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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第3章 ユートピアオンライン2

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第84話 指輪

翌日、午前中のうちからログインした俺とキキョウはユイユイ・レントルと合流した。


ファザオンの件があって忘れていたが、イグザミナとの会談では第3回以外は毎週土曜の定期会談とこちらの呼び出し次第で会談も行うことになった。第3回だけは第2回の4日後に行なっていた。ファ座オンにいた間のキキョウから連絡して中止してもらった。

そしてその会談の翌日に俺はキキョウに誘われてファザオンを始めた。要は第3回の会談は第3回イベント日程の発表翌日、第3回イベント発表時点で10日後から1週間が第3回イベントの期間だ。ファザオンに入って今日で11日だ。ファザオンを始めた時点でイベント開始まで8日。つまり今はイベント期間真っ只中というわけだ。

残り4日あるので、ゆっくり攻略しようと思っているのだけど、他のみんなはもういったみたいだから、今日のお祝いパーティーのついでに聞こうと思っている。


「それじゃ2人が入ってくるまでにお祝いの準備しようか。」


「はーい。」


「本当におめでたいですよね。結婚式とか参列するの初めてなので少し緊張します。」


「大丈夫だって。俺もパンドラもそういうの参加したことないんだから。」


「そうそう。それにきっとみんな来るだろうから、ゲルマとハンスも来るでしょ。あの2人はそういうとこちゃんとしてそうだし。」


「そうそう。レントルは私についてくればいいの。」


「お姉ちゃんがいちばんの不安要素なんだけどな。まぁ、きっと大丈夫ですよね。」


「大丈夫だって。それよりもまずはこっちでもお祝いしないとね。それじゃ準備にかかるよ。キキョウとユイユイ・レントルの3人は買い出しをお願い。部屋の装飾をできる飾りとかご飯とか飲み物とか桔梗の判断でいいから色々買ってきて。」


「わかった。お前はどうするんだ?」


「ちょっと今日のパーティーのために作りたいものがあるから。それを作っておくね。装飾とかは基本使い捨てアイテムになるから買い過ぎたとしても今後使えるから多すぎるくらい買ってきといてね。」


「わかりました。パンドラさんが何を作ろうとしているのかなんとなくわかりましたけど、確かに必要ですね。」


「わかる?さすがレントルだね。ゲーム内でのスキルだけじゃなくてこういった時に何が必要かとかわかる対人スキルがある。キキョウとは違うねー。」


「なんだと!?俺そんなに酷い?」


「今私が何を作ろうとしているのかわからないんだったら相当だね。ユイユイはわかる?」


「わかるけどキキョウの顔が面白いから言わなーい。」


「だってさ。キキョウわからないの?」


「わからないな。普段人と関わっていないの知ってるだろ?っていうかお前もそうだろ?」


キキョウがそんな文句を言ってくるが、その隙にユイユイとレントルの答えを聞く。2人とも正解だ。

子供だから頭が柔らかいのもあるだろうけど、キキョウの人との関わらなさが余計際立っているような気がする。


「今2人に確認したけど、2人とも合ってたよ。まぁ、買い物から戻ってくるまでに考えておきな。」


そう言って3人をギルドホームから追い出した。先生に作ってもらう方がDEXの高さの分アイテム的にはいいものができるだろうけど、今回はそういうのを求めているわけではない。

今回使用する素材は鉄、ダイヤモンド、特殊加工ツールの3つだ。

特殊加工ツールというのは物品の加工や製作の際に特殊な加工効果を一つ付与することができる。性能の上昇や、耐久値の大幅上昇など、ほとんどがステータス関連でDEXさえ高ければ解決できることなのだけれど、1つだけDEXでは解決できず、今回必要な効果がある。

それは自由製作効果。

製作レシピからある程度の形状などはコピーすることができるが、それ以外は全てを自由に作ることができるシステムだ。ステータスは他の装備より低くなるが、自由に振ることができるし、素材などの要素次第ではスキルも好きなものを付与できる。しかし、今回重要なのはそれじゃない。この要素、見た目も自分で好きなように加工できるのだ。

今回必要なのはこの見た目の自由加工だ。DEXによって精度は下がるが、アバター作成と似たような感覚だ。自分で思い描いたものを自分の手で生み出すことができる。


今回作るのは指輪だ。現実の指輪とは見た目も意味合いも違うだろうけど、2人が1つであることの証であることに変わりはない。それにギルドに誘った時もアクセサリーの買い過ぎでお金がないと言っていたくらいには2人ともアクセサリーが好きだ。

基盤にするのは鉄の指輪というアイテム。今回ツールを使っている以上、サイズなどは自分で調整する必要がある。それについては後でどうにかできるから、とりあえずどういう見た目にするかを決めようかな。

埋め込める最大サイズのダイヤを埋め込むような形がいいかな。そうすれば戦う時に邪魔にならないだろうし。


しばらくして2人分の指輪が完成した。ゲーム内のアイテム名も設定できたので、祝福の指輪パンドラとしておいた。名前は勝手にかっこで追加されてしまうみたいだ。

側は完成したから今度はステータスだ。

基礎的なステータス値を0にしてアイテムの所有スキルを3つにする。1つ目のスキルは{不壊}。これは私と同じものだ。そのもの自体の意思で動かない限り壊れることがない。

2つ目が{自動調整}。これは指輪装備や服装備のように身につける装備にのみ付与できるスキルで、サイズ、大きさを自動的に調整してくれるらしい。

3つ目は{愛の守り}。これは俺がツールの仕様を使って作り出したスキルだ。本来そんなことはできないが、少し悪用させてもらった。バグではなくとある仕様上スキルの作成ができるようになっていた。おそらく運営にそんな意図はない。

そしてこのスキルは2つで1組の指輪型アイテムにしか付与できないスキルで、その効果というのがHPが全損してしまう時、対応する指輪を装備しているプレイヤーがいれば、そのプレイヤーのHPが100減少する代わりに1日に1度HPが全回復する。というものだ。

お互いがお互いの命を守るためにお互いの命を張る。そんなスキルだ。


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