第91話 デーモンビースト50階
とりあえず俺たちは1日5時間は宿題を一緒にやって、余力があればもう1、2時間くらいやろうという話になっていた。合間に昼食を取ったり、ユーオンについて話したりもしていたが、今日はそこそこ進められた。そして午後3時ごろになり、恭平は帰宅、俺たちはユーオン内で落ち合うことにした。
と言っても、俺はインしてすぐにイベントの続きをやるので、落ち合うのはそれから戻ってからだ。
次はついに50階、大体のゲームだと何かしらの特殊能力が付与されたり、一気に強くなったりする階層だ。
目の前に現れたのはやはりデーモンビースト。しかしこれまでの階層と違う点が一つある。それはデーモンビーストが2体いること。変化はこれだけか?
「{毒霧}」
即座に{毒霧}を発動、デーモンビースト1体は撃破、しかしもう1体は倒れそうにない。HPゲージが減ってはいるからダメージは通っているが、明らかに耐性を持っているそれの減り方だ。このゲームの毒耐性には8つほどある。まず毒耐性小・中・大の3つ。それに加えてこれよりも効果量は減るが範囲が広がる状態異常耐性小・中・大の3つ。そして毒無効と状態異常無効だ。
ダメージの減り具合的に状態異常耐性大ってところだろうな。元の弱点自体が消されて状態異常耐性中って可能性もありそうだ。こうなるとアレを使うのが手っ取り早いだろうな。
「{大地の覇者}」
{毒霧}である程度のダメージは通っている。こっちが動かない限り向こうの攻撃は通らないから、こっちはスキルで攻撃し続ければいいだけだ。
もちろん{大地の覇者}に対応しきれずダメージが通る。だがさすが50階と言ったところだ。流石に一撃で仕留めきれない。相手は{大地の覇者}に怯むことなく技の溜めをしていた。{不壊}を貫通されないことを祈るしかない。ここで試しておかないと今後回避しづらい時にくらって大丈夫なのかがわからない。
攻撃モーションに入った。
「{呪いの滅魂歌}」
やばそうなスキルだ。状態異常系か?周囲の様子とか相手自身、俺にも自覚症状はない。
ウィンドウを表示して確認すると呪い状態になっている。このゲームでの呪いは基本的に被呪者が内容を知ることができない。呪いは高度なものになれば制限時間以内に解呪しなければ死に至るものなども存在しており大変危険だ。
これ以上時間をかけるのはまずいな。
すぐさま10本の腕を生やし、全てに先生の作ってくれた装備を装備する。
そのままデーモンビーストに接近し、一気に切り刻む。デーモンビーストは驚異的な再生能力を持っているらしいのだが、10本の腕での同時攻撃、それも全てが高威力な攻撃だ。流石のデーモンビーストもこれには耐え切ることができず、消滅した。なんとか50階クリアだ。ここからは肉弾戦が中心になるだろうな。初手で{毒霧}を使い、相手のHPを削りつつ、肉弾戦で片をつける。これが対デーモンビースト戦で俺が取れる最善手だろうな。
よし、テンプレも決まったところだし、ガンガン進めていくか!




