表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/98

金持ちだぜひゃっほー!

あれだけあった両親の遺産を食い潰した私。


しかし神は私を見放さなかった!!!


突如家ごと異世界転移、しかし商人に声をかけられ大金ゲット!


「ということでスタートは順調」


商人さんが公爵様に許可を取りに行ってくれて、私の手元には見事、身分証明書と移住許可証が。


身分証明書には職業欄があるのだが、そこにどこぞの金持ちの箱入り娘というなんとも言えない肩書きが乗った以外は何一つ問題ない。


…公爵様め、わざとだな。ヒキニートって書かれるよりいいんだろうけど。


ということで、この街に住んで問題なくなった。


お金もあるから当面困ることはない。


「家の方も、何故か水洗トイレも使えるしガスコンロも使える…なのでもちろんお風呂もOK、おまけに電気も通ってる」


つまり家の中では不便はない。


「ということは?困ることは何もないから?」


なんの憂いもない金持ちだぜひゃっほー!


さてさて、そうなるとヒロイン願望のある喪女の私がやることといえば一つ。


「イケメンの奴隷を買ってやるぜ!」


イケメンに囲まれた生活とか天国だからね!


ちなみにこの世界に来てから鏡を見ても、外見に変化は起きていない。


黒い髪に黒い瞳の童顔で、スレンダーな体つき。


着物は似合う見た目だからいいけどね!!!


「さてさて、では商人さん…セラフィムさんのところに行きますか」


親切にしてくれる商人さんはセラフィムさんというらしく、近くに店を持っているそうなので行ってみる。


玄関を出るとみんな物珍しそうにこちらを見てくるがさもありなん。


現在貴族の間で流行りの『キモノ』を着ているのなんて、この辺では私くらいだからね。


「あ、ここかな」


「おや、ジョウコ様。いらっしゃいませ」


「ちょっと相談に乗っていただきたいんですけど」


「ほう。ではこちらへ」


セラフィムさんに店の奥に通された。


「で、ご相談というと」


「この国って奴隷は…」


「我が国では奴隷は正式に認められておりますよ。うちでもここではなく別店舗ですが奴隷売買はしております。ご案内しましょうか?」


「は、はい!お願いします!」


「ジョウコ様のおかげでウハウハですからなぁ。読み通りキモノは、貴族の間で流行りですし高値で売れていますし…限定モノということで余計にね」


うふ、うふふふと笑うセラフィムさんに若干引きつつ案内してもらう。


セラフィムさんの運営する奴隷屋でまず奴隷の説明を受けた。


ここで買う奴隷は、全員奴隷印を入れられる。奴隷印がある限り、奴隷は主人に危害を加えられないのだそう。自分で奴隷印を消そうとする行動も取れないらしい。


奴隷は見た目や種族や特技によってランク分けされ、Sランクだと一人神聖金貨五枚らしい。


五百万かぁ、高いけど仕方ないよね。土地代は五千万だったから、あと四億と五千万あるから…二人買ったら四億と四千万か。


「とりあえず二人、Sランクの奴隷を。男の子で」


「でしたらこの双子はどうでしょうか」


出された奴隷は、ダークエルフの双子の男の子。まだ九十歳のショタらしい。金髪に青い瞳、褐色の肌。とても綺麗な顔立ちの子たちだ。


…九十歳でショタなんだ。


まあエルフは千年以上生きるらしいからさもありなん。


求めているのはショタじゃないんだけど…。


「…お、お願いします。お兄ちゃんと離れ離れはいや、です」


「お願いします、二人一緒に買い取ってください!」


…こんなふうに求められるとね。


「…いいよ、私と一緒においで」


「いいの!?」


「本当に!?」


神聖金貨十枚を払って、ダークエルフの二人を助けることになった。


あぁ、イケメンに囲まれた生活が遠のく…でもショタ二人も恋愛対象にはならずとも、可愛らしいから目の保養にはなるか。


「それで、えっと、ここが主人様のお家ですか?」


「そう、和風でいいでしょう」


「和風?」


「異国情緒溢れるでしょ?」


「は、はい!」


大人しめなフェルくん…正式名称ルシフェルくんがコクコク頷く。


元気溌剌とした印象のミカくん…正式名称ミカエルくんはぽかんとして家を見上げる。


そうだろうそうだろう、すごいだろう。両親の遺したこの家は、お屋敷と呼べるレベルの和風建築。


あんなにバリキャリな親からどうして私が生まれたのか…はともかくとして、両親の遺したこの家は唯一の自慢だ。


「はい、上がって上がってー」


二人を家に上げる。そして家の中を案内した。


ちなみに二人には客間を使わせるつもりだ。今から色々買い足すのも面倒だし、あの部屋には色々揃ってるから。


着物は父が子供の頃使っていたものが未だに生きているのでそれを与えることにする。


「はい、ここが君たち二人の部屋だよ。それとも二人とも別々の部屋がいい?」


「一緒にお部屋を使いたいです!」


「じゃあこの部屋が2人の共用の部屋ってことで。変えたくなったら言ってね」


「はい!」


「服はこれから、箪笥の中の着物を身につけてね」


はーい!!!と良い返事が返ってくる。


ということで二人にお風呂に入るよう命じて、シャンプーやボディーソープ、洗顔料の使い方を教えた。


身綺麗になった二人に着物を着せるとあら不思議、さらに可愛い天使となった。


…うん、やっぱり眼福だ。いい買い物をしたかも。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ