イオの決意
これからはより一層、主人様を完璧にお守りしなければ!
主人様はこの間、ダンスパーティーの際にバルコニーから突き落とされた。
さらにこの間は、夜会で酔っ払いに絡まれたらしい。
バルコニーから突き落とされた際は、身代わり人形が守ってくれたらしい。
その後身代わり人形を大量購入して常に持ち歩くようになったので危険は減ったが…やはり主人様は我々侍従が守って差し上げなくては!
酔っ払いに絡まれた際にはバラキエル様が守ってくださったらしい。
そのお話をされている際の主人様の表情はとても愛らしかったので、我々侍従のいない時にはこれからもバラキエル様が守ってくだされば幸いだ。
その方が主人様も嬉しいだろうし。
さあ…より一層主人様を完璧にお守りするため、今日も鍛錬に励むぞ!
「ということでザド、君も一緒に鍛錬しないか」
「俺は戦闘奴隷ではない…いやそもそももう奴隷ではないが…却下だ」
「侍従としては鍛えていた方が何かあった時主人様を守れるだろう」
「こう見えて人並みの力はある。お前らとは比較にならないほど弱いが、いざという時には盾にくらいはなるさ」
「ふむぅ…そうか」
残念だが、今日も一人で鍛えるとしよう。
ああ、今日も空が青い。
主人様にお仕えできて、幸せだ。




