表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/98

肉フェス開催

セラフィムさんに肉フェスの主催を任せて一ヶ月。


今日はいよいよ肉フェスの日だ!


「フェルくん、ミカくん、イオくん、ザドくん、みんなお小遣いはしっかり持った?」


「ここにあるよー!」


「は、はい、大丈夫です!」


「しかと持ちました、主人様!」


「持ってる。毎回お小遣いをもらって悪いな」


みんなにはせっかくの肉フェスだからと、好きに飲み食い出来るようお金を渡した。


一人一万円だけど、お祭りだしすぐ全部使ってしまうだろう。


「じゃあ行こう!」


「今回は開会式とかもなく露店を好きに回れるんだよな」


「それで、食べ物を買ったら用意されてる席に座ってみたり、劇を見ながら食べたり出来る…」


「まさにお肉を楽しむためのお祭り、だね!」


「主人様の企画されたお祭りはいつも素晴らしいですね」


ということで、会場に向かう。


広場はすでに露店がこれでもかと並んでいた。


私たちもそこに入場する。


「…なぁ、あの着物…すごく品質がいいよな?」


「最近はパチモンの着物も出てるが、あれは本物だな。どこの姫君だろうな」


「名門の姫君もこういう祭りに参加するんだな」


またも注目を集めてしまいちょっと居心地が悪い。


が、そんな不躾な視線をイオくんとザドくんが隣に立って遮ってくれた。


フェルくんもミカくんも私と手を繋いで、周りに睨みを効かす…と言っても正直微笑ましいだけだけど。


おかげで周りの人達も空気を読んでくれて、それ以上噂されることはなかった。


「やあ、ジョウコ」


「バラキエル様!」


「今回は素敵なお祭りの開催、ありがとうな」


「いえ、主催はセラフィムさんですから」


「アイディアと資金を出したのはお前だろう?」


バラキエル様も来ていたようで、声をかけられる。


「まあ、せっかく自分で開催したお祭りだ。存分に楽しめよ」


「はい、バラキエル様も楽しんでくださいね!」


「もちろんだ」


にこっと天使のように美しい顔で微笑んで、こちらに手を振って露店の方に向かうバラキエル様。


面食いの私には眩しすぎるほどの微笑みをもらえて、眼福だった。


そして私達も露店に向かう。


そういえば天の声さん、このフェスも神様へのお礼になる?


『なります。裏では貢物として、各種肉を祭壇に捧げられているのでこちらでも肉フェス開催中です』


そうなんだ…肉フェス楽しんでください。


『もちろんです』


よし、お礼になったようでなにより。


さて私も楽しもう。


みんなで露店を周り、ウィンナー、揚げたお肉、ステーキ、ハンバーグなど思い思いの物を買って食べつつ劇の鑑賞などもする。


「美味しいね、みんな」


「はい!主人様、連れてきてくれてありがとう!」


「と、とってもとっても、美味しい…です!」


「主人様との思い出がまた増えましたね。この味を噛み締めたいと思います」


「まあ、この肉フェスとやらの飯は美味い。屋台価格なのか割高だが、味に文句はないな」


そうして遊んでいたが、楽しみ尽くしていたらいつのまにか夜になってしまった。


「もうお開きの時間だね、そろそろ帰ろ、主人様」


「ミカの言う通り、も、もう帰りましょう、主人様」


「もう露店も店じまいを始めてますね、これ以上残るのは防犯上もよくないでしょう」


「…おい、そろそろ暗くて危ない。また手を繋いで帰るぞ」


ザドくんが私の手を取る。


「あ、あの、今回は僕が主人様と手をつ、繋ぎたいです…!」


フェルくんはザドくんと反対側の手を取る。


「ミカ。君も危ないから俺と手を繋ごう」


「うん、イオと手を繋ぐのもたまにはいいかな!」


ミカくんもイオくんと手を繋いだ。


フェルくんはミカくんとも手を繋ぎ、五人で一列に並んで帰ることに。


暗くなり道も空いているから誰にも迷惑は掛からないし、なんかお祭りのあとの定番になっちゃったな。


そして五人で家に帰った。


食べ疲れたので、今日はシャワーだけ浴びたらそのままベッドへイン。


眠る直前天の声さんが言った。


『今日のお祭りも、とても楽しめましたよ。美味しかったです』


それはなによりです…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ