新たな奴隷
セラフィムさんの運営する奴隷屋で、新しい奴隷をお迎えすることにした。
「ジョウコ様!よくいらっしゃいました!」
「あの、錬金術師のSランク奴隷をお迎えしたいんですけれど」
「それでしたらこの者はいかがでしょう。ザドキエルと申します」
「…ふん」
「あら、反抗的な人。あの、錬金術を依頼したらこなしてくれます?」
私が尋ねればザドキエルさんは不貞腐れつつも頷いた。
「それが仕事ならやってやる」
「では買いで」
「毎度ありがとうございます!」
ということで、奴隷契約を結ぶ。
ちなみにザドキエルさんは白髪に赤い瞳で白い肌。
キリッとした雰囲気のイケメンである。
美味しい…イケメンは大好物です!
「ありがとうございました、ジョウコ様!またのお越しをお待ちしております!」
ニコニコのセラフィムさんに見送られて、家に戻ってきた。
「で、何を錬成したらいい?材料はそっちで揃えてもらうぞ」
「うん、このシャンプーとボディーソープと洗顔料とハンドソープをお願い」
「…石鹸か?」
「うん、それぞれ髪用、体用、顔用、手洗い用だよ」
「用途によって変える石鹸…見せてみろ」
ザドキエルくん…ザドくんは言った。
「こんな品質っ…!?お前、これをどこで手に入れた!?」
「え、あー、故郷で…今は故郷に帰れないから、ザドくんに錬成してほしくて」
「ザドくん…まあ、いい。そうか、お前やっぱり良いところのお嬢様なんだな…すごい文化の進んだところから来たんだろう」
「う、うん」
「わかった、なら今から言うものを用意しろ」
その後、ザドくんに言われたものをセラフィムさんのお店で大量に購入してきた。
ザドくんはそれを使ってシャンプー、ボディーソープ、洗顔料、ハンドソープを瞬く間に錬成。
品質も問題ない、ほぼいつも使っているものと変わらないものができた。
「これで生活に困らないよー!ありがとうザドくん」
「ああ。ついでにこのティッシュペーパーなるものやトイレットペーパーなるものも材料をくれたら錬成できるが」
「やって!」
追加でセラフィムさんのお店で材料を買って、ティッシュとトイレットペーパーの予備も備蓄。
…が、それが良くなかった。
セラフィムは私の動向に目をつけていたようで、何を錬成したのかと尋ねてきた。
仕方なくボディーソープとシャンプー、洗顔料とハンドソープ、ティッシュとトイレットペーパーを紹介すると高値で売って欲しいと言われ、定期的にセラフィムさんに売る契約を結ばされた。
とりあえず今の収支は…四億と三千万と九百万だったのが、材料費が嵩んでまず四億と三千万に。
しかしセラフィムさんが高値買取してくれたことで四億と四千万に。
売った分以外に、当初の目的の備蓄分のボディーソープ、シャンプー、洗顔料、ハンドソープ、ティッシュとトイレットペーパーはもちろん確保。
しばらくは作らなくても大丈夫。
…うん、なんか上手くいきすぎて怖いな!この異世界転移生活!すごいぞ!
で、セラフィムさんがボディーソープ、シャンプー、洗顔料、ハンドソープ、ティッシュとトイレットペーパーを売ったことで貴族間で人気が出たらしく。
公爵様が、とうとう私と会いたいと言い出したらしい。