バラキエル様に回復魔法
慈善事業を行いまくっていたら、ある日突然バラキエル様が来た。
『ウチではお手上げです』という教会と治癒術師さんの診断書を持って。
「バラキエル様、どこが悪いんですか!?」
「内蔵だな。不摂生が祟ったらしい」
「すぐ治しますから、横になってください!」
「あともう一つ」
「え、はい」
バラキエル様はちょっと言いづらそうに、目を逸らして言った。
「生殖器も、上手く機能しなくなってる。これも不摂生が祟ったらしい」
「…ちょっと初めてで治せるかわかりませんが、頑張ります!」
「頼んだ」
ということで、バラキエル様の内臓と生殖器を治すべく回復魔法を掛けた。
「はい、できました。あとは一応この後治癒術師さんに見てもらって、治ってるか確認できたら料金を払いに来てください」
「…それでいいのか?誓って俺はきちんと料金は払うが、バックレるやつもいるんじゃないか」
「いますけど、ちゃんと払ってくれる人が大半ですよ。おかげでうちの家計はなんとかなってますし」
「それならいいが…」
そしてバラキエル様は一度うちの屋敷を出ていって、治癒術師さんに見てもらったあと戻ってきた。
「生殖器の方も、内臓も、しっかり治っていた。ありがとうな」
「それは良かった!」
「だが生殖器が治ったとなると、また結婚結婚と身内がうるさくなりそうだ」
「ああー…頑張ってください」
「ああ、頑張ってうるさい連中をスルーするよ」
そして料金を払って、バラキエル様は帰っていった。
立場ある人だと余計に、周りが結婚にうるさくなって大変だよね…ドンマイです、バラキエル様。




