張ったわよ?」

「ええんやええんや、なんてったって、十万ギルドポイントもあるんやからなあ!」


そうそう、せっかくの引っ越しだしね!

快適に過ごすための初期費用だと思えば!


次に来たのは、大きな共用テーブル。

これがあれば食事でも作戦会議でも、何でもみんなでできそう。


他にも椅子やらクッションやら、どんどんと運び込まれてくる。


「おー、随分と買ったんやな!」

「まあ、五人で暮らすと考えたらね。ベッドも五台いるもの」

「確かになぁ。思ってたより出費が嵩むかもしれんな!」


でも大丈夫!

私たちには十万ギルドポイントもあるんだから!


そんなとき、外から声が聞こえてきた。


「お届け物でーす」


その声に、リンドールさんが慌てて飛び出す。


「お待ちしておりました! 二階の角部屋にお運びくださいませ!」

「おっ、届いたんか、”錬金設備”!」


錬金設備って、リンドールさんが錬金をするための、あの……!

興味津々に見てると、深緑の大きな台が運ばれてくる。

磨き上げられた表面にスッと白い線が走ってる、何だか不思議な、高級感のある台。


「リンドールさん、あれは……?」

「調合台ですわ。魔力循環の術式が彫られており、魔力雰囲気を調整できるのです!」


ま、魔力雰囲気……?

私が頭にはてなを浮かべていると、今度は大きな炉が運ばれてきた。


「あれは錬金炉と言いまして、あそこに素材を入れて反応させるのです」

「へぇ~。何だか面白そう!」


確かに、錬金と言えば何だか素材を炉の中に入れてかき混ぜるイメージがあるかも。

……私にもできるかな?

今度リンドールさんに教えてもらおう、とか思っていると、また何か大きな物が運び込まれてきた。


「今のは何ですか?」

「粉砕機ですわ。素材を粉にするのに使います」

「また来た! アレは?」

「冷却装置ですわね。一時的に反応を止めるのに使ったりしますわ」

「……これは?」

「これは魔力計ですわね。濃度を測ったり──あっ、これは蒸留器ですわ! そしてこれが晶析槽、これは触媒保管用の箱で、こちらは中和ボックス。失敗したら放り込むところですわね!」


その他にも、計量器具やら耐熱手袋やら、次から次へと運び込まれてくる。


「……えーっと、あのー……。……どれだけあるの?」

「一から錬金設備を作るのですから、まだまだありますわ。安心してくださいませ、他の部屋に物を置いて皆様のお邪魔になったりはしませんので!」

「……そういう心配じゃないんだけどね……」


何だか全部高そうなものばかりだから、ちょっと心配だけど……。

まあ、十万ギルドポイントもあるし大丈夫だよね?


私が苦笑していると、パンさんが血相をかいて走ってきた。


「リ、リンはん!?!? な、何やこれは!?!?」


そう言ってリンドールさんに突きつけたのは、一枚の紙きれ。


「……? 請求書、ですわね」

「そんなん分かっとるわ!!! ウチが言っとんのは、金額の話やわ! なんや700万ゴールドって!?」


……えっ?

ななひゃくまん……?

700万ゴールドってことは、100ゴールドで1銅貨、だから──。


「70,000ギルドポイント。金貨で言うと700枚ね」


おっ、流石ペールルージュさん!

計算早いなぁ。

……ん?


「70,000ギルドポイントも使ってもうてどうすんねん!?」

「ええええええええ!?」


70,000ギルドポイント!?

金貨700枚!?!?

ギルドバトルに勝利してゲットした10万ギルドポイントが……!!


「……? 言ってましたわよ? 『ええの買ってくるんやで』って。ですので、ええの買ってきましたわ」

「そ、それは、なんというか──分かるやろ!?……ル、ルルは家具の総額はいくらや?」

「そうね、ええの買ったから──30,000ギルドポイントってとこかしら」

「じゃあ足したらちょうど10万ギルドポイントやなー!……ってアホか!? ほんならもうほとんど残っとらんやないか!? 来月からの支払いどうすんねん!?」


パンさんの絶叫が、新しいギルドルームに響き渡った……。


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