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間違えて運に極振りしちゃったけど召喚士なら何とかなりますか? ~召喚で出てくる魔物が異常個体ばかりなんですけど!~  作者: やおよろずの
第二章 ギルドバトルに勝とう!

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019 異常個体

なぜか気合満々のトルキルドさんとハケミさんの昇格試験も無事合格で終わった。

ゴブリンズが帰っていくのを見届けた後、みんなでギルド集会所に戻り、受付嬢さんに昇格の報告を行うことに。


「あっ、おかえりなさーい! 聞くまでもないですが、試験はどうでした?」

「あっ、はい、なんか第三天位に昇格できました……!」

「やっぱり! 第二天位おめでとうございま──って、え、第三?」


受付嬢さんが目を丸くしていると、コナツさんが間に入ってくれる。


「私が提案しました。彼女の召喚士としての実力が並外れていたので」

「こ、コナツさんが!? これはまた珍しいですね……同じ召喚士として思うところが?」

「……というより、サキさんには早く上に上がってもらった方が、冒険者全体に良い影響を与えることになると思って」

「へえー、随分と評価されてますね、サキさん! コナツさんってすごい人なんですよ? 群召喚の第一人者なんですから!」

「群召喚……?」

「先ほど行った召喚方法ですね。通常、召喚は一体ずつなのですが、大きな魔法陣を利用して複数体を召喚するんです」


そういえばさっきは緊張してて何も思わなかったけど、一気に複数体召喚してたっけ。

私には出来ない芸当……流石センパイ。


「凄いです……私にはできません!」

「それを言うなら、私には異常個体を狙って召喚することもできないですよ」

「異常個体……?」


”異常個体”という単語も、さっきコナツさんがジョンソンとブルースを見たときに言ってたっけ。


「……もしかして、無意識にやっているんですか? それはそれでサキさんの異常性を際立たせますが……」

「え、はい。何のことやら……」

「サキさん、貴女が召喚するゴブリンと、他のゴブリン──全く違うことを不思議に思いませんか?」

「あっ、思いました! どうしてこんなにムキムキなんだろう、って」

「良かった、違和感はあるんですね」


……なんだろう、ちょっと馬鹿にされてる?


「その違和感は正しくて、通常のゴブリンは小さく不健康な体型をしています。一方、ゴブリンの種の歴史の中で、突如として体躯が異常に発達した個体が生まれることがあります。それが異常個体です」

「……えーっと、つまりゴブリンズは、その異常個体ってことですか?」

「そういうことです。異常個体は通常、その一代限りで終わるのですが……ゴブリンは繁殖力が高いため、そうはならなかった。その結果、その異常個体の系統が新たなる種として我々に認識されています。異常発達ゴブリン──”剛体種”として」


その単語を聞き、トルキルドさんとハケミさんが顔を見合わせる。


「ああ! 聞いたことあります」

「あれが、剛体種……勝てる気がしないです」


私も一生勝てる気はしないです……。


「ゴブリン剛体種は目撃例も非常に少なく、種が現存しているかは不明ですが、通常のゴブリンと比較して穏やかな性格をしているため人里離れた場所で生息しているのではないかと言われています。あとは……ダンジョンの奥深くで目撃例があるくらいですね」

「ってことは、ダンジョンに潜っていけばいつか会うかも、ってことですか……」


あんなムキムキゴブリンが相手に出てきたらと思うと今から怖いよ……。


「いやいや、サキさんはその剛体種を二体も召喚していたではないですか。本当に不思議です、異常個体を狙って召喚できるなんて……」

「え、いや、狙ってるわけでは……たまたま──って、そうか、運が良いのかも!」


他のステータスが低すぎて忘れかけていたが、私のステータスのうち【運】は999なんだった。

ということは、本当に()()()()異常個体が召喚されている、ってことかも。

ただ、その()()()()が運のおかげで毎回起こってる、っていうことなのかな。


「ふふっ。運が良いだけ、ですか」


何だかコナツさんは楽しそうだった。





その後、コナツさんに気に入られたのか、また今後ご飯を一緒にしようと約束し、私たちは解散した。

コナツさんにトルキルドさん、ハケミさん──今日は知り合いも増えたし、予想外に第三天位にもなれたし、いいことづくめの一日だったかも。


よし、パンさんたちにも報告して、驚かせちゃおう!


私は意気揚々とギルドルームに向かい、勢いよく扉を開けた。


「聞いてください! パンさん、ペールルージュさ、ん……?」


ギルドルームは、いつもののんびりとした雰囲気とは全然違って、なんだかピリピリした沈黙が支配していた。

パンさん、ペールルージュさんも真剣な表情で、何かを話し合っていた。


「……サキはん、帰ってきたか」

「大変なことになったわ」


「た、たいへんなこと……?」


みんなに褒めてもらえるかも!──なんて私の考えは粉々に崩れ去る。

どうしたんだろう、二人がこんなこと言うなんて……。


「グランベルジュ解散の危機やで、これは」

「えっ!? な、何があったんですか……?」

「サキはん、この前ギルド集会所で他の冒険者ぶっ飛ばしたって言うとったやろ」


ぶっ飛ばした冒険者……?

ああ、あの三人組の男の人たちか!

アルテミスがぶっ飛ばして、結果としてギルドポイントを奪ったんだよね。


それがどうしたんだろう……?

えっ、もしかして私、過剰防衛で捕まるとか……?


なんて考えていると、パンさんから予想外の一言が続いた。


「あの冒険者が所属しとるギルド──パラッパ・レードからついさっき宣告があってな。ギルドバトルを仕掛けられたんや」


「……え?」


私は言葉を失う。

……というか、そもそも、

ギルドバトルって、なんだっけ……?


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