ミカの希望
主人様が聖女さまになった。
主人様は引っ込み思案で、フェル以上の怖がりさんだから嫌がってたけど…正直僕はいいと思う。
主人様が嫌がることはして欲しくない、されて欲しくないけど。
主人様は、聖女様にはぴったりだ。
それに、主人様はこの後領地を持たない一代限りの伯爵様になる。
貴族社会において、多分危なっかしい立ち位置だろう。
けれど聖女という肩書きがあれば、教会の威光もあって手出しはされづらいと思う。
だから主人様が聖女様になるのは、僕は良かったと思ってる。
あと、主人様はバラキエル様と婚約した。
それは主人様を守るための婚約。
だけど主人様が伯爵様にならなかったり、聖女の肩書きがなかったら結べないような婚約だ。
だってバラキエル様は公爵様だもの。
それなりの地位や肩書きがなければ婚約者できる相手じゃない。
バラキエル様の庇護下に入ると言うことはものすごい意味を持つ。
貴族の中で最も偉い公爵様であり、国王陛下の甥っ子にあたるバラキエル様の婚約者というのは、それだけ大きな盾となる。
バラキエル様は王位継承権を返上して臣籍に下った王弟の息子だからね。
「ただ一つだけ心配だったのは、バラキエル様が主人様を大切にしてくれるかだったけど…心配なかったみたいだし」
最近の二人はイチャイチャモードだ。
ラブラブさんのようなので僕も一安心!
このまま幸せになってね、主人様。




