招き猫の使い道
今日も今日とて慈善事業を頑張った。
疲れた身体をお夕飯までの一時間マッサージチェアで癒し、お夕飯からの一時間もマッサージチェアで癒され、その後入浴剤入りのお風呂でさらにリラックスする。
これだけで疲れはだいぶ癒やされるが、そろそろストレス発散もしたいところ。
ちなみに今は一億と一千万と五百万と細かいお金がある。
五百万を使って何かしようかな。
あ、そういえば招き猫があったな。
ギャンブルでもしに行こうか。
「ねえねえみんな、近くにギャンブルが出来るお店ってある?」
「カジノならあるが」
「明日ちょこっと行ってみていい?」
「俺たちも護衛としてついて行ってもいいですか?」
「もちろん!」
ということで、カジノに行ってみることにした。
次の日、慈善事業が終わった後カジノに行って招き猫を使ってみた。
結果五百万円が五千万円に。
一億と六千万と細かいお金が懐にある。
これだけでウハウハで、脳汁ドバドバでストレス発散になった。
身体は日々のマッサージチェアと入浴剤入りのお風呂で癒されているし、まだまだ大丈夫。
ストレスも今日発散した。
じゃあこの六千万をなにに使うか。
「うーん、たまには〝本当の〟慈善活動しようかな」
今は慈善事業といいつつも、教会や治癒術師さんの仕事を奪わないよう治癒する人に制限をかけてるし、安いとはいえ報酬はもらっている。
今回はそうじゃなくて、無償で誰かのためにお金を使おう。
というわけでエリュシオンにある孤児院と養老院に三千万円ずつ寄付することにした。
まずは孤児院から。
「あの、遅い時間にすみません」
「あ、ジョウコお嬢様!いかがなさいました?」
「これ、神聖金貨三十枚寄付してもいいですか?」
「神聖金貨を三十枚も!?ありがとうございます!これで子供達にさらに栄養あるものをたくさん食べさせてあげられます!それに、大きくなった子たちの職業訓練もさせてあげられるし…みんなに服も買ってあげられる…本当にありがとうございます!」
「それは良かった」
お役には立てたらしい。
良かった良かった。
「では私はこれで」
「ありがとうございました!」
次は養老院へ。
「あの、夜分にすみません」
「あら、ジョウコお嬢様」
「寄付をしたいんですが」
「はい、お受け取り致します…神聖金貨三十枚!?」
ぎょっとする受付のお姉さん。
「あ、ありがとうございます、助かります!施設の運営費に回して、必ずやお年寄りの皆様に満足度の高い生活をお約束します!」
「よろしくお願いします、では失礼します」
うーん、いいことすると気持ちいいね!
気分が良くなった私はルンルン気分で家に帰った。