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流行病

お祭り開催、ダンジョン攻略とイベントが続いたので、普段通りの生活をしばらくのんびりと送っていた。


そこに突然ニュースが入ってきた。


「号外、号外!!!王都で謎の流行病が発生!!!」


流行病とな?


新聞を買って読んでみる。


王都で謎の流行病が発生、死者はいないものの謎の麻痺が体に残る…大事だ。


…何か、私に出来ることはないだろうか。


「ザドくん…」


「ん?」


「これ、助けてあげてくれない?」


「主人様、助けてあげるの?」


「あの、主人様…そ、それってすごく大変なんじゃ…」


私の隣を陣取り、新聞を覗き込んでいたザドくんに尋ねる。


するとフェルくんとミカくんは心配そうに私を見る。


いくらSランク奴隷の錬金術師とはいえ無理か…?と思ったが、ザドくんは言った。


「ハイポーションの進化版である状態異常回復ポーションさえ作ればどんな病も毒も回復できるぞ」


「え!?」


「しかも俺はそれを作れる」


「本当に!?」


「だが、王都にいる人間全員に配ろうとするなら材料費に神聖金貨ニ百枚ほどが必要だ」


ニ億円…今懐事情は四億と七百万と細かいお金。


ニ億と七百万と細かいお金があれば十分暮らしていける。


…よし!


「ザドくん、必要な材料は?」


「おそらくセラフィムとかいう商人のところで全部揃う。行くか?」


「うん!」


「お待ちください、主人様」


そこでイオくんから待ったが掛かる。


「本当によろしいのですか?ご自分の懐を痛めてまで他人を助けるのですか?」


「うん、イオくんの時もそうだったでしょ?」


「主人様、貴女という方は…」


「主人様かっこいい!」


「主人様、す、すごい…!」


何故かイオくんとフェルくんとミカくんから謎に憧れの目線が注がれる。


「ふん、聞かなくてもお人よしなこいつならやると分かっていただろう」


「ザドくんったら。意地悪な言い方しないの!」


「ふん、行くぞ」


というわけでセラフィムさんのお店に行く。















「…ということで、状態異常回復ポーションさえあればおそらく人々を救えるので材料を売ってください」


「わかりました。こちらの材料ならば、全て合わせて神聖金貨二百枚です」


「ありがとうございます!」


大量に商品を買い込んで、フェルくんのアイテムボックスに詰めて家に帰る。


家でザドくんが状態異常回復ポーションを作ってくれた。


それをフェルくんのアイテムボックスに再度詰めて、身分証を持って王都に向かった。


馬車はセラフィムさんが用意してくれた。


関税を払って王都に入り、人々に無償で状態異常回復ポーションを配った。


怪しまれはしたものの、麻痺が残った人々は藁にもすがる思いでザドくんの作った状態異常回復ポーションを口にする。


結果麻痺が解けて、人々はこぞって状態異常回復ポーションを求めた。


そして王都の全ての人に状態異常回復ポーションが行き渡り、みんな健康体になった。


幸い王都の外には流行病は広まっていないとのことなので、これで一件落着だろう。


私たちは再び馬車に乗り、家に帰る。


まさか、王家に目をつけられたとは思わずに。

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