第86話 ヴァルへのプレゼントと刻印
ヴァルへのプレゼントはどうしようか。今回いい感じのアクセサリーも見つからなかたし。
ヴァルのプレイスタイル的にも動くときに邪魔にならないものがいいよな。そうなるとブレスレット、アンクレット、アームレット、ミサンガ、ネックレス、メガネ、腕時計、指輪、チョーカー、イヤリング、ピアス、実用的なところだとブーツや羽織、服なんかもありだな。
指輪は渡すし、ネックレスはミルナに渡すからなし、メガネ、腕時計、羽織なんかは動きの障害にならないとは言い切れない、似合わなさそうだからなし。チョーカーは他に比べて実用性が皆無だから絶対になし。そうなると残るのはブレスレット、アンクレット、アームレット、ミサンガ、イヤリング、ピアスか。
確か普段からイヤリングかピアスかまでは見てなかったけど、確かつけていたと思うからそれも無しか。他も大体つけてるとこ見たことあるんだよな。
確かブレスレットはあんまりつけてなかったか。ステータス的にいいものをあげたらつけてはくれそうだけど、見た目の趣味もわからないしな。ミルナに渡すのはダンジョンで手に入れたものだからこういう悩みはなかったんだけどな。
普段からファッションとかオシャレに興味がないからこそ、こう言った場面で苦しむんだよな。
逆に普通のアイテムを渡すか?あいつは相当このゲームやりこんでるやつだし、そっちの方が喜ばれそうだな。それなら装備品じゃなくて特殊ポーションとかがいいかな。何か持ってなかったか?
しばらくアイテムボックスを漁ってちょうどいいものを見つけた。どこで手に入れたのかもわからないがかなり特殊だし、それなりに喜ばれそうなアイテムだ。
『モーションエフェクトポーション』
モーションを指定して、そのモーションに対応するエフェクトを指定することでポーション1つにつき1つ、モーションエフェクトを追加することができる。
実用性などもはや皆無のアイテムだが、面白いものだし、ヴァルは意外と厨二なところあるからもしかしたら喜んでくれるかもしれない。5本あるし、欲しいて言った数だけあげよう。とりあえずこれでいいかな。もしかしたらいらないって言われるかもしれないけど、その時は普通にポーションの詰め合わせを渡せばいいわけだし。これ以上何か準備しても遠慮して受け取らなさそうだし、いいか。
ん?チャットが来たみたいだな。先生か。もうインしてきてたんだ。
「パンドラ、ギルドエンブレムについてだが依頼先が決まったのを伝え忘れてて、今日納品が来たんだが、確認に来てもらってもいいか?」
「先生的にはどう?」
「すごくいい感じだとは思うぞ。」
「じゃ、それで受領しといて。」
「いいのか?」
「いいよ。ただ、確認はしたいからすぐにホームに戻るね。」
「わかった。」
俺はギルドホームへ転移し、すぐにホームにいたメンバーと合流した。いつの間にかハンスも入ってきていて、ヴァルとミルナ以外は全員揃っていた。
「ハンス、今日は早いね。」
「パーティーについてききまして。何かお手伝いできないかと。」
「キキョウ何かあったらハンスに伝えといて。ちょっと急ぎで先生と話あるから。先生、個室にお願い。」
そう言って先生を呼び出す。
「急に呼び出してすまないな。」
「大丈夫だって。それで?どんな感じ?」
「これだ。」
そう言って先生が見せてくれたエンブレムは中央に10本の腕を生やしたミミックが描かれており、外角は紫色で、魔法陣のようなものが描かれていた。
「すっごくいいじゃん。それじゃ早速だけど、受領の連絡はした?」
「もう終わらせたぞ。これでこのエンブレムは俺たちが自由に使えるぞ。」
「それじゃすぐにギルドツール化して、アイテムに刻印できるようにしよう!」
「そういうと思ってさっきチャットしながら終わらせておいた。」
「さすが先生!それじゃ鍛冶場借りるね。」
「そういえば使ったみたいだが何を作ったんだ?」
「刻印が終わってからのお楽しみ。」
そう先生に言って俺はすぐに2人に渡す指輪の内側通常見えない位置に刻印をした。ギルドツール化したことによってできるようになったこの刻印。とても便利なもので、刻印があるだけでステータスが少しではあるがアップする。さらにアイテム種に合わせて有色・無色(掘るのみ)を選ぶことができるようになっていて、アイテムの見た目を損ねないようにできる。
見る何渡すローブとネックレスにも刻印をしようとしたが、この刻印の対象はそのギルド内の鍛冶場もしくはそのギルドに所属するメンバーが生産したアイテムに限られているらしい。まぁ、当たり前といえば当たり前か。




