欠損奴隷を治して自由にしてあげたらなんか恩返しされることになった
回復魔法に適性を見出したので、ちょっとやりたいことをやってみることにする。
まず、奴隷の価格は見た目や種族や特技によってランク分けされ、Sランクだと一人神聖金貨五枚…五百万円。
Aランクだと、一人神聖金貨二枚…二百万円。
Bランクだと一人神聖金貨一枚…百万円。
そしてCランク…欠損奴隷は金貨五十枚…五十万円。
私はセラフィムさんのお店で、身体がぐちゃぐちゃになって原型を留めていない本来なら売り物にもならないという奴隷を買った。
なんでセラフィムさんがその奴隷を売れないと思いつつ買い付けて商品としていたかと言うと、売れないのを覚悟で最期くらい穏やかに過ごさせてあげたかったからだそうだ。
そんなセラフィムさんに、目の前で私の回復魔法を見せることにした。
欠損奴隷に回復魔法を掛ける。
すると彼女は、みるみるうちに美しい女性の姿に戻った。
「…っ、ぁ、あああああ!」
女性は自分の姿を確認すると、号泣した。
セラフィムさんもそれを見て涙ぐむ。
「よかったですなぁ」
「ありがとうございます、主人様、ありがとうございます!」
これで私の回復魔法は、死んでさえいなければどんな怪我や病気でも治せると確信できた。
知りたいことを知れたので、もういい。
私の逆ハーレムに、女の子はいらないし解放してあげよう。
「ところでセラフィムさん、奴隷を解放してあげることってできますか?」
「はい。特別な方法で奴隷印を消せば、一市民に戻れますよ」
「じゃあ、彼女をそうしてあげてください」
そう言えばみんなが驚く。
「え、主人様せっかく治したのになんで!?」
「せ、せっかく買ったのに…もったいないです!」
「いくらなんでもお人よしが過ぎます、主人様!」
「金の無駄遣いはやめておけ」
「あの、ジョウコ様。奴隷印を消すのにもお金がかかりますから…」
みんなは止めてくれるけど、せっかくの逆ハーレムに女の子が混ざるの嫌なんだよね。
「お願いします、セラフィムさん」
「むむむ…ジョウコ様がそこまでいうなら…」
そして奴隷印を消してもらい、女の人を解放した。
「何から何まで…本当にありがとうございます!」
「いえいえ、お元気で」
そうして満足いく結果を残して、回復魔法の実験は終わった。
ここまできて、資金はあと一億と一千万と細かいお金になった。
が、その後驚きの展開になった。
美しくなった元ぐちゃぐちゃ奴隷さんは、自由な身になったら即踊り子となったらしい。
そして人気者となり、高給取りとなり、私に今回のお礼として身代わり人形をプレゼントしてくれた。
この身代わり人形、一度だけ死ぬほどの怪我を肩代わりしてくれるらしい。
ありがたや、ありがたや…。




