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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第2章 ファイト・ザ・オンライン

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第76話 決勝トーナメント第1回戦

「さすがだな」


本来誰も入れないはずの俺の待機室に入ってきたのはキキョウだ。


「お前入ってこれるんだな。」


「まぁ、特権みたいなもんだ。ここからトーナメントだが、大丈夫そうだな。過去最速で予選も終わって運営も慌ただしそうだったから俺も休憩もらえたってわけ。」


「なるほど。なら感謝して欲しいもんだな。」


「いや、お前のせいでほとんど仕事なかったんだけど。お前が知り合いっていうのも流石に言えないしさ。これで交流のある2人がバグレベルの強さとなるとチートを疑われるからな。まぁ、エキシビションの時までそれは秘密だな。」


「まぁそうだな。おっと、トーナメント表が出たみたいだ。」


トーナメント表には選手名と、過去出場した際の最も良い結果まで表示されていた。


1回戦第1試合 デルタ(第6回ベスト4)VSファル(第5回ベスト16)

1回戦第2試合 ショー(決勝トーナメント初進出)VSレンドル(第3回準優勝)

1回戦第3試合 カイル(第1回3位)VSジョイ(決勝トーナメント初進出)

1回戦第4試合 パンドラ(初出場)VSコンベントル(第7回準優勝)

1回戦第5試合 ゴル(第6回ベスト8)VSレン(第1回準優勝)

1回戦第6試合 ベルロル(第5回ベスト4)VSコーリン(決勝トーナメント初進出)

1回戦第7試合 Ria(第1回ベスト8)VSカイロウ(第1回ベスト8)

1回戦第8試合 Roin(第4回準優勝)VS AGIN(決勝トーナメント初出場)


「決勝初が4人か。少ないな。いつもは最低5人はいるんだが、お前のせいで予選が実力勝負になったみたいだな。」


「確かにそうかもね。初出場は1人か。」


「まぁ、顔見知りも多いだろうし、一番マークされてるのはお前だろうな。まぁ、わかっていたところで対策できるような代物じゃないし大丈夫じゃないか。それじゃ頑張ってなー。」


そう言いながらキキョウは解説席に戻っていった。さっそく第1試合が始まったそうで、待機室のモニターに試合の様子が映し出される。ただ、俺はそこに興味はない。相手の戦闘スタイルはそこまで関係ないし、どれだけ強かろうと、力でねじ伏せればいいだけだ。

俺が気になっているのはカイル、レン、Riaの3人。この3人は第1回から毎回決勝トーナメントに進出している実力者だそうだ。今回俺があれだけ荒らしたというのに生き残ったということはあの広さがあればあの理不尽攻撃に対しても生き残る術を持つと見るべきだろう。

もちろん決勝トーナメントは広さが制限されるとは言え、対策されている可能性もある。俺が彼らと対峙する可能性があるのは1回戦と決勝の2回か。カイル以外の2人は潰しあってくれるみたいだし。そこまで気にする必要もないな。

1回戦が終わったみたいだ。デルタの勝利、2回戦は始まって速攻で決着がついた。まぁ、第3回準優勝のベテランと、決勝トーナメント初出場のプレイヤーじゃ実力差は明白だよな。

3回戦が始まった。これはカイルの試合だな。AGI高めの設定だな。それでもせいぜい60を少し超えたくらいだな。その分攻撃力が高いみたいだな。このゲームにステータスは存在しないから、ただ単に体や筋肉の使い方が上手いみたいだな。他のプレイヤーを比べてもダメージの入りがいい。

あっという間に相手を蹂躙し尽くして、カイルが勝利した。次は俺の番だな。決勝トーナメントも進みがかなり早いな。ちょっとだけ長く試合を楽しもうか。早く終わりすぎてもつまらないし。

俺が転送されたフィールドにはすでに相手が転送されてきており、俺の転送が完了すると同時にゴングがなり、試合がスタートした。相手は第7回準優勝だ。あまり油断しすぎるのは良くないが、相手も動かない。カウンターで戦う気なのか?


「どうした?こないのか?」


相手が煽ってくる。カウンターによほど自信があるのか。


「いや、こっちもそっちから仕掛けてくれるの待ってるんだよね。まぁ、きて欲しいならこっちから仕掛けさせてもらうよ!」


そう言い残すと、俺は今の自分の最大値はあえて出さず、100で移動を開始、目眩しに入る。コンベントルは一切視線を動かすことなく、カウンターの構えに入る。それじゃ、まずは風圧での攻撃かな?カウンター無効だし。


「ぐぅ」


ごく小さな声ではあるが、声が聞こえたな。風圧だけでも耐えるので精一杯みたいだな。俺はこれでも余裕がある状態だし、もうちょっとスピードを上げるか。

メニューを開いてスピードを120まで上昇、もちろんエリア外に出ないようには気をつけている。

ついに風圧にも耐えられなくなったのかコンベントルの足が僅かに浮き、そのまま吹き飛んでいった。


「WINNERパンドラ」


その表示とともに俺は待機室に戻された。

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