一難去ったらまた一難
今日は貴族間のお付き合いで、夜会にバラキエル様と出かけた。
バラキエル様が隣にいるからかみんな優しい。
たまに私が治して差し上げた人もいて、そういう人は本当に優しい。
とりあえず穏やかに過ごせて、挨拶回りをしたらあとはまったり夜会を楽しんでいたのだけど…ワインで泥酔した人に絡まれてしまった。
たしか、伯爵家の三男のシリル様という方。
「なあなあ、ジョウコさまぁ…バラキエル様より俺の方がいいゼェ?」
「いや、それはないです」
「おい、ジョウコに近づくな」
バラキエル様が盾になってくださって触れられることはなかったが、怖い。
「バラキエル様は身分差ありすぎだって」
「それはそうですけど嫌です」
「なあ頼むヨォ、俺と結婚してくれヨォ」
盾になってくれていたバラキエル様がとうとうブチ切れた。
「くどい!身分差がなんだ、俺がジョウコを愛してるから身分なんて関係ないんだよ!」
バラキエル様の言葉に野次馬のみんなが騒つく。
シリル様も相当驚いたようで酔いも覚めたらしい。
「あ、あの、おれ…」
「だいたいジョウコは聖女だぞ!身分差も何もあるか!ジョウコは俺の運命の女性だ!邪魔するな!」
「す、すみませんでしたー!」
シリル様は逃げ帰る。
野次馬たちは拍手して私たちを祝福してくれる…はい、恥ずかしいです。
「…て、照れるな」
「そ、そうですね…」
まあともかく、前回のバルコニーから投げ落とされた件と言い一難去ってまた一難って感じだったが…バラキエル様の愛を確認できてちょっと嬉しかった。
なお後日、シリル様がご両親から勘当されたと聞いた。
悪いことしちゃったかな…。
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