バラキエルから見たジョウコ
最初は、興味本位だった。
ジョウコと初めて会った日。
怯える姿に呆れたものだ。
本当に上流階級の出身かも疑ったが…話を聞いて、間違いなくそうだと確信した。
ラダマンテュスより進んだ文明の土地から来た、箱入りお嬢様だと。
だが、本人は目立ちたがらない上に怯えたがりのようだ。
これではジョウコの親も苦労しただろう。
だが、ジョウコは我がエリュシオンに良い影響ばかりを与えてくれた。
我がエリュシオンは着物の『発祥地』…では本当はないのだが、そんな扱いになった。
我がエリュシオンは神を讃えるお祭りを開いた素晴らしい土地と評価されるようになった。
我がエリュシオンはジョウコが王都の人々を助けたことで『聖女』呼ばわりされることになったから、『聖女を守る土地』なんて呼ばれるようになった。
我がエリュシオンは『肉フェス』の開催によりグルメの地として有名になった。
ジョウコには感謝してもしきれない。
だから、これは恋心なんかじゃない。
決して下心ではない。
だが…役に立ってくれてばかりのジョウコを可愛く思う気持ちは、ある。
とても有用な子だ。
我がエリュシオンに来てくれて本当に良かった。
だから、指輪をあげたのだって、ただのお礼であって下心ではない。
断じてないのだ。
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