王子の起こした騒ぎ
ラダマンティスの王家主催のダンスパーティー。
そこにバラキエル様とともに出席することとなった。
けれどそこで、ラダマンティスの第三王子殿下…リムル様がやらかした。
「イヴォンヌ・ヴァレリー・ゼナイド!貴様は第三王子の婚約者という立場でありながら、男爵令嬢タイス・シュザンヌ・フロランタンを虐めたな!」
「しておりませんが」
涼しい顔でイヴォンヌ様は即答する。
多分本当にしてないんじゃないかな、だってあんなに堂々としてるし。
いや主観だけど。
「しただろう!?しらを切るつもりか!?」
「しておりません」
「とにかく、婚約破棄だ!」
わあ、悪役令嬢ものでよく見るやつダァ…。
しかも第三王子殿下、隣にタイス様を立たせて腰を抱いてるし、タイス様は乙女の顔で第三王子殿下を見ている…。
タイス様の父君である男爵は現実が見えているようで、頭を抱えている。
国王陛下と王太子殿下、第二王子殿下も同じくだ。
…イヴォンヌ様とそのエスコートをするお父君だけが、冷めた顔をしている。
野次馬は興味津々の顔で覗いているみたいだけど…。
天の声さん、ツッコミ入れていい?
『それは面白そうですね、どうぞ』
許可も得たので行ってきます。




