第98話 餓狼化と闘気武装
『餓狼化』
『闘気武装』
獣神、究極悪魔神が同時にスキルを発動させる。
究極悪魔神が使用したのは{闘気武装}見たところ黒いオーラのようなものを見に纏っている。おそらく身体能力の向上と見るべきだろう。肉弾戦にシフトする気だ。
問題は獣神だ。{餓狼化}その名の通り自身の肉体を餓狼にすることで全てのステータスに変化があるだろう。これまでは魔法タイプの九尾モデルだったが、ここからは餓狼らしく近接戦を中心に戦ってくると見るべきだろう。
ッ!
{不壊の目}が反応する前に攻撃を喰らっただと!?運良く{不壊}は貫通されていないみたいだけど目で追えなかった。まさか通常時にAGIを無限にして攻撃できると言うのか?
『獣神よ待つがいい。まだこれを移譲していない。{異常転移}』
なんだそのスキル?異常を転移させる。転移先は個体を対象にしそうな感じだけど、まさか状態異常やデバフをこちらに?いや、今あいつはバフしかかけられていないはずだ。
究極悪魔神が纏っていた黒いオーラが宙に舞い獣神にまといつく。
まさかデバフだけではなくバフまで転移できるのか!これは流石にまずいかもな。究極悪魔神のオーラに関しては{不壊の目}でも貫通されるとでていた。となると獣神の物理攻撃は全て俺の{不壊}を貫通することになる。
こうなると対処法は一つしかないか
「{反撃領域}」
腕10本を無駄に動かすよりも慣れた人型の感覚で尚且つ最大のAGIを引き出せる{反撃領域}これなら奴の攻撃にも対応できるはず。
エリア内に入って来た!相変わらず速いが今度は視えている。それだけでも対応はできる。
まずは左手に構えた鈍足の短剣で爪を弾く。確率の判定は失敗だ。次の攻撃を脱力の短剣で弾く。また判定は失敗。獣神は{反撃領域}の範囲内から出ることなく文字通りの肉弾戦を仕掛けてくる。なんとか剣で弾き続け何度か脱力と鈍足を付与する。着実にアドバンテージ差が開いてきたところで、これまで動いていなかった究極悪魔神が動いた
『{呪いの悪魔}』
なんだ?{呪いの悪魔}?{悪魔の呪い}じゃなくて。
よくない気配がするな。できるだけ早く仕留めてしまいたいが、多少優勢になったところでまだまだ油断できない。この系のボスにデバフは効いても状態異常が有効なわけがない。だから麻痺や毒を付与する武器を使用しても意味がない。どうすればいいんだ。
『{大悪魔の呪い}』
聞いたことのない呪い系スキルだ。ただでさえ厳しい状態だと言うのに!
問題はその呪いの瘴気が俺ではなく獣神に対して取り憑いていることだ。これでは何をしたのかもわからない。ただ、新規のログは流れてきた
『究極悪魔神がスキルの代償として消滅しました。』




